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プレーモデルのシンプルな説明

去年の1回目の緊急事態宣言の時に、プレーモデルについての図を作りました。まだまだ完成ではありませんが、noteに出させて頂きます。正直、自分自身、プレーモデルというものの理解度は高くないですが、だからこそ易しい表現で、分かりやすい説明が出来るのではないかと思いトライします。

まず作成段階で、自分の場合「攻守において主導権を握り試合を進める」という事をコンセプトとして考えるようにしました。そこには自分が選手時代に「どうすればパスを繋げるのか」や「何を基準に守備をすればいいのか」を悩んでいたことが関係しています。

主導権を握ってプレーする為には選手がアイデアを共有する事が必要で、その為には「枠組み」のようなものが必要だと考えています。例えばビルドアップで、CBはどんなプレーの選択肢があり、そして相手の位置や狙いによってどのようにプレーの決断を変えるべきなのか、が重要になると思います。

サッカーは一般的に「攻撃」「ネガティブトランジッション」「守備」「ポジティブトランジッション」の4局面に分けられています。また自分は攻撃に関しては「ビルドアップ」「中盤の攻略」「AT3rdの崩し」という分け方をしました。基本的に自陣の後方から攻撃を始めるとして、CBからボールを前方に運ぶ道筋と意図的にフリーマンを作る為の方法をある程度、皆んなが理解しておくと便利です。

自分の場合

①CBとアンカーで1stラインをブレイク

②2CBのみで進入

③アンカーが落ちて3枚でドリブル進入

④SBから前方のスペース

⑤DFライン裏に一発ロングボール

としました。その中で例えば

①の「CBとアンカーで1stラインをブレイク」とありますが、これを表すことで相手が2トップでプレッシャーをかけてきた時に、2CBだけだと回避しにくいので、アンカーにボールを当てながら進入していく、というプレーを共有しやすくなると思います。この時2トップのプレッシャーの掛け方で、攻撃側は選択するプレーが変わってきます。

例えば、相手が2CBにマンツーマンで捕まえてきたとしたら、2トップ間にいるアンカーにCBからパスを送り、ターンさせれば1stラインをブレイクできます。違うパターンで言うと、相手の1人がボールにプレッシャー、もう1人がアンカーのコースを切ってきたとします。その場合、フリーになっているCBは出来るだけ高い位置に移動し、斜め関係になっている2トップを置き去りにできるポジションでボールを受ける事が出来ます。

一番厄介なのは2トップがアンカーのパスラインをぼかしながらCB同士のパス交換でプレッシャーのスイッチを入れてくる時です。そこで重要になってくるのは「アンカーのポジショニング・タイミング」と「CBのパスフィーリング」の2つになります。その場合プレッシャーがかかっているCBからアンカーはパスを受けなければいけませんが、背中から連動してくるもう一人のトップ(又は相手ボランチ)からフリーになる必要があります。その時に止まっていて相手が狙いやすい状態であったり、ポジショニングが相手側に寄りすぎていたらインターセプトされる可能性が高まります。

背中からのプレッシャーを外すには、味方が出せる状態になった瞬間、一瞬素早く動き出し「相手には絶対触れないスペース」でボールを触る必要があります。(このプレーを選手に理解してもらう事や、実際に具現化させる事は凄く難しいと感じています。)このボールがアンカーに渡る時に相手がどうアクションを取ってくるかで、次の判断は変わります。

もし、後方からのプレッシャーがなければ、アンカーは前方にターンし、2トップ間を抜けて、1stラインをブレイク。後方からのプレッシャーが2トップの片割れだった場合、ボールをつけたCBは角度を変えてリターンパスを受け、絞ってきた相手によって生み出されたスペースに逆側のCBは入っていきボールを受け、ブレイクする。

後方からのプレッシャーが相手ボランチであれば、味方インテリオールのどちらかがフリーになっている可能性が高く、やはりCBはパスをつけた後、角度を変えてリターンを受け、2トップのどちらかとボランチの間に差し込むパスを入れ、インテリオールがターン、または前向きの選手につけれたらプレッシャー回避となります。

その時に相手SHが絞ってインテリオールにプレッシャーがくる場合は…というようにプレーは続いていきますが、またそこでのプレーの選択肢を持っておく。解決の仕方は選手の能力も違うので、様々なものがあっていいと思います。プレッシャーを外せているのにプレーモデルの中に入ってないから、というのは本質的ではないかも知れません。

ゴチャゴチャと書きましたが、あくまで指導者が指導する上で、プレーの選択肢を整理出来きていれば「コーチは説明しやすいし、選手は理解しやすい」というメリットが生まれます。やはり「選手が充実してプレーする為に」また「彼らが同じ絵を描きながらプレー出来る様に」プレーモデルを活用出来れば、そこには大きな意味があるように感じます。



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