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親が子供に与えにくい経験

これまで職業上、多くの保護者の方々と対話してきました。やたら子供に厳しい、自分の子供だけが良ければいい、チームメイトの長所も理解している・・・etc  そんな沢山の方々の中で、一つの当たり前の共通項があります。それは「我が子が大切」と言う普遍的な項目です。

これまでの経験上、これだけは御多分に洩れず共通しています。「チームが負けても、自分の子が点を取ったから」というのは口にこそ出さないけれど、どこの家庭にも少なからずある感情だと思います。それほど我が子は特別な存在だし、この先も健全に育ち、自立した大人になってほしい、というのは多くの親御さんにとって同じ想いだと見受けられます。

自分自身、親として子供のためにしてあげられる事に何があるのか、と考えたところ「安全な住環境・栄養を考えた食事・進んで学べる環境・子供が安心して話せる親子関係」など。数え上げるとキリがない位、要素として挙げられます。ただ、そう言った事を考えた時にいつも「最も与えることが困難な要素」にぶち当たります。それは子供に「理不尽な経験をさせる」ということです。

親ならば、子供が何一つ不自由なく、無事に大人になって欲しい、と切に願いますが、理不尽な出来事は人生で避けられない時があります。そうした事があっても逞しく生きていかなければならない。

その中でスポーツは「ルールの中で小さな理不尽を数多く経験し、克服する」手段の一つになり得ます。多くの場合は「試合中、相手にけずられた」「メンバーに選ばれなかった」「途中交代させられた」などといった類のことです。本当に不運な場合を除いては「事実を受け止めて、逆境に立ち向かう訓練」になります。(それでも稀に不慮な事故に繋がることもある事は承知しております)

そういったことを日常的に行なっている人と、そうでない人との間には「小さな理不尽に対する耐性」が違ってきます。そして更に日常に起こりうるストレスをプラスに転換する方法を身につけられるようになります。スポーツ選手が社会に出て活躍するのはその様な理由があるからだと感じます。

割合的に、殆ど全ての選手がプロにはならず、違う道を歩んでいきます。プロになっても成功する人は一握りという中で、スポーツに何を求めるべきでしょうか。身体と精神を鍛える事、仲間と協力する方法を身につける事、自分で問題を解決する事など色々ありますが、自分の思い通りにはならない世の中で「理不尽に対する耐性」を自分自身はサッカーから学んだように思います。

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