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ガンバ大阪 補強診断〜チーム別補強診断#13〜

こんにちは。
Jリーグも開幕してから数ヶ月が経ち、すでに後半戦が始まり、チーム状況を見直しての目標の再設定が行われています。
そこで、「チーム別補強診断」シリーズでは、2022シーズン開幕に向けた各チームの補強に関して、現時点までの成績などを踏まえ評価を行っていきたいと思います。
その上で、各選手の補強診断を『S』から『D』の5段階で評価をし、最後はチーム全体の総括も行おうと考えています。
これまでのシリーズ同様、上位カテゴリーから、北から行います。
第13回となる今回は、ガンバ大阪編です。
なお、すべての情報は6月22日時点となるので、ご了承ください。
また、試合出場などのスタッツは、transfermarktを引用します。

補強動向

改めて、今オフのガンバ大阪の補強動向を振り返っていきましょう。

なお、この表は以前の記事『2022Jリーグチーム別考察#12 ~ガンバ大阪編~』に記載されている表になります。

試合結果

選手個人個人の試合での出場データなどをみる前に、まずはチームとしてのここまでの成績を見ていきましょう。

J1リーグ

ルヴァンカップ

天皇杯

個人スタッツ

それでは、ここからはオフの移籍市場で加入した選手をポジション順に(GKから)見てきましょう。

①加藤大智(←愛媛FC)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 昨季途中に、J2の愛媛FCより期限付き移籍で加入し、今季より完全移籍へ移行しました。
 ガンバ大阪には、絶対的守護神の東口選手がいますが、加入した際には控えGKの一森選手が負傷したタイミングで、その負傷によりGKの頭数が足りなくなったということを補うタイミングでの補強でした。
 今オフでは、林選手が退団し、頭数が一つ減ったということを踏まえ、完全移籍へ移行したといえるでしょう。一方で、絶対的守護神の東口選手が在籍していることや、有望な若手である谷選手が湘南ベルマーレで経験を踏んでいることを踏まえると、多くの出場機会を掴むことが想定されているわけではないと言えると思います。

考察

 開幕時に、絶対的守護神の東口選手が負傷により長期離脱をしており、加藤選手、石川選手、一森選手がポジション争いをする構図になりました。当初は、石川選手や一森選手を中心にポジション争いをしていました。
 その後、加藤選手はルヴァンカップで2試合プレーし、J1リーグデビューを果たしました。その後は、天皇杯で2試合にスタメンフル出場を果たしており、しっかりとチームの序列争いに絡んできていると言えます。
 東口選手が復帰した一方、一森選手が負傷離脱しているのが現状です。まずは、リーグ戦で安定してベンチ入りできる2番手GKの座を狙いたいところです。

評価

評価は『A』としました。
 評価に関しては、『B』と悩みましたが、それでも昨季の期限付き移籍期間中に出場機会をつかめなかった選手が現時点で公式戦5試合に出場している現状は、期待値以上と言えるのではないでしょうか。

②福岡将太(←徳島ヴォルティス)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 昨季は、J1の徳島ヴォルティスで38試合のうち、25試合でスタメン出場をするなど、自身初めてのJ1の舞台で主力として堂々たるプレーを見せました。
 J2 の栃木SCや徳島ヴォルティスでのプレーぶりを見ると、J2屈指のディフェンダーであることは疑いの余地がなく、盛り上げ上手なキャラクターも特徴の一つです。
 ガンバ大阪は、韓国代表のキム・ヨングォン選手とアカデミー出身の菅沼選手が退団しており、センターバックの頭数が二つ減っていますので、その穴を埋める獲得と言えるでしょう。立場的には、菅沼選手の後釜と考えるのが妥当で、「準主力」級の働きが求められていると言えそうです。

考察

 開幕から6試合では、5試合でメンバー入り、1試合でスタメンフル出場とまあまあの結果を残していました。昌子選手、三浦選手という鉄板コンビをベンチから支えることのできる貴重な選手でしたが、韓国出身のクォン選手が合流すると、ベンチ外が続いています。
 ルヴァンカップや天皇杯で出場機会を得てはいますが、リーグ戦で全くベンチ入りできていない現状は少し期待はずれと言えそうです。

評価

評価は『C』としました。
 加入当初は、チームの中で「準主力」として貴重な役割を担っていましたが、程なくしてクォン選手が合流すると全くと言っていいほどリーグ戦に絡むことができず、現状は期待外れと言えるでしょう。

③クォン・ギョンウォン(←城南FC)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 ガンバ大阪にとっては、韓国代表で守備陣のリーダー的存在であったキム・ヨングォン選手が母国の蔚山現代へと移籍してしまい、その後釜として韓国の城南FCから現役韓国代表のクォン選手を獲得したと言えるでしょう。
 現状、三浦選手、昌子選手と言った日本代表レベルの選手が所属しているため、この2選手とクォン選手を合わせた3人、そして新加入の福岡選手を中心にセンターバックを構成することになるでしょう。

考察

 開幕時から合流することが叶わず、開幕直後の出場は叶いませんでしたが、合流後は第9節の湘南ベルマーレ戦で初スタメンを果たすと、第11節から第17節は7試合連続でスタメンフル出場を果たしており、しっかり主力に定着したと言えるでしょう。

評価

評価は『A』としました。
 加入一年目でありながら、チームの闘い方にしっかりフィットし、加入直後から完全に主力に定着しました。元々の期待値が高いため、『S』にはしませんでした。

④石毛秀樹(←清水エスパルス)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 昨季は、所属していた清水エスパルスで全く試合に絡めず、後半戦はJ2のファジアーノ岡山へ移籍し、主力として活躍しました。
 その後、J1のガンバ大阪に移籍しました。
 テクニシャンタイプの選手で、タイプ的には倉田選手などに近いイメージで、年齢も27歳と脂の乗っている年齢でもあり、ガンバの攻撃陣に新たな色を付けるというイメージでの獲得と言えるでしょう。

考察

 開幕から、2試合に1試合程度のペースで安定してスタメン出場を果たしており、求められている「準主力」としての役割は十分に果たせていると言えます。
 攻撃的なポジションの選手ですので、得点やアシストといった目に見える結果を出すことが必要になってくるでしょう。

評価

評価は『B』としました。
 出場試合数やパフォーマンスを見ても、攻撃陣に新たな色を加える「準主力」としての活躍ぶりで期待値通りと言えるでしょう。宇佐美選手が離脱した中で、非常に重要な存在となっています。

⑤齊藤未月(←湘南ベルマーレ)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 東京五輪世代の代表で中心的な役割を担ってきた選手で、ロシアのルビン・カザンに移籍しましたが、選手登録枠の関係で出場不可な状態に陥り、湘南ベルマーレに復帰後、J1のガンバ大阪に期限付き移籍しました。
 今季より、片野坂監督が就任し、新たなスタイルへの舵を切ったガンバ大阪にとって、ボランチのポジション争いは横一線からのスタートであったと言えるでしょう。
 元韓国代表のチュ・セジョン選手や有望な若手である奥野選手など、多くの実力派の選手がいる中で、リーグ戦、ルヴァンカップ、天皇杯と複数のコンペティションを探す中で、ローテーションしながら最高のコンビを見つけることになるでしょう。その中で、齊藤選手は最低でも「準主力」程度の活躍が求められているでしょう。

考察

 開幕から2試合はベンチ外が続きましたが、第3節の川崎フロンターレ戦で移籍後リーグ戦初出場を果たすと、その後はリーグ戦で7試合連続スタメンを飾る(スタメン出場じゃない試合が1試合ありますが、それは所属元のベルマーレ戦で契約の関係上出場不可)など一気にチームの主力に成り上がりました
 その後は、リーグ戦でスタメン出場の機会を減らし、途中出場から試合に入りますが、ルヴァンカップや天皇杯では継続的に出場しており、ダワン選手や奥野選手と共に多くの出場機会を得ています

評価

評価は『B』としました。
 ロシアからの加入や、ロシアの最後は出場機会を得ていなかったことから試合勘の不安があるかとも思いましたが、それでも、チームのスタイルにいち早くフィットし、「準主力」として多くの試合に出場している現状は期待通りでしょう。

⑥ダワン(←SCサンタ・リタ)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 井手口選手や矢島選手が退団しており、中盤の中央でプレー可能な選手の頭数が減っています。その上、両選手とも多くの出場機会を掴んでいた選手でしたので、「若手期待枠」などではなく、「主力級」の獲得をせざるを得ない状況で、ブラジルのセリエB(2部リーグ)で60試合、セリエA(1部リーグ)で55試合に出場しているなど、多くの出場機会を掴んでいた経験豊富な選手です。
 キック精度などは、高いものがあり、展開力にも優れている選手です。攻撃のリズムを生み出すことができる選手なので、タイプ的には、井手口選手というよりは矢島選手に近いと思います。

考察

 開幕当初は、新型コロナウイルスの影響で合流できていませんでしたが、第6節の名古屋グランパス戦で、加入後初出場初スタメンを果たすと、その後はリーグ戦全試合でスタメン出場を果たしており、ガンバ大阪の中で中盤の軸になっています。
 齋藤選手と奥野選手を併用している中で、「ダワン+α」という組み合わせが軸になっており、完全に主力に定着したと言えるでしょう。

評価

評価は『A』としました。
 元々、主力級としての獲得候補でしたので、期待値はかなり高い選手です。しかしながら、それをも上回る活躍を見せ、「超主力級」になったと言え、期待値以上だと言えます。

⑦山見大登(←関西学院大学)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 関西学院大学出身の山見選手は、昨季も特別指定選手としてJ1リーグ4試合に出場していました。そのため、今季がプロ一年目ではありますが、実質的にはプロ一年目かと言えばそうではありません
 昨季の時点でJリーグデビューを果たしていることからも、期待値は他の大卒ルーキーよりも高いと言えます。一年目から、途中出場を中心に多くの出場機会を掴むことが目標となるでしょう。

考察

 開幕当初は、途中出場を中心にリーグ戦に出場しました。第5節のアビスパ福岡戦ではベンチ外にはなりましたが、それ以外の試合では出場しており、第6節以降はスタメン出場の機会を非常に多く掴んでいるということを考えると、序列を上げていると思います。
 最近は、最前線だけではなくサイドハーフでの出場機会を多くなっており、持ち前の器用さを活かしていると思います。
 ルヴァンカップや天皇杯でも多くの出場機会を掴んでおり、「主力級」ではないですが、「準主力」以上としての立ち位置を獲得していると言えるでしょう。

評価

評価は『A』としました。
 元々の期待値が非常に高い選手ではありましたが、それでも公式戦2試合以外で出場していることなどを踏まえると、ガンバ大阪にとって欠かせない戦力になっていると言えるでしょう。
 今後は、FWの選手ですので得点やアシストなど目に見える結果を求めていきたいと言えるでしょう。

⑧中村仁郎(←ガンバ大阪U18)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 パリ五輪世代の超有望株とも言える中村選手は、ガンバ大阪U23としてJ3にすでに33試合に出場し5ゴール5アシストと結果を残している選手で、今季より正式にプロサッカーセンスの仲間入りをしましたが、Jリーグデビューなどは果たしており、普通の昇格一年目と比べると期待値が高い選手です。
 サイドハーフを主戦場とする選手で、同じポジションには、宇佐美選手など実績十分な選手もいますが、それでも途中出場などから試合への出場機会を掴んでいきたいと言えるでしょう。

考察

 開幕当初は、試合への出場機会を掴むことはできませんでしたが、それでも第7節の京都サンガ戦で途中出場からJ1に出場すると、その後は4試合連続スタメン出場を果たすなど、序列を上げてきました
 先日まで、代表に行っていたこともありましたが、それでも天皇杯では戻ってきて早速出場しており、今後はまたリーグ戦での出場が期待されます。

評価

評価は『A』としました。
 通常の高卒ルーキーと比べると、期待値が非常に高い選手であったため、評価を『A』にしました。今後は、リーグ戦で安定してメンバー入りして、「準主力」となることが目標と言えるでしょう。

⑨坂本一彩(←ガンバ大阪U18)

試合スタッツ

・Jリーグ

・ルヴァンカップ

・天皇杯

獲得理由

そもそもの獲得理由を考察していきたいと思います。

 坂本選手も中村選手同様、J3でガンバ大阪U23として出場した経験があり、11試合で3得点を記録しています。その上、同じく年代別代表でパリ五輪に選ばれる可能性もあるという選手です。
 期待値としては、中村選手同様通常の高卒ルーキーと比べると、高いものがあります。
 ただ、選手層が厚いチームでもありますので、まずは、途中出場を中心に試合出場をしたいところです。

考察

 開幕当初は、リーグ戦のメンバー入りができませんでしたが、それでも第7節の京都サンガ戦で初出場すると、そこからは4試合連続で出場するなど、序列を上げました。ルヴァンカップでも途中出場を中心に出場機会を掴んでいましたが、それでも年代別代表により、すこし離脱していました。

評価

評価は『A』としました。
 通常の高卒ルーキーと比べると、期待値が非常に高い選手であったため、評価を『A』にしました。今後は、リーグ戦で安定してメンバー入りして、「準主力」となることが目標と言えるでしょう。

全体評価

それでは、全選手の評価を振り返っていきましょう。

加藤大智 A
福岡将太 C
クォン・ギョンウォン A
石毛秀樹 B
齊藤未月 B
ダワン A
山見大登 A
中村仁郎 A
坂本一彩 A

以上のことを踏まえた総合評価は以下のとおりです。

全体評価は「A」としました。
 中村選手、山見選手、坂本選手など若手の選手が多くの出場機会を掴み、チームの戦力として定着したことに加え、ダワン選手なども求められたタスクをこなしていると言える現状は期待値以上かつ、未来は明るいと言えるでしょう。

最後に

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