シェア
なかにし(nia)
2018年4月19日 12:57
僕はどうして人間なんだろうと考えたことがあるか。世界はどうして透明なんだろうと考えたことが。或いは空の色を移したバターの味だとか、それらがトーストの上で溶けていく速度について。愚かな君と僕の300日後については後で話そう。あっという間の50日を突破して、残りの15日は誰かにあげる計画でもいいな。夕焼けの燃える世界の意味は。月がわざわざ満ち欠けをして、星がその遺影を夜に残し続けていく意味は
2016年7月20日 16:15
透明な蜻蛉を抱いて、笑う少女がいた。夏の青い空に照らされて、地面から雨のにおいはすっかりと消えてしまったらしい。青い鳥を肩に乗せた少年は、仄暗いトンネルの向こうへどんどんと進んでいく。 ぎざぎざに割れた空き瓶の欠片で、僕たちは緑色の血液を作った。流し込む先には、もう既にきらきらした音が待っていると知っていた。透明な蜻蛉は日向に揺れて、もう誰も笑ったりはしなくなるけれど。 あ
2016年7月20日 16:05
眩い朝だった。或は、それは夜だったのかもしれない。薄っすらと目を開けた僕の視界に、大きな影が揺れた。頬を撫でる風は確かに自然な不安定さを保ち、ここが外であるということを僕に知らせる。淡い桃色の、綿菓子のような空が見えた。確か、僕は一人で学校からの帰り道を歩いていたんだ。いつも通りの見慣れた景色。すれ違う友人は、僕が住むアパートの4ヶ月分くらいの値段もするロードバイクにまたがって