神生み“命を守る”神様たち 伊邪那岐・伊邪那美さま⑪ことの葉綴り。其の六二
若葉きらめく、八十八夜
夏も近づく八十八夜♪
野にも山にも若葉が茂る
あれに見えるは、茶摘みぢやないか
あかねだすきに菅の傘♬
おはようございます。
今日は、立春から数えて88日目
八十八夜です。
超サボり屋の私も、緑茶を頂きながら
noteに向かってます。
神様も失敗をして成長した物語……
“経験”は人の生きる力を養っていく……。
青々として若葉の美しい季節。
吹き抜ける風も心地よい、
今日から、五月。
つつじの花の美しい季節。
東京では、例年、根津神社さんの境内に
約3千株のつつじが咲き誇り
4月から「文京つつじまつり」が楽しめます。
今年は、残念ながら中止となっています。
端午の節句に合わせて全国で、
鯉のぼりが、空になびいて
風に揺れて……。
青空、雲、風、花、木、水
日本は、これまで春、夏、秋、冬と
季節が巡り、彩り鮮やかに美しい風景を
見せてきてくれました。
同時に、台風、嵐、大雨、地震、雷
厳しい自然とも向き合ってきました。
その、すべての“自然”の
一つ一つの働きの中に
神さまを感じてきた……。
そんな神さまをお産みになったのも、
初のご夫婦神となられた伊邪那(いざな)岐(ぎ)・伊邪那(いざな)美(み)さま。
成し遂げたことを讃えよう
「国生み」で、私たちの国土をお産みになられて。
「よく、ここまで立派な島が誕生しましたね」
と、伊邪那岐・伊邪那美さまは、ご夫婦で
大きなお役目、お仕事を成し終えたことを讃えたお名前の
大事忍男神(おほことおしおのかみ)をお産みになりました。
今だったら、
「大プロジェクト、私たちよくやったね。お疲れ様。乾杯~」
というイメージでしょうか。
まずは、これまでご自身がなされたことを
ちゃんとお受けとめになられた気がします。
私たちも、仕事や学びの過程で、
一つのことを成し終えたとき、
それを流して、すぐ次に進んでしまわずに、
自分の中で、「よくここまできた。出来た」と、
認めて受け止める“作業”がとても
大事な気がします。
一つ、“完結”させる、というか。
一つ、ピリオドを意識して打つ。
自分の成したことを、自分で受け入れる。
それまでのプロセスでだって、
いろいろな紆余曲折があったはず。
うまくいくことばかりじゃないはず。
途中で、諦めかけたり
投げ出しそうになったりしたはず。
それでも、一つ完走したことは
ちゃんと受け止めて、讃える。
まさに、乾杯でもして、
受け止める儀式をしてあげる。
それにより、深く心にも刻むことができる。
ふう~~。
よく、やってきたよね、ここまで。
一区切りのピリオドをつける。
肚の底へと、細胞へと、その経験を落とし込んでいく。
ほんと、おつかれさまでした。
自分にご褒美をあげてもいい。
伊邪那岐・伊邪那美さまも、
国生みを成し遂げられるまでには
我が子を喪った悲しみ
天つ神諸さまへの相談
ご神意を聞く、勇気と素直さを持たれ
結婚をやりなおされた。
そして、大八島国という国土を産まれた。
そして、大事忍男神(おおことおしをのかみ)という。
私たちは、大きなことを成し遂げましたと
讃える神様を、最初にお産みになられたのです。
八百万の神さまの誕生
さぁ、ここからどんな、神さまをお産みになられたしょう?
木?
火?
土?
水?
花?
山?
あ~ちょっと残念でした。
家屋の神さま
では、誕生された神さまを順番にご紹介をします。
(漢字が多いのは、お許しくださいね)
次に、石や土の男神様と、石や砂の女神様
石土毘古神(いわつちびこのかみ)・石巣比売神(いわすひめのかみ)
次に、家の戸口を守られる神、大戸日別神(おおとひわけのかみ)
屋根を葺いてそれを守る神、天之吹男神(あめのふきおのかみ)
家や建物を守る神、大屋毘古神(おおやびこのかみ)
立てた家を風から守る神、風木津別之忍男神(かぜもつわけのおしおのかみ)
と、最初にお生まれになったのは、家の神様です。
これは、私たちの命を守り暮らすための
「家屋」というものが成り立っていく様を示しているのです。
なんか、面白いと思いませんか?
意外ではありませんか?
自然と共に在る
そのためには、身を守り
人々が、食べて寝て暮らせる
家屋の神さまが、最初に生まれていたんです。
すでに、古代の人は
自然の猛威とどう向き合うか
戦うのではなく、その中でどう生きるのか
共生き、それが根本にあったのですね。
命を守る神さまたち
そして、いよいよ、大自然の誕生です。
海を掌る(つかさどる)、大綿津見神(おほわたつみのかみ)
海から川へと河口を掌る、水戸神(みなとのかみ)。
この神さまは、ご夫婦神さまで、
速秋津日子神(はやあきづひこのかみ)と
妹速秋津比売神(いもはやあきづひめのかみ)。
最初に、ほめ讃えた大事忍男神さまから
妹速秋津比売神まで十神様の誕生です。
十神様の、最後のご夫婦の神さま二柱が、
河と海で、それぞれに水や海に関する
八神をお産みになります。
水面を穏やかにする神様、
沫那芸神(あわなぎのかみ)・沫那美神(あわなみかみ)
水面を静かにお守りになる神様、
頬那岐神と頬那美神(つらなぎのかみとつらなみのかみ)
次に、天上と地上の水を分配する分水嶺を掌る神様二神。
天之水分神(あめのみくまりのかみ)と、
國之水別神(くにのみくまりのかみ)
そして、次は、瓢(ひさご)で水を汲んで施すことを掌る神さま
天之久比奢母智神(あめのくびぎもちのかみ)と
國之久比奢母智神(くにのくびぎもちのかみ)
私たちのいのちを守る家屋の神様の次には、
生きるのに必要な水に関係する神様が誕生しました。
荒々しい海から、河口に入り、水面が穏やかに静かになり
川が分かれる分水嶺があり
そして、ひさごで水をすくっていただくことで、
我が身を、その喉を潤す、水となる。
この順番にも、私たち人間が「生きる」のに必要なものを順番に産んでくださっている気がしませんか?
さて、伊邪那岐・伊邪那美さまは、次にどんな神さまをお産みになるのでしょうか?
―次回へ
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