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結婚のやりなおし 伊邪那岐伊邪那美⑨神様も失敗して成長した ことの葉綴り五九

結婚のやりなおし?!

サボりくせのある私が、今日もnoteに向かいます。
“失敗”や“困難”と思う出来事は、生きる力を強くする!
神話の神代と今とを、“往復”しながら、“失敗”をされて成長されていく神さまの物語を通して、何かしら生き方・考え方のヒントになれば幸いです。。

さて、初のご夫婦神となられた伊邪那岐・伊邪那美さまですが、
誕生した赤ちゃんとの別れが待ち受けていて……。
天つ神諸にご相談をしたところ、
「女神の伊邪那美命が、柱を巡ったときに、
先に言葉をいったのがよくなかった。
また地上に帰り降りて、改めてやりなおすのがよい」
と、太占で、ご神意が明らかになりました。

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伊邪那岐命・伊邪那美命さまご夫婦神さまは、
地上に再び降りられて、
結婚の儀式を再びおこなわれたのです。

天の御柱を、もう一度巡ります。
そして、再び“出逢った”ときに
今度は、夫である伊邪那岐命さまが、妻のお顔を見つめられて
「ああ、なんて美しい女性なのでしょう」と
まず、男神さまから、お声をおかけになり、求婚しました。

それを受けて妻神の伊邪那美命さまも
「まぁ、なんて素敵な男性なのでしょう」

と、見つめ合い、そして再び身体を一つにされて……
寝どころで、みとのまぐはひを、おこなわれました。



大八島国の誕生

伊邪那岐・伊邪那美さまが、結婚のやりなおしをされた結果、
今度は次々に立派な島々が誕生したのです。

まず、①淡路の穂の狭別島(さわけのしま)→淡路島です!

次に、②伊豫(いよ)の二名島(ふたなのしま)。
これは、四国ですね。

この島は身一つで面四つあり、面ごとに名があって……。
伊豫国は愛比売(えひめ)、
讃岐国は、飯依比古(いひよりひこ)。
粟国(あはのくに)は、大宜都比売(おほげつひめ)
土佐国は、建依別(たけよりわけ)

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次に、③隠岐の三子島→隠岐島

次の、④筑紫島も、身一つで、面四つでそれぞれに名前があった。
これは、九州のことです。
筑紫国は、白比別(しろひわけ)→筑前・築後
豐国は、豐日別(とよひわけ)→豊前・豊後
肥国(ひのくに)は、建日向豊久土比泥別→肥前・肥後
熊曾国は、建日別(たけひわけ)→熊本県南部~鹿児島

次に、⑤伊伎島(いきのしま)は、天比登都柱(あめひとつばしら)→壱岐の島

次に、⑥津島は、天之狭手依比売(あめのさでよりひめ)→対馬

次に、⑦佐度島→佐渡島

次に、⑧大倭豊秋津島(おほやまととよあきづしま)は、天御虚空豊秋津根別(あまつみそらとよあきづねわけ)→本州、


伊邪那岐・伊邪那美さまは、この①~⑧までの、
八つの島を、まず最初に、無事に国生みされたのです。。

このため、日本の国のことを、大八島(おおやしま)国と呼ぶようになったのです。

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“男尊女卑”なのか……? 

結婚の儀式のときに、女性が先に声をかけるという順番が違った。
と、結婚をやりなおされた、伊邪那岐・伊邪那美さまは、これから、次々と国生みをされていきますが……。

この、天地創造のときに、まず最初に”失敗“をして、次に成功する……世界の神話では、以外とあるパターンなのだそうです。
おもしろいですね。
これは、人とのご縁も、一度うまくいかなかったつながりも、お互いに見つめなおしあい、復縁をしてうまくいくこともありますね。
最初に“失敗”すること、それを生きる力に役立てること。
生きる真理なのかもしれませんね。

でも、これ、この伊邪那岐・伊邪那美場合、
女性が先に声をかけるのがダメってどうなの? 
という声もあるかもしれませんね……。

私が社会人として、神道文化学部の大学へ通ったときのことです。
この『古事記』講読の授業で、神話の魅力を教えてもらいました。

テキストになった『古事記』の注釈にはこうあります。
「女先に言へるによりて良からず」
<左右の方向と男女の関係は、「天左旋地右動」というような古い中国思想によったものだろう>

講義をされていた男性の先生は、こう話されたのを覚えています。

「古代の中国的な男尊女卑の思想というとらえ方もあります。
でも、そうなのでしょうか?
私は、女神のほうが偉いのではないか…“出産”し神を生んだのも女神です。
私たち、人間でも出産するのは女性です。
では、なぜ男性から声をかけるのがいいと記されているのか?
それは、まず、男性から、女性を褒め称えなければいけないのでは……と思います。
天照大御神さまは、日の女神でもっとも尊い神さまです。
祭りでも、神職は祝詞により、まず神の偉大さを褒め称えます」

そう、偉大な女神さまへの、褒め称えが、まず先にあるべきというとらえ方をされていました。
これ、『古事記』と『日本書紀』でもちょっと違うようです。

ユング派の心理学者の河合隼雄氏は、『神話と日本人の心』で、
「それまでの女性優位の社会から男性優位の社会に
変化したことを告げるのかと思われるが、
実は、この後に、アマテラスという女神が日の神として
高天原の中心と占めることを、
われわれは知っている。
いったい日本神話において、男性、女性のいずれを優位を考えるのかという問題が生じてくる」

と、あり、神話『古事記』の構造は、
ただ“男尊女卑”ではない、
独自でユニークな構造になっている
と読み解いています。

『古事記』の全体を通じて大切なことは、「均衡」あるいは「調和」ということではないかと思われる。


少し、難しくなってしまいましたか?

伊邪那岐・伊邪那美さまの、国生み・神生みは
はじまったばかりです。

太陽の姫神・天照大御神さまのご誕生は、まだまだ先です(苦笑)

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―次回へ

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