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天照大御神五柱の御子神 須佐之男命⑤ことの葉綴り。其の九八

五柱の男神誕生 

こんにちは。週末の朝、「ことの葉綴り。」のひとときです。
“神様も失敗して成長した”
荒ぶる弟神の須佐之男命からの「神に誓いをたてる、誓約(うけひ)により、心の清らかさを証明します。神生みをしましょう」
という提案をうけいれた、高天原を統べる天照大御神さま。

天の安の河をはさみ向かい合います。

そして、天照大御神さまは、須佐之男命さまのみ霊の依り代である「十拳剣」を、手にし、清らかな天の眞名井の井戸水で清められてから、三つ折りにした剣を噛んで噛んで、その息吹から
「宗像三女神」の三柱の姫神さまがお生まれになりました。

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いっぽう弟神の須佐之男命さまは、
男装された姉の天照大御神さまの左の髪の
御角髪(みづら)
に巻かれている
五百箇の勾玉を貫いている長い玉の緒をもらい受けます
姉神がされたように、
天の眞名井の清らかな水に、
その玉の緒を振り洗い、
ゆらゆらと玉の緒が揺れて音を立てるほどに清めてから
それを噛みに噛み、そして吐き出された息吹の霧の中から

お生まれになった神の名は、

正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命(まさかつあかつかつはやひあめのおしほみみのみこと)。

ここから、また漢字が多くなりますが、ご了承を!
勝という字が三度も出てきますが
どんだけ勝ってるねん?と、つっこみたくなりますが(苦笑)。
この神さまは、覚えていてください。
神話の物語の、神さまの命の連なりにつながっていかれますよ。


次に、天照大御神さまの右の髪の御角髪(みづら)に巻かれていた
玉の緒をお受け取りになると
須佐之男命さまは、また清められてから
噛みに噛みに噛み、吐き出された息吹の霧からは、
天之菩卑能命(あめのほひのみこと)さまがお生まれになりました。


また蔓(つる)の草を輪にした魔除けの玉飾り、御鬘(みかづら)を清めて噛みに噛み、吐き出された息吹の霧からは、
天津日子根命(あまつひこねのいのち)さま。

さらに天照大御神さまの左手に巻かれていた玉の緒からは、
活津日子根命(いくつひこねのみこと)さま。

右手に巻かれていた玉の緒からは
熊野久須毘命(くまのくすびのみこと)さま。

の、五柱の男神さまがお生まれになられました。

天照大御神さまは、そこで、弟の須佐之男命さまに
こう仰られます。

この後に生まれた五柱の男の子は、
私の持ち物である玉を、
神が誕生する物の種である物実(ものざね)として生まれた神。
この五柱の男の子神は、もちろん私の子です。

そして先に生まれた三柱の女子の神は、
物実(ものざね)が、あなたの物です。
すはわち、あなたの子!

そう宣言なさいました。

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今に続く命の祖神!

と、この天照大御神さまからお生まれになった
五柱の神さまを、少しご紹介しましょう。

最初に天照大御神さまの左の御角髪(みづら)から誕生した
長男、正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命
(まさかつあかつかつはやひあめのおしほみみのみこと)は、

正勝吾勝は、「正しく私は勝った!」という意味で
勝速日」は、速やかな勝利栄光のご神意を表し
忍穂」は、たくさんの穂が豊かに実った稲穂という意味です。

天之忍穂耳命(あめのおしほみみのみこと)とも呼ばれ、
稲穂が着実に勢いよく稔るというご神名です。

この神さまは、母の天照大御神さまに育てられ、
その後の、「国譲り神話」に登場されます。
また、この神さまの御子神が、邇邇芸命(ににぎのみこと)さま。
そうです。
のちに、高天原から、葦原中つ国の
筑紫の日向の高千穂に、天孫降臨される神さまです!!
皇祖神、そして今にも継承される皇室の連なりが、この神話から続いています

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次に、左の御角髪から誕生された次男
天之菩卑能命(あめのほひのみこと)。
天穂日命とも記されます。
出雲国造という、出雲大社の代々宮司をつとめる千家家や、出雲系の神さまの氏族の祖神です。

三男の天津日子根命(あまつひこねのいのち)も
地方の力を持つ国造の多くの豪族たちの祖神です。
天津彦根命とも記されて、
三重県の多度大社のご祭神でもあります。

四男、活津日子根命(いくつひこねのみこと)
五男、熊野久須毘命(くまのくすびのみこと)は、出雲の国の熊野神社のご祭神という説が。

三重県の多度大社の末社「皇子(おうじしゃ)」には、
この「誓約」によって誕生された、神々がお祀りされています。

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この神話の物語からは、
皇室の皇祖だけではなく、
地方で力を持つ豪族の祖神たちも
天照大御神さまからお生まれになっているということ。

父母の伊邪那岐・伊邪那美さまが、この国土を
自然の神々をお産みになった

天照大御神さまは、皇室の祖神だけではなく、
地方に生きる氏族の祖神もお生みになられた。

私たちは、八百万神の“いのち”を受け継いでいる

誰一人、例外なく、祖神から連綿と受け継いでいる命……なのです


さて、物語にもどりましょう。
誓約(うけひ)の勝負、須佐之男命さまの清き心、または邪心……その判定やいかに!

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―次回へ

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