天之日矛(あめのひほこ)の恋 応神天皇さま二六 神話は今も生きている ことの葉綴り六五〇
大安+定+鬼宿日の吉日
おはようございます。日の出が遅くなり日の入りが早いですね。
十二月十日(金)の暦は、六曜が、万事によい大安吉日! 十二直は、物事の善悪が定まる「定」。
そして二十八宿は、「鬼宿日」で、28宿中いちばんの大吉日です。ただし婚礼を除く、です。
この日は、鬼は宿にいて外を出歩かないので、すべてに良い日なんですって!
鬼といえば、『鬼滅の刃』新たなシリーズ始まりましたね。私は、ダメ元で応募した原画展が当選したので、今週末、観にいってきます!めちゃ楽しみです(^^)。
挿話の“昔話”
今日も神話の物語に入ります。
のちの世で、八幡大神さまとなられる第十五代応神天皇さまが身罷られたあと、皇位を受け継いだのは、大雀命さまでした。
大雀命さまは、即位されて十六代、仁徳天皇となられますが、物語で登場するのは、まだ先のこと。
ここで、二つの挿話の“昔話”が入るのです。
それを見ていきますね。
新羅の王子天之日矛
昔、(垂仁天皇の御代三年のころ。さらに神代のころいう説も)
新羅の国主(国王)の子で、天之日矛がおりました。
この王子は、渡来してきましたが、そこにはこんな所以があったのです。
新羅に一つの沼があり、阿具沼といいました。
あるときのことです。この沼の畔で、一人の賤しい女性が、お昼寝をしていました。
そこに太陽の光が虹のように輝いて、その女性の陰上に光射していきした。なんと、その様子を、賤しい一人の男が、怪しいと疑いながら隠れて覗き見しているではありませんか……。
光り輝く赤い玉
すると、お昼寝中に妊娠をし、お腹が大きくなり、しばらくすると、赤い玉を産んだのです。
なんだーあれは? なんて美しい玉なんだ!!
その不思議な様を見て驚いた男は、その女性の前に姿を現すと、産んだばかりの赤い玉を無理やりに取り上げて逃げていってしまいました。
男は、この赤い玉を袋にいれて腰につけて大事にしました。
またこの男は、田畑を山間部に持っていて、そしてその土地の農地の耕作人たちに、食料を一頭の牛の背に負わせて運んでいたのです。
その日も、この男は牛の背に、食料や飲み物を乗せて、耕作人たちに運んでいました。
そこに、偶然、この地域に来ていた国王の王子、天之日矛と出会います。
天之日矛は、この男を不審に思い、こう問うのです。
「そなたはなぜ、食べ物を牛に負わせて、山谷に入っていくのだ? きっと、山の中でこの牛を殺して食べようとしているのだろう?」
この男を捕まえて、牢獄へと入れようとしたのです。
「めっそうもありません。私の牛を殺そうなんて思っておりません。ただ耕作人たちに食事を運んでいるだけです」
そう、懸命に答えて嘆願しますが、赦されそうもありません。
このままだと、本当に牢獄へ送られてしまします。
赤い玉が美しい乙女に
そこで、この男は、それまで大事にしていた、腰にさげた袋をといて、その中から、赤い玉を取り出して、王子天之日矛に贈り物として差し出したのです。
あまりにも美しく光輝く玉を手にして、ようやく、男を解放してやりました。
その夜です。
王子、天之日矛は、屋敷へと玉を持ち帰り、寝床の側に置いておきました。
すると、この光輝く玉は、見目麗しい乙女へと姿を替えたのです!!
―続きはまた次回!(^^)
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