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父神が天照大御神様に授けた首飾珠の神 元伊勢五一  ことの葉綴り三七八

恩返しと恩送り

こんにちは。お天気の良い日曜日。皆さん、いかがお過ごしですか?私は、朝からお参りして、ホットケーキを焼いてと、お休みらしい朝を過ごした後、お昼から「ことの葉綴り」のひと時です。
3月14日はホワイトデー。貰った贈り物の“お返し”をするのって、そのことへ感謝の気持ちを返す「恩返し」の習慣があるからこそですね(^^)
近年は、「恩送り」という言葉もいわれますよね。恩を貰った方へと直接にはお返しできなくても、その恩を他の人へと送ること。恩を貰った人は、また別の誰かへと送ってゆく。その「」は、世の中を循環していき、やがて再び巡り巡って戻ってくる、といわれます。
想像すると楽しいですね。
私も、「ことの葉綴り」にきてくださった皆さんに、「ありがとう」「お健やかで」「その人にとって“最善”でありますように」と、謝意の気持ちで手を合わせます。
いつも、本当にありがとうございます

※これまでの1~343回までの、神代~13の神話の物語のまとめはこちらです。お好きな神様の物語をご覧になってください。


さて、倭姫命(やまとひめのみこと)さまが、天照大御神さまの御杖代(みつえしろ)となりご巡幸されて、伊勢の神宮にお祀りされるまでの物語。

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「藤方片樋宮」その一「加良比乃(からひの)神社」

倭姫命(やまとひめのみこと)さまが大和国(現、奈良県)を旅立たれてから、二十六年の歳月が流れていました。

伊賀国、淡海国(近江)、美濃国、尾張国、そして伊勢国へとご巡幸されてきた倭姫命(やまとひめのみこと)さまご一行。

垂仁天皇十八年、伊勢の国の阿佐加「藤方片樋宮」(ふじかたかたひのみや)で四年間、天照大御神さまをお祀りなさいました。
このとき、荒ぶる神伊豆速布留神(いつはやぶるかみ)を鎮める祭祀を執りおこなわれ、荒々しい神が和らぎ鎮まり、地域が平定されました。
そこでこのあたりは「宇礼志(うれし)」と名付けられて、今も「嬉野(うれしの)」の名が残っていることをご紹介しました。

この阿佐加の「藤方片樋宮(ふじかたかたひのみや)」といわれている神社は三社あります。

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一つ目は、三重県津市藤方の「加良比乃神社(からひのじんじゃ)」さん。

伊勢湾から相川へと入り、伊勢へと続く伊勢街道沿いの藤方の町の山すそにご鎮座されています。
桑名の「桑名野代宮(くわなのしろのみや)」からは、約60㎞。伊勢湾を船で航海されたでしょう。

ご祭神は、御倉板拳神(みくらたなのかみ)さま。
伊豆能賣神(いずのめのかみ)さま。
そして天照大御神さまをはじめ他の神さまもお祀りされています。
 
由緒は、倭姫命(やまとひめのみこと)さまが、こちらにお宮「藤方片樋宮(ふじかたかたひのみや)」を建てられて、天照大御神さまを四年間お祀りされました。
そして、次のご巡幸へと旅立たれた後御倉板拳神(みくらたなのかみ)さまと伊豆能賣神(いずのめのかみ)さまをご鎮座して、「加良比乃神社(からひのじんじゃ)」になったそうです。
このお宮は、津市の藤方の小高い場所にご鎮座しており、片側が斜面になっており、倭姫命(やまとひめのみこと)さまがいらしたころは、水が不便だったそうです。桶を使って泉の水を引いていたので、「片桶宮」と呼ばれていたそうです。そこから「加良比」といわれるようになったそうです。

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父が授けた御頸珠(みすまる)の神

この「御倉板拳神(みくらたなのかみ)」さまとは? さて? どんな神さまでしょうか?
神話の神代の「三貴神(さんきしん)誕生」の物語に戻ります。
(伊邪那岐命さまの禊から天照大御神さまが誕生した物語は、下記をご覧くださいね)

天照大御神さまの父神の伊邪那岐命(いざなぎのみこと)さまが、
黄泉の国から戻られて、”筑紫の日向の橘の小戸の阿波岐原(あはぎはら)”で、禊をされて、穢れを祓われたときに、誕生したのが三貴神(さんきしん)の神さまです。
天照大御神さま、須佐之男命さま、月読命(つきよみのみこと)さまです。
父の伊邪那岐命(いざなぎのみこと)さまは、天照大御神さまに、御頸珠(みすまるのたま)である、首飾りの珠の緒を揺らして鳴らし、「高天原を統治するように」と命じられて、この御頸珠(みすまるのたま)を、である天照大御神さまにお授けになりました。
この御頸珠(みすまるのたま)こそ、「御倉板拳神(みくらたなのかみ)」なのです!!

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御頸珠(みすまるのたま)は、三種の神器や、父母の伊邪那岐命・伊邪那美命(いざなぎのみこと・いざなみのみこと)さまが、天津神から授けられた、天の沼矛とおなじように、「委ねる、委任」の「事依(ことよ)さし」の象徴であり、また稲魂の象徴でもあり、さらには天照大御神さまが、穀霊の霊能を得た、という意味もあるのではという説があるそうです。

もう一柱の神さまも、興味深いので、それは、ぜひ次回に!

春らしいお天気になりましたね。
落ち着いたら、「元伊勢」の旅に、本当に出たいです!!(笑)

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―次回へ

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