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道ひらきの神さま 神様も“失敗”して成長した ことの葉綴り。百五三

子孫がお祀りする「猿田彦神社」


おはようございます。雨は上がりましたが曇り空。梅雨明けが八月になりそうな朝、「ことの葉綴り。」のひとときです。

邇邇芸命さまが、筑紫の日向の高千穂に天孫降臨されて、
その先導の「みちひらき」の大役を果たした猿田毘古神さまは
故郷の伊勢に、天宇受賣命さまと共に戻ってこられました。

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今も、伊勢市の「猿田彦神社」、はじめ全国の神社に、
お祀りされて、すべてのことに先駆けて、
人々をもっとも善いほうに導き、
世の中の行方を開く「啓行」(みちひらき)の神として
多くの方に崇敬されています。
伊勢市の二見の、夫婦岩が有名な「二見興玉神社」にも、
猿田彦大神がお祀りされています。

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神話の物語のまだまだ先のお話となる“余談”ですが、
時代が進みゆき、
垂仁天皇の皇女倭姫命(やまとひめのみこと)さまが、
天照大御神さまをお祀りするのにふさわしい土地を探して、
巡行されていたときの、ことです。
猿田彦大神が開拓した伊勢の五十鈴川の川上の宇治の聖地を、
猿田彦神の末裔の大田命がお勧めしたことから、
伊勢の神宮の内宮が造営されたのです。

と、ここでも、天照大御神さまの大きな助力を果たしたのですね。

そして、大田命の直系の子孫となるのが、
宇治土公(うじとこ)宮司家。
伊勢の「猿田彦神社」は、猿田彦大神の子孫の宇治土公宮司家が
代々、今も宮司をおつとめになっていらっしゃるのです。

20200731猿田彦神社SH3D0060

江戸時代に『古事記』の研究をされ『古事記伝』の著者で
国学者の本居宣長氏は、こう言葉を残されています。

「神代から、大神の末裔として絶えることなく続く
名高き 宇治土公家 私の大切な友よ」(寛政11年 1799年)

神代から続くご縁……。
神話は今も生きている……。

夫婦岩IMG_0496


庚申の日の庚申祭


また、人生の道を開いてくださる猿田彦大神は、
「庚申(こうしん)」さまとも信仰されていて、
60日に一度巡ってくる庚申(かのえさる)の日には、
猿田彦大神をお祀りする神社では、
「庚申祭(こうしんさい)」がおこなわれたりもします。

20200731日枝神社IMG_0754


東京の赤坂の「日枝神社」さまでは、
「庚申の日特別祈祷 道開き参拝」が、普段はおこなわれています。
天の八衢(やちまた)の別れ道で、道案内をされたように、
私たちが人生の岐路で、どっちへ進めばいいか思案にくれるとき、
そのご神徳を発揮して、佳き方へと導いてくださいます。

残念ながら今年は、コロナの影響もあり、
ご神事は神職さんだけでおこなわれているようです。
次回の「庚申の日」は、11月13日(金)
私たちも参拝できるようになるといいですね。

日枝神社 庚申祭


世界中がコロナによる影響で
人生の岐路に立つ人も多くなっています。

そんな時代だからこそ、“みちひらき”の神
猿田毘古神さまに、手を合わせてお祈りしてみませんか?

私たち、一人一人にとって、
人生の、道がひらいて
善き方向へと、歩んでいけますように!!!

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(写真は「日枝神社」中秋管弦祭の舞楽)

―次回へ


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