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いのちの繋がり 伊邪那岐・伊邪那美さま⑱神様も失敗して成長した ことの葉綴り。其の七十

最愛の妻をお山に葬る

こんにちは。五月の週末、いかがおすごしですか?
私は今朝もnoteに向かいます。
だって、今日で「ことの葉綴り。」七十回です。
いつも、ご覧いただき本当にありがとうございます。
これからも淡々とひたむきに毎日毎日を重ねていきたい、です。
この綴るひとときが、とても幸せで楽しいです

神話の神さまたちも、人間と同じように悩み苦しみ傷つき涙した。
その“お姿”は、今を生きる私たちに勇気を与えて下さいます。

最愛の妻を亡くされた伊邪那(いざな)岐(ぎ)命さま。
前回は、悲しみにくれるお姿は
古来の葬送儀礼「殯」(もがり)
であったと記しました。
私たちのご先祖、先人たちが
生をどうとらえ
死をどうとらえていたのか
ご紹介しました。

人を悼む
蘇りを願う
愛する人との別れ
その悲しみ、喪失感は
神代も今も
変わりありません。

この古来からの葬送儀礼が
現代も宮中に受け継がれている、
そうしたことも私たち意外と知らないですよね。

さて、神話では、次に伊邪那岐命さまは
伊邪那美命さまをどうされたでしょう?


その神避りし伊邪那美命は
出雲國と伯伎国(ははきのくに)との
堺の比婆山に葬りき(はふりき)。


伊邪那岐命さまは、最愛の妻伊邪那美命さまのご遺体を
出雲(島根県)と伯伎(鳥取県)との
国境にあります、比婆というお山に
葬られたのでした。

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ほんとうのお別れですね。

また、これは、日本最古のお墓ともいえます。


「山」から見守るご先祖

また「山」に葬られた、とあります。

古来、”あの世”は、海の果て、天上界、地下
そして、お山にもある
、といわれていました。

「ご先祖の魂は山にかえる」
ともいいます。
そして、山から、麓で暮らす
家族や子ども、孫と
いのちを受け継いだものたちを
見守ってくれる。

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また春になると、山から
田んぼに降りてきて
稲の穂に宿る

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死は生の一環である。

いのちをつないでくださった
ご先祖や先人がたは
そうして、
「見守り」ながら
今も、そこにいらっしゃる。

共に、いらっしゃる。

見えないけれど

その魂は
いらっしゃる。

大元の神さまから
分けていただいた
いのちの連鎖は
ずう~っと
ずう~っと
つながっています。

その繋がりを含めて
わたしの、「いのち」
あなたの、「いのち」

「私たちは、けっして一人ではない」

とは、こうしたいのちの連鎖のことも
いうのだと思います。

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傷心の伊邪那岐命さまが!

神話のお話に戻ります。伊邪那岐命さまは

最愛の妻を亡くされたショックから
驚きの激しい行動に出られてしまうのです。


お山に愛する妻の
葬送儀礼を終えると
その喪失感に襲われます。


なぜ、ここに妻はいない……

なぜ、妻は亡くならねばならなかったのだ……

ああ~あの火傷が原因だ
妻がいのちをかけて産んだ火の神

私の愛するかけがえのない妻のいのちは
この火の神たった一柱のために……
あまりにも悔しくて、悔しくて……


伊邪那岐命さまは、腰に帯びていらっしゃる
刀身が拳、十つかみほどもある長い剣の
十拳の剣を、お抜きになると
その子、火の神 迦具土神の首を
一瞬のうちに
斬り落としてしまわれたのでした……。


すると、この長い十拳の剣先についた血は、
湯津石村(ゆついはむら)という
清らかな多くの岩石の群れに
飛び散っていきました。

刀の切り裂く力から
とてもとても強い神が誕生していったのです。

また殺された、火の神 迦具土神さまからは
山をあらわすさまざまな神さまが生まれていくのでした。

火の持つ、猛威、威力からの強い神
火と山……まさに、火山ですね。
日本には火山の霊山も多いです。

伊邪那美命さまの死

迦具土神さまの死

死から、新たな神々が誕生していく。

死は生の一環である……

どんな神さまがたが、誕生されていくのでしょうか。

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―次回へ

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