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疫病を鎮める、今日は「やすらい祭り」四月十二日 ことのは綴り 其の四二


花鎮めの祭

「人生に失敗がないと 人生を失敗する」
おはようございます。更新復帰29回目。テレワークのおかげで日々綴っています。
令和二年四月十二日の、ことの葉綴りは、古代から続く、「疫病」鎮めのご神事をご紹介しようかと。

京都の今宮神社さんでは、毎年四月の第二日曜日に「やすらい祭り」が執り行われます。
これは春のうららかな陽気の中、花びらとともに飛散するという疫神を、
鬼の力を借りて追い立てる、という平安時代から続くご神事で、

鞍馬の火祭、太秦の牛祭とともに、京都三奇祭の一つとされています。

やすらいとは、「安良居」や「夜須礼」とも記される、「花鎮めの祭」です。

今日、お伝えしたいのは、この「花鎮めの祭」についてなのです。


お花を鎮めるって、どんなイメージがします?
桜の花びらが風に舞う春
それは桜を愛でる、日本人にとっては、寒さも和らぎ、温かい春の到来を告げる美しい季節ですよね。

でも、お花を鎮めるって書いてありますよね。

春の花が風により舞い散るように、この季節に舞い散るもの……
今の時代だと、花粉もあります。


古代から、この春の花咲くころには、
流行病の神、疫神が、活発に動き出すと、先人たちは考えていたのです。

そこで、「花鎮の祭」「鎮花の祭」(はなしずめのまつり)として、疫病の蔓延を防ぐご神事をとりおこなってきたのです。


七世紀の後半、大化の改新を経て、律令国家となった時代。
祭祀を、どの時期に、どんな内容で執りおこなうか、決められていました。
なんのためでしょう?


私たちが平穏に生きていけるように、という祈りをおこなうためなのです。
一つは、稲や雑穀をはじめ、農作業の順調な進捗と、豊かな稲の実りを願うこと。

そして、もう一つは、国内や都の内の、罪・穢れを取り除き、災いの発生や侵入を防いで、みんなが、日々安寧に暮らしを維持していけることでした。

それを「神祇令(じんぎれい)」といい、月ごとに祭が定められていました。

季春(きしゅん)、陰暦でいう三月(今だと四月)に定められていたのが、
「鎮花の祭」

昨日の「ことの葉綴り」で、少し触れた、大和の国の大神神社(奈良県桜井市)と、その神様の麁御霊(あらみたま)狭井神社の神さまをお祭りし、疫病の蔓延を防ぐご神事が行われていました。https://note.com/kotonohatsuzuri/n/n545f1d262c04

こうした季節ごとのお祭りが、今も、残っているのです。

大神神社さんでは、今年も四月十八日に、「鎮花祭(薬まつり)」が執り行われます。
御祭神の大物主神さまは、崇神天皇の御代に、疫病が大流行したのをお鎮めになられて以来、二千年の間、「鎮花祭」のご神事が続いているのです。
すごくないですか?



皇居桜2IMG_1286


やすらい祭り

平安建都で京に都がうつった平安時代。
今宮神社さん(京都市北区)は、この京に都が遷都される前からご鎮座されています。
紫野の疫(えやみ)社は、古来から、疫病除けの神さまとして崇められていました。
地方地方に、悪疫が流行すると、当時の風流な装いをこらしてお参りして
鎮静安穏をお祈りする、習わしがあったのです。
これが「やすらい祭り」と呼ばれていました。

その後、京都に都が遷都されて、町は栄えていく一方、
疫病や災厄が続き、人々の暮らしが脅かされていました。

ときは一条天皇の御代、正暦九九四年の六月
この地の疫神を、二基のお神輿にのっていただき、船岡山に安置して
神さまに、悪疫退散をお祈りしました。
これが、今に続く「今宮祭」の起源となりました。

京に暮らす人々は、老若男女も、このお神輿とともに、船岡山へと昇り、
綾傘(花傘)をオシャレに華美にほどこして、お囃子に合わせて歌って踊って願いを唱え
病魔を人形(ひとかた)にうつし、そしてこの人形を、難波江に流したそうです。

この、行列で活躍するのが、鬼さん!
鬼が、町中を、やすらい踊を踊って、疫神の興味を誘って
綾傘へと招き入れるわけです。
この疫神の宿った綾傘(花傘)を、疫社へとお鎮めして、
一年の無病息災を願いました。

大鬼が、太鼓を打ち鳴らしながら飛び跳ねるように踊ります。
桜や椿などで飾られた花傘の下に入ると1年を健康に過ごせるといわれるので、
参列者はみんな競って入り、ご神事を楽しむのです。

思うのですが、私たちが、歌い踊り、楽しむこと。それこそが、疫神祓いにつながるのでしょうね。
体を動かして、笑う、声を出す。
免疫力アップにつながっていくんだろうなと……。

残念ながら、今年は地域を練り歩く巡幸は取りやめになったようです。

けれども、疫神を鎮める「鎮疫神事」は、午後三時から、執り行われます。


うちで踊ろう

自宅で過ごす人も多い日曜日。
午後三時、「花鎮め」のご神事は、行われます。


「うちで踊ろう Dancing On The Insaide」星野源さんや、


https://www.youtube.com/watch?v=b4DeMn_TtF4


ピコ太郎さんのPPAP-2020での、手洗いダンス。このPPAPは、

Pray for People And Peace  人々と平和のために祈る。

https://www.youtube.com/watch?v=WKfolJv6Kx8


そして治療に携わる医療従事者の皆さんへの感謝の拍手……と。


楽しく、おうちで踊って歌って、手を合わせてみてはどうでしょう?


古代から、先人たちも、私たちと同じように、疫病祓いをしていたことを。
奈良時代、平安時代に、同じ気持ちで、祈り舞い歌っていた人がいたことを感じながら。

それが、令和の今にもつながっています、続いています。
地球で猛威をふるっている疫病の鎮め。「花鎮め」のお祭りに心を合わせて、
四月の日曜日、おうちで踊って歌って楽しむ、というのはいかでしょう?

Pray for People And Peace  人々と平和のために祈る。

鎮花祭の日曜の朝に。
―次回へ

三島神社桜P4070765


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