神代七代 伊邪那岐伊邪那美③神様も失敗して成長した ことのは綴り 其の五十

一、三、五の神さま

こんにちは。おうちで過ごす週末。
テレワークのおかげで、今日でこの「ことの葉綴り。」50回を迎えました。
これからも、「神道のこころ」を綴っていきますので、どうぞ宜しくお願いします。

神話の神さまも“失敗”されていた……神さまも神との出会いから成長されていく物語。
神話で、初めての夫婦神となられた伊邪那岐・伊邪那美（いざなぎ・いざなみ）神さま。
そこにつながる、一、三、五、七の神さまたち。

一の、天之御中主神（あめのみなかぬしのかみ）さま
宇宙の真ん中に現れた、無為の神さま。

三　「造化三神（ぞうかさんしん）」は、一の神さまに、
万物の誕生、生成、「産霊（むすひ）」の
高御産巣日神（たかみむすひのかみ）さまと、
神産巣日神（かみむすひのかみ）さま。

五　「別天つ神（ことあまつかみ）」
これらの三柱の神さまに加えて、
すべてのものに生命を与える
宇摩志阿斯訶備比古遅神（うましあしかびひこじのかみ）と、
天上界が永遠で在ることを守られる
天之常立神（あめのとこたちのかみ）

この五柱の神さまは
天上界の中でも、特別な神さまなのです。

神代七代（かみよななよ）

そして、いよいよ「神代七代」（かみよななよ）が現れてきます。

神代七代の第一代の神は、
國之常立神（くにのとこたちのかみ）さま。
この神さまは、「別天つ神」の中の一柱、
天上界の永遠を守る、天之常立神（あめのとこたちのかみ）
と、対をなされて、国は、人間の生きる大地、
常（床）は常に変化せずしっかりとした土台と、
国土の「いのち」が永久に在ることを守られる、
国土を支える根元の神さま。

次に、國之常立神さまとともに、
豊かな実りをもたらす国土を生み出す
豊雲野神（とよくもののかみ）さま。

この二柱も、これまでの神さまとご一緒で
独り神で、男女の性がなく
人の目には見えないようにお隠れになりました。

さて、ここから漢字が続きます。
二柱の神さまを合わせて、一代と数えていきます。

次に成れる神の名は、
宇比地邇神（うひぢにのかみ）と、次に妹須比智邇神（いもすひぢにのかみ）。

これは、泥や砂の男女の配偶神で、天地が泥や砂が混ざり合い混沌としていたことを現します。
男性を意味するのが、キ、オ（ヲ）、ヂ（ジ）、ヒコ。
女性には、ミ、メ、べ、ヒメ、妹も

次に角杙神（つのぐひのかみ）と、次に妹活杙神（いもいくぐひのかみ）。

物が芽生え活き活きと動き始めることを司る神さま。

次に意富斗能地神（おほとのぢのかみ）と、次に妹大斗乃辯神（いもおほとのべのかみ）。

これは、居所を現す神さまと言われています。

次に於母陀流神（おもだるのかみ）、次に妹阿夜訶志古泥神（いもあやかしこねのかみ）。

これは、国土の大地が整い、そして、人の面や体も整い、意識が発生したことの神さまと言われています。
そして、お互いを賛美するとい説もあります。

おう～ここで、ようやく人という概念が出てきました。
人の意識も発生し、最初に感じたのは、互いへの「賛美」
誉め称えあう。
それが、人の最初の意識だった……と考えると、素敵じゃないですか。

伊邪那岐神・伊邪那美神の登場！

そして、次に立ち現われたのが……。

次に、伊邪那岐神（いざなぎのかみ）次に妹伊邪那美神（いざなみのかみ）

お互いに誘い（いざない）合った、男女の神さま。
そして、ご夫婦の神さま。

國之常立神から、伊邪那美神までが、「神代七代（かみよななよ）」となります。

ようやっと、伊邪那岐神・伊邪那美神さまの物語へと入っていきます。

修理固成（しゅりこせい）

あるとき、天上界の特別な神さま「別つ神」さまは、ご相談をなされて、

神代七代の最後に立ち現われた、伊邪那岐神・伊邪那美神さまへ
こう申し上げられました。

「この漂(ただよ)へる國を修(をさ)め理(つくり)り固(かた)め成(な)せ」

この地上は、まだ水に浮かぶ脂のように混沌としています。
あなたたち二柱で、力を合わせて、
この地上を、秩序のある世界へと修めて理り整えてもらいたい」

「修理固成（しゅりこせい）」

天上界の特別な神々の「命（みこと）」
「力を合わせて、よい国をつくりなさい」
という、「御言（みこと）」が告げられました。

「はい。私たちで助け合ってまいります」

神話では、「地上へよい国をつくりなさい」と、ありますが、
これは、私たち人々も、
混沌から物を形づくりゆくための
努力や献身の歴史がある。
そう、伝えてくれてもいるのです。

ここから、伊邪那岐神と伊邪那美神の、神生み・国生みがはじまります。

―次回へ