見出し画像

恋とトンボの御歌 雄略天皇十五 神話は今も生きている ことの葉綴り八〇九

久しぶりのお天気

おはようございます。
久しぶりに五月晴れになりそう!
気温も上がりそうですね。
皆さん、水分補給しながら元気に過ごしましょう。
五月十八日(水)の暦は、六曜は「先負せんぶ」で、午前より午後が吉です。すべてのことに平静を心がけて控えめがよし。急用は避けてベター。十二直は「みつ」で、すべてが満たされる日。祭祀、お参り、婚礼、お祝いごと、引っ越し、旅行、建築、種まきもいい日。ただし、こちらも控えめがよし。二十八宿は「へき」で、開店、開業、旅行、婚礼、建築、埋葬に吉の日です。

今日も皆さん、一日佳日でありますように!


神話の物語、ふりかえり

『古事記』の下の巻。
第二十一代、雄略ゆうりゃく天皇さまの物語。
ご即位での波乱の物語はこちらをご覧ください。


吉野川のほとりで出会った乙女に恋をして結ばれた雄略ゆうりゃく天皇さま。
乙女と会うために、吉野へ再びお出かけになりました。
吉野川のほとりで、呉床あぐらに腰を掛けて、ご自身が奏でる琴の音に合わせて、優美に舞を舞う乙女にキュン💛となり、次のような歌を詠まれました。

永遠にこのまま君といたい💛

|呉床座《あぐらゐ》の
神の御手もち
く琴に
舞するをみな
常世とこよにもがも



呉床あぐらに座り
天皇ので神の手で弾く
琴の音に合わせて
美しく舞う乙女よ
ああ~
永遠にこうしていたいものだ

よほど、楽しかったのでしょうか(笑)
ご即位される前の悲惨な物語からすると
本当に、のどか、ですね。


虻とトンボ

また後日、吉野の宮近くの阿岐豆野あきづのに狩りにおでかけになりました。
そのとき、天皇が呉床座あぐらゐに座っていらっしゃると、そこに、あぶが飛んできて、天皇の腕を刺しました!!
痛い!!
次の瞬間です。
今度は、蜻蛉あきづ(とんぼ)が飛んできて、天皇の腕を刺している虻を食い、そのまま立ち去っていきました。
蜻蛉あきづ(とんぼ)に助けられたのですね。

そこで、また御歌を詠まれます。

み吉野の 袁牟漏をむろたけ
猪鹿伏ししふすと 
誰れぞ 大前にまを
やすみしし 我が大君の
猪鹿しし待つと 呉床あぐらいま
白栲しろたへの 衣手著そてきそなふ 
手腓たこむらに あむかきつき 
そのあむを 蜻蛉早咋あきづはやぐひ かくのごと
名に負はむと そらみつ
倭の國を 蜻蛉島あきづしまとふ

吉野の山の小室岳に、猪や鹿がいると
天皇に奏上したのは誰であろうか、
天皇が呉床あぐらに座り、猪や鹿を待っていると、
白い衣の袖から出ている腕に虻が食いついてきた。
しかし、その虻をすぐに蜻蛉とんぼが早食いして飛んでいった。
であるなら、蜻蛉とんぼに名を与よう
大和の国を、蜻蛉島あきづしかと呼ぼうー。

それ故、その野は阿岐豆野あきづのといわれます。あきづとは蜻蛉(とんぼ)の古い呼び名です。


巨岩に囲まれ美しい清流、吉野川

この「阿岐豆野あきづの」は、現在の奈良県吉野郡吉野町宮滝~その対岸の御園のあたりといわれているそうです。
吉野の宮の跡といわれる宮滝遺跡があり、近くからは縄文時代以降の遺構や遺品が出土していて、「吉野歴史資料館」があるようです。
 
そして、この物語の舞台となった吉野川の両岸は、巨岩奇石で覆われていて、エメラルド色の美しい水が流れているそうです。
こちらも一度は行ってみたいですね!!


―次回へ


この記事が参加している募集

#一度は行きたいあの場所

51,365件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?