斎王から有名歌人「斎宮女御」に 徽子女王 ことの葉綴り 九三〇回
大安吉日 何かスタートに最適
おはようございます。空が美しい季節ですね。台風も気になります。さて九月十七日(土)は、伊勢の神宮の内宮神楽殿で、「神宮大麻(神宮のお札)」と「神宮暦」の「大麻歴頒布始祭」がおこなわれます。神社や氏神さまで、いただくお札は、このご神事のあとで全国へと広くいきわたっていくのですね。て暦は、六曜は万事に良い、大安吉日! ご神事、お参り、婚礼、引越し、すべて大吉。十二直は「建」の建て生じる日。何かスタートするのにもってこい。神仏の祭祀、婚礼、開店開業、引越し、旅行、服の着始めに吉。二十八宿は、物事を断るのにいいとされる「柳」。そして、ご神事やお参、ご先祖供養によしの「神吉日」です。楽しい週末をお過ごしくださいね。
八歳で斎王に徽子女王(よしこじょおう)
豊鋤入姫命さま、そして、伊勢の神宮をご創建された倭姫命さまから代々、伊勢の神宮で、天照大御神さまにお仕えされた斎王。歴代の未婚の皇女から「卜定」で選ばれた、斎王の制度は南北朝時代まで続きました。
悲劇に見舞われた方もいれば、母・娘・孫三代で斎王になられ方……と、斎王のあとの、人生もさまざまです。
今回ご紹介する斎王は、前回ご紹介した、恋人と離れ伊勢で斎王を務められたあと、他の臣下に嫁いだ雅子内親王の姪っ子にあたる、徽子女王(よしこじょおう)です。
父は醍醐天皇の第四皇子の重明親王で、雅子内親王の兄弟です。
この父は、皇位継承を巡る争いからは縁がなかったそうで(よかったですね)博識で、楽や芸に才能があり、宮中での宴でも、和琴などを演奏したそうです。
徽子女王は、雅子内親王のあと、1年だけつとめ急死された斉子内親王(醍醐天皇皇女)のあと、九三六年~九四五年までの九年間、伊勢に赴き、斎王として、祈りの日々を過ごされました。
九二九年生まれとあり、八歳で斎王に卜定され、初斎院、野宮で潔斎の日々をおくられて、十歳で、伊勢へ斎王群行されました。
幼い女の子から、やがて少女となられ、十七歳となった九四五年、母が亡くなられたことで、斎王の任をとかれて、都へと戻られました。
さて、ここから徽子女王どんな人生を歩まれたでしょう?
天皇の妃、超有名歌人「斎宮女御」に
九四七年、叔父であった、村上天皇の後宮へと、二十歳で入られ妃となられます。
翌年には、規子内親王が誕生します。
もともと父譲りで、才芸に秀でており、歌人としての才能も発揮されていきます。
村上天皇との贈答歌が有名となり、平安時代の優れた歌人に唯一の皇族から「三十六歌仙」にも選ばれ、「斎宮女御」と、呼ばれ歌人として有名になったのです!
また、父譲りで、和歌だけじゃなく和琴の腕も一流だったそうです。
村上天皇との贈答歌から、お二人が蜜月だったこともわかるそうです。
斎宮から、皇族で唯一の三十六歌仙に選ばれて、斎宮女御と、華麗で見事な才を活かした“セカンドキャリア”ですよね。
でも、徽子女王、それだけじゃないのです。
ー次回へ
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