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倭姫命様が裾を洗った「御裳裾川」流れる伊勢の神宮「内宮」元伊勢一〇九 神話は今も生きている ことの葉綴り四三九

天照大御神さまのお召し物「和妙」「荒妙」

おはようございます。
五月十四日伊勢の神宮では、天照大御神さまをお祀りする皇大神宮(内宮)と別宮の荒祭宮で、皇祖神(すめおほみかみ)さまの、和妙(にぎたえ)と呼ぶ「」と、荒妙(あらたえ)と呼ぶ「」のお召し物「神御衣(かんみそ)」を奉る「神御衣祭(かんみそさい)」が執り行われます。


古式ゆかしく美しく織りあげられ
毎年五月と十月の十四日に執り行われるご神事で、天照大御神さまの「衣替え」のようですね。

このご神事に先立つこと、五月と十月の一日、神さまのお召し物が、美しく清く降りあがりますようにと祈る「神御衣奉織始祭(かんみそほうしょくはじめさい)」が、執り行われます。
和妙(にぎたえ=絹)は、松阪市の「神服織機殿(かんはとりはたどの)神社」で、白袴白白衣姿の女性の織子さんによって。
荒妙(あらたえ=麻)は、「神麻続機殿(かんおみはたどの)神社」で、白袴白白衣姿の男性の織子さんによって、二週間をかけて、丁寧に丹念に、布幅約30㎝、長さ約12㍍の大きさに織り上げられていきます。
十三日の今日は、美しく清らかな和妙(にぎたえ=絹)、荒妙(あらたえ=麻)が織りあがったことを感謝する「神御衣奉職鎮謝祭(かんみそほうしょくちんしゃさい)が斎行されます。このお祭りは、「五十鈴宮(いすずのみや)」に、ご鎮座なさった時から続く、古い古いご由緒あるご神事です!

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伊勢の神宮、倭姫様によるご鎮座から続くご神事!

伊勢の神宮では、一年間に、こうした恒例のご神事(お祭り)が千五百回にも及び、今にも受け継がれています。
こうしたご神事の「礎」をお定めになっていかれたのも、天照大御神さまを、この伊勢の神宮にお祀り申し上げた倭姫命(やまとひめのみこと)さまです。

※これまでの神代~16の神話の物語(1~436回まで)のまとめはこちらです。お好きな神様の物語をご覧になってください。

では、二千年前の物語に、“タイムスリップ”して、倭姫命さまの物語をみてみましょう。
伊勢の五十鈴川の川上に、宮処をお定めになった倭姫命さま。
それが現在の「伊勢の神宮」だと前回紹介しました。
ようやくたどり着いた聖地から、私たちがお参りさせていただく伊勢の神宮へと、どうなっていくでしょう?
ちょっと“ドキュメント”みたいで、ドキドキします!

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「五十鈴宮」での倭姫命さまの詔(みことのり)

垂仁天皇二十六年丁巳(ひのとみ)年十月、甲子(きのえね)の日、
倭姫命さまは、天照大御神さまを、いよいよ伊勢の国の度会(わたらい)の五十鈴川の川上へとお遷し申し上げました。


今(こ)の歳、倭姫命、大幡主命(おおはたぬしのみこと)、物部八十友諸(もののべのやそとものを)の人等(たち)に詔りたまはく、
「五十鈴の原の荒草(あらくさ)木根(このね)を苅(か)り掃(はら)ひ、大石小石を造り平(なら)して、遠山近山の大峡(おほかひ)小峡(こかひ)に立つ材(き)を、斎部(いむべ)の斎斧(いみおの)を以ちて伐り採りて、本末(もとすゑ)をば山祇(やまつつみ)に祭り奉りて、中間(なかさだ)を持井で来りて、斎鉏(いみすき)を以て斎柱立て<一(また)の名は天御柱(あめのみはしら)。一(また)の名は心御柱(しんのみはしら)>、高天原に千木(ちぎ)高知り、下都磐根(したついわね)に大宮柱(おほみやばしら)広敷(ひろ)しき立てて、天照太神並びに荒魂宮(あらたまのみや)・和魂宮(にぎみたまのみや)と鎮め坐(ま)し奉る。」と

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「五十鈴宮」伊勢の神宮ご創建へ向けて

垂仁天皇の御代二十六年、倭姫命(やまとひめのみこと)さまは、大幡主命(おおはたぬしのみこと=大若子命おほわくごのみこと)をはじめ、たくさんの物部の臣下の人たち、ほかにも大勢の人たちをお集めになり、こう仰せになられました。

「五十鈴川の川上の周辺の、荒々しい草や木の根っこを刈り取り除き、大きな石、小石の凹凸を平らに造成します。
そして、遠くに見える山、近い山の大きな山あい、小さな山あいに立っている木々を、斎部(いんべ)氏が、清浄に潔斎し浄めた神聖な斧で伐り採ります。
伐り採った木の根元と、先端の枝葉のところは、山の神に奉ってお祭り申し上げます。
私たちは、伐り採った木の中間の部分を持ち出してきて、お清めされた神聖なる鋤(すき)で、聖なる柱を建てるのです。
<この柱は、天の御柱(あめのみはしら)、または心(しん)の御柱といわれます>

よいですか?
天上の高天原に届くがごとくに、千木(ちぎ)を高く造るのです。
一方は、この大地の地中深くになる岩に、皇祖神(すめおほみかみ)の立派な御殿の、太い柱を広く敷き建てます。
その立派な御殿に、天照大御神さまの、その荒御魂(あらみたま)の宮と、和魂(にぎみたま)の宮として、お鎮め申しあげ奉るお宮をお造り申し上げるのです」

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倭姫命さま、素晴らしきリーダーシップ

倭姫命さまの、しっかりとした、たいそうお強い意志と、すでにどんなお宮処なのかもイメージされている感じですね。

そして、大若子命(おほわくごのみこと)こと、大幡主命(おおはたぬしのみこと)さまをはじめ、ご一緒してきた臣下の人たちへの、強い信頼と、またリーダーシップも感じますね。

神話をみていると、神代の時代から、古には、こんな風に、女性の女神さまたちリーダーのご活躍が見えますよね。

では、また次回も、“ドキュメント五十鈴の宮”の続きをご紹介します。ときおり、いろんな解説も入れてみますね。
宜しくお願いします。写真が「御裳裾川(みもすそがわ)」です(^^)

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―次回へ
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