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英雄としての帰還  神様も失敗して成長した 大国主神⑫ ことのは綴り 其の二八


英雄神として帰還

「人生に失敗がないと 人生を失敗する」
こんにちわ。更新復帰17回目。テレワークのおかげで続いて綴ってます。
神話の神さまも、“失敗”されている。そこから私たちも生き方や考え方を学べるといいな~と。自宅で過ごされている、どなかたの何かしら生きるヒントにでもなればいいなと、願ってます。。

さて、根の堅洲国(かたすくに)の王、須佐之男命さまから、「大国主命」という新たなお名前を授けられた、大穴牟遅神(おほなむぢのかみ)さま。
深い親心からのエールを受けて、
愛する須勢理比売さまと共に
黄泉津比良坂を超えて、故郷である、葦原中つ国に戻ってきました。


大国主神(おおくにぬしのかみ)と成る

そして、
「生太刀・生弓矢で、お主を苛め抜いた腹違いの兄神どもを、
山の下に追い落とせ。川瀬に追い払ってしまえ」
という、義父にもなった須佐之男命さまの言葉通り。

これまで虐め(いじめ)抜かれ
何度も命を奪われてきた
兄の八十神たちを
王の印である、須佐之男命さまの生太刀、生弓矢で
山のすそ野にまで追い込み
川の瀬にも追いやり
一柱(一人)残らず、追い詰めて
平伏、服従させたのでした。


ここも、実はポイントです。
ご自身は何度も謀略により命を奪われた相手を
抹殺した、とは神話にはありません。
命を奪うことでなはく
自分のトップとしての「座」を認めさせて
絶対服従で、従わせたのです。

そして、ご自身は
「私は、大国主神である」と
宣言をされて、
初めて、出雲の国をおつくりになったのです。

この神話では、そののち、「国譲り」というのもでてきます。
そこでも、命の奪い合いの「戦い」ではなく
国を譲る……のです。

譲る
意味を調べてみると、自分のものや地位、権力や権利を他者に与える。譲渡する。
と、あります。
戦ではありません。
神話でも、「国を譲る」なんて、きっと珍しいでしょう。
以前、神話は、その国の成り立ちや、その先人たちが、そのころにどう考えていきていたかが、象徴としてあらわされている、と綴りました。


美智子上皇后陛下が語る「神話の意味」とは

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美智子上皇后陛下は、「子供の本を通しての平和―子供時代の読書の思い出」という基調講演の中で、こう語られています。

「国の神話や伝承は、正確な史実ではないかもしれませんが、
不思議とその民族を象徴します。
これに民話の世界をくわえると、
そぞれの国や地域の人々が、
どのような自然観や生死観を持っていたか、
何を尊び、
何を恐れたか、
どのような想像力を持っていたか等が
うっすらとですが感じられます」

(写真は、美智子上皇后陛下が、天皇陛下の子ども時代に読み聞かせた
子どものための『古事記』復刻版です)

美智子上皇后陛下は、お子さまのために
天皇陛下(子ども時代の浩宮さま)の本棚に
無造作に、神話の本を差し込まれていたそうです


心優しき、元祖いじめられっ子だった大穴牟遅神さまは
幾多の試練を乗り越え、
愛することを経験し
勇気と知恵、愛、力を備えて
一回りも二回りも器が大きく成長されて
大国主神と名乗られて、王として国をお造りになりました。
しかも、自分を“殺した”相手を
手にかけて抹殺することなく……。
命を奪うのではなく、相手のあやまちを知りながらも服従させた。

“こうしたこと”を、私たちは、無意識の中にもっているのです。

もしかしたら、そのまだ意識にはのぼっていないけれど
平和への思いや
その道筋を
伝えてくれているのかもしれませんね。

どう思われますか?

さて、初めての王となられた大国主神様
素晴らしい!!
と、思いますよね?

でもね、この大国主神様、すでに恋人がいたの覚えています?
ほら、あの、助けた因幡の白兎が予言した
「八上比売はあなたを選ぶでしょう」

ええ? 運命の出会いを須勢理比売さまとして、
今は、ラブ💛ラブ💛のはず。

はてさて、どうなるのでしょうか?

―次回へ

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