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神様も失敗して成長した 須佐之男命(前編)ことの葉綴り 其の十三


母を思ひて泣きわめく須佐之男命さま

「人生に失敗がないと 人生を失敗する」
不良、泣き虫マザコン、暴力者として追放。
悪者から救った“一人”の女神を愛してヒーロー神へ

こんにちわ。 ”サボ“りから復帰二日目。
前回の、神様も失敗して成長したの天照大御神様は、姫神様から、弟神に翻弄され、誤解もして、傷つき、引きこもられて、やがて光へと戻られる、「再生・再誕生」されて、太陽の大神様へと成長されました。
今回は、その弟神の須佐之男命(スサノオノミコト)の”失敗話“を紹介します。

そうそう、“一人の”女神を愛してとありますが、実は人間だと、一人二人でいいのですが、神様のことは、本来は、一柱、二柱と、「柱」で数えます。

天照大御神は、「三貴神」と呼ばれ、兄弟の神様がいました。
伊邪那岐命(イザナギノミコト)を父にもち、(ちなみ伊邪那岐命は妻の伊邪那美命を亡くし、離婚してシングルファザーです)
天照大御神様
次に、月が照光の夜の世界を守る月読命(ツクヨミノミコト)さま。
そして三番目の末っ子が、須佐之男命さまです。
父から「海原をまもる海の神様になりなさい」と言われましたが、この須佐之男命は、ゆうことを聞かず、なんと、あごひげが胸につくくらい、すっとずっと「うえ~ん、うえ~ん」と、泣いているだけ。
この大量の涙により、野原の草も枯れて、川や海の水も乾されてしまい、災いをもたらす悪い神様が大騒ぎをはじめます。
父神に泣いている理由を尋ねられると……。
「(亡くなられた母神のいる)黄泉の国へいきたい!! お母さまに会いたい」と、ただただ大きく泣いているばかり。
「それなら勝手にいけ! この国にはいるな」と、父神は怒ってしまい、

追放します。


高天原でも、大暴れしてしまう須佐之男命さま

須佐之男命は、母神のいる黄泉の国へ行くまえに、優しい姉神の天照大御神に会い、ご挨拶をしたいと、高天原に向かったのでした。

天照大御神は、荒ぶる乱暴者で、野や山、海、川までも荒らした弟が、天界にも悪いことをしにきたと思い込み、戦姿で迎えたのでした。

姉神の誤解をとこうと、「私は汚れた心ではないです、清い心です」それを証明するために「誓約(うけい)」を提案した須佐之男命。
「誓約(うけい)」とは、善悪や正しいかどうか神様のご神意を吉凶判断でうかがうということ。

この「誓約」により、須佐之男命は、三柱の女神様を誕生させたことから、「私のこころは清いことが証明された」と「勝った勝った」と雄たけびをあげるのです。
優しい姉神も弟神に「それではせっかく遠くから来たのですから、ゆっくりしていらっしゃい」とお許しになったのですが……
それだけならまだしも、“勝った”ことに調子に乗った末っ子の甘えん坊の須佐之男命様。
高天原中を、傍若無人にふるまい、神聖な田の中にも踏み込んでいき、お米なども踏みつけていき荒らして稲づくりの妨害をするわ、神殿に、屁クソまでまき散らしのやりたい放題。
姉神の天照大御神は、「弟のいたずらです。悪い心ではないでしょう。そのうちおとなしく帰るでしょう」と、かばったのです。それがさらに悪さに輪をかけておごってしまい、
その結果、幡女が亡くなってしまったことで、天照大御神は、傷つきショックをうけて、天岩戸におかくれになります。
そして、須佐之男命は、高天原を追放されてしまいました。

今も、神社で奏上される「大祓」(おおはらえ)の祝詞の中に、
「天津罪・国津罪」とありますが、この天津罪は、荒ぶる須佐之男命のしてしまった、神聖な田の稲づくりを妨害したこと…に由来しています。

と、追放された荒ぶれもの須佐之男命さまの「旅」はまだ続きます。

次回へ――。

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