見出し画像

和歌・今が限りの熱い恋

「路(みち)の辺(へ)の草深百合の後(ゆり)にと言ふ妹が命を我れ知らめやも」
万葉集巻11・2467

(道の脇の草が茂っているところに咲いている百合のように、ゆりに(=またのちに)というあなたの命をわたしは知らない。)

草の茂みに咲いている百合のように、
美しく奥ゆかしいあなた。

会うのはまた今度ねというけれど、
あなたのように美しい人の命が
いつまであるかわからない。
花の命は短いではないですか。

そして、

もしかしたらあなたの心も
花のように移ろってしまうかもしれない…。

今度がいつやってくるのか、
保証はどこにもないでしょう?

はぐらかさないでください。

今、この瞬間
全身全霊であなたと愛し合いたいのです。

*

万葉人の恋はいつでも命懸け。
恋をするほうもされるほうも
今が限りと恋に情熱をかける。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?