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アッと驚くアイデアが自分のものになる「思考のスイッチ」

クリエイティブディレクター西島知宏さんの著書「思考のスイッチ」を読んだ。

広告関連の本を読み漁っている私が抱いた感想。

え、実用的すぎる...。

アイデアとは何かなどの基本から、実際にアイデアを与えてくれる11の公式、その公式のシチュエーション別実践方法まで、惜しげもなく説明してある。

しかも、そのシチュエーションの中には就活や恋愛まで含まれているから、日常でまで使えそうだ。

今日は、本を買おうか迷っている人や、本棚にあるけどなかなか読めていないという人が思わず読みたくなるように、特に面白かった部分を中心に書いてみる。

・みんなが勘違いしている、はっと驚く新しいアイデアについてのあれこれ
・特におすすめな2つの公式
・ビジネス書であり、実用書であり、哲学書でもある


みんなが勘違いしている、はっと驚く新しいアイデアについてのあれこれ

西島さんは本の中で、アイデアに対する4つの誤解を紹介されている。

その中でも、なるほどと思ったのは下の2つの誤解だ。
・闇雲にでもアイデアを出せばよいという誤解
・アイデアは、みんなに伝えようとするべきという誤解

コピーについて書かれた大半の本は、1つの題に対して100個以上考えろと言う。

確かに、西島さんも捨てる前提でアイデアを考えろと言っている。

でもそれは、闇雲に100個考えろということではなかった。

手を動かし始める前に、頭を使わなければならない。

正しいのは、勝算がある方向性をまず見つけること

同じ商品のコピーでも、名前を覚えてほしいのか、新しい客層に届けたいのかで、コピーの方向性は変わるはず。

それを考える前に闇雲に100個コピーを作っても、全部的外れになる。

頭を使い、手を使う。クリエイティブって大変だ。


次に、アイデアをみんなに伝えようとすべきという誤解

アイデアには大抵「ターゲット」がいる。

20代の若い女性とか、40代のサラリーマンとか。就活だったら、色々な企業の面接官かもしれない。

でも、その条件に当てはまる人全てに届かせようと作られたアイデアは、嘘になりがちだ。

一見正しそうに見えるけど、どこか他人事で作られているから、なんの驚きも生まない。刺さらない。

西島さんは、みんなに伝えるために、特定の誰かを思い浮かべろと言う。

「義理チョコを職場で渡している女性」ではなく、毎年近所のデパートで買った一口サイズのチョコを配っている佐藤さんとか、義理チョコを面倒と言いながら毎年手作りしている娘さんや奧さんとか。

そうすることで、「たった一人の経験をもとに作られたアイデアが、多くの人の共感を得る」のだ。


特におすすめな2つの公式

アイデアについての誤解を解いたら、次はどうやって新しいアイデアを生むのかを考えよう。

この本では、新しいアイデアを作り出すための11の公式が、使い方や具体例と一緒に紹介されている。

その中でも特に私が気に入った2つ公式を紹介。
・常識→非常識術
・4大欲求満たし術

<常識→非常識術>
お題となっているものの常識を書き出して、それを非常識にする方法

この方法は最も簡単に、あっと驚くアイデアを作れるなと思った。

例えば、フレンチレストランであれば、「高い」「正装」「マナーが厳しい」などの常識がある。

それを非常識に変えるだけで、「安い・ジーンズでしか入れない・箸を使う」フレンチレストランというアイデアが作れる。

実際に、大人のお菓子やメンズ用化粧品は、世の中に定着し始めている。

<4大欲求満たし術>
個人的に好きなのが、お題を食欲・睡眠欲・性欲・承認欲と結びつけるこの公式。

食べられる本、一分でぐっすり眠れる本など、「確かに欲しい!」と思えるアイデアが一番作りやすかった。

私は仕事というよりも、日常生活で周りの誰かを驚かせて、かつ幸せにするアイデアを考えたいので、4大欲求を満たすのがきっと一番早い。

実際この本では、デートプラン・社員のやる気向上・企業面接に使える新しいアイデアが、この公式の具体例として紹介されていた。


ビジネス書であり、実用書であり、哲学書でもある

「思考のスイッチ」は、カテゴリーで言うとビジネス書だ。

そして、この本で紹介されているアイデアの出し方は、デートにも、人付き合いにも使える。だから実用書でもある。

でも、それだけじゃない。

この本には、新しいアイデアを生み出せるのは、一部の才能がある人だけではないという西島さんの人生哲学が詰まっている。

この本を読んで、やっぱり先輩方はすごいなぁと思う反面、私にも素晴らしいアイデアが作れるかもしれない、そう思えた。

そして、いずれは西島さんの13年間が詰まった公式を超える、自分だけの公式を見つけていきたい。

アイデアの先にあるもの、それは自分である」のだから。

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