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1年半遅れで就活をした話

今回は備忘録として就活の話を書く。すべての就活生の参考になると嬉しいが、エンジニア志望の人や遅れて就活する人はぜひ読んでほしい。


就活の結果

4年次の1月から就活をはじめ、就業経験の無い既卒として24卒の枠で就職活動を行った。ちなみに既卒とは、文字通り「既に大学を卒業した人」という意味である。私は開発に携わりたかったので、基本的にIT業界のエンジニア選考で応募した。第一志望から内定はいただけたが、少なくとも25社は落ちた。

国立大学の情報科を卒業し、インターンとして開発の実務経験も1年以上あったため、当初は「就活余裕だろ!」と思っていたが、本当にそんなことはない。就活なめんな。


スタートが一年半遅れた理由

3年次の冬からカリフォルニアの大学院への進学を考えていたため、就活のことは全く頭になかった。しかし、給付型の奨学金にことごとく落ち、自分の大学の成績では奨学金がもらえないことを悟る。そのときすでに4年の秋であったが、「インターン先に就職すればいいや~」と雑に生きていたら、インターン先の新年会で上司と副社長に「就活しろ!」と言われ、就活をすることを決意。自分の中でドラゴン桜の主題歌が流れた気がした。多くの学生は3年の夏から説明会に参加したり、サマーインターンを行うので、4年の冬から始めた私はちょうど一年半遅れということになる。

就活は情報戦

はっきり言って私は超情報弱者だった。サークルも未所属で、数少ない友人は9割が大学院進学、そのうえコロナ禍で3年間も学校に行っていない。横の繋がりが皆無の状態では、就活の情報が全く入ってこなかった。その時期はインターンどころか合同説明会も終わっていたため、エージェントから与えられる情報だけを頼りに就活をしていた。これが私の就活で一番の失敗だったと思う。エージェントから得られる企業の情報は、あくまでも「エージェントと契約している企業のみ」であるからだ。

危機感を持ち、がむしゃらに行動して東京都主催の就活イベントにも行ってみたが、まさかの20代転職就活イベントだった。私らしい失敗ではあると開き直り、まじめにイベントに参加したが、時間を無駄にしたことは確実である。

結局、面接の受け答えや優良企業などの情報は、インターン先の先輩エンジニアから教わることが多かった。

各選考フェーズでの対策

1. 書類選考~既卒で就活をする強み~

23卒での就活ではなく、24卒として既卒で就活するとエージェントに話したときは猛反対された。しかし私は就活そのものを本気でやりたいと思っていたため、反対を押しのけて周回遅れの就活を行った。既卒は不利になると耳が痛くなるほど言われたが、浪人もしている私は周回遅れに何の抵抗もなかった。

実際に就活を通して、既卒だから落とされたんだろうなと思ったことは多少あったが、既卒だからこそのメリットがあった。例えば、大学は卒業しているため研究の話が完璧にできたり、開発の実務経験が一年多くなったり、ChatGPTの登場で最強の書類が作れたりといったことだ。そのおかげもあって、書類で落ちることはほぼなかった。良い意味で既卒は「後出しじゃんけん」である。

2. 技術選考

書類選考の次は、技術選考としてWebテストorプログラミングテストor技術面接のどれかであることがほとんどである。傾向として

大手=Webテスト

メガベンチャー=技術面接

ベンチャー=プログラミングテスト

を設けているイメージだ(大手企業をそんなに受けていないためあくまでもイメージ)。

2-1. Webテスト~これまでの積み重ね~

Webテストはセンター試験や共通一次試験を受けた人ならば何ら躓くことはないと思う。というのも、Webテストの合格に求められるのは、今までどれだけ評論を読んできたか、英文を読むスピードが速いか、目の前の情報から瞬時に式が立てられるかといったことである。一朝一夕では身につかない能力のため、最悪知人に頼んだり、巷に出回る回答集に手を出すことも否定はしない。

2-2. プログラミングテスト~必勝攻略法~

プログラミングテストのコツとしては、とにかくコードの説明を書く。なんならコードとして書いてなくても、「あの書き方ならもっと良くなるかも」とか「時間なかったから書けなかったけどこう書こうとしていた」とか思いつく限りのことすべてを書いたら落ちなくなった。しかし中には10時間近くかかるテストもあり、それについて書くのは正直しんどかった。根性見せるしかない。

2-3. 技術面接~メガベンチャーの難易度の高さ~

ここでいうメガベンチャーは、某インターネットテレビの会社。某ライブ配信アプリの会社。某人気スマホゲームの会社、某アダルトサイトの会社などである。これらの会社は新卒エンジニアから大変人気で、企業側も即戦力の新卒を求めているため、書類のハードルが高かったり、かなり意地悪な技術面接をしてくる。「インターン先ではリバースプロキシに何を使っていますか」「インターン先でクリーンアーキテクチャは用いていますか」と聞かれたときには勢いよく匙を投げた。

メガベンチャーの難易度の高さを痛感し、大手企業にシフトチェンジしたが、そのときにはほとんどの募集が閉め切られていた。人生で常に1歩も2歩も遅れているため、いまさらこんなことでは動じない。

3. 面接~面接官の装備を奪う~

面接は何を言うか決めておくことが重要だ。想定質問に対する回答は、就活初めたては50くらいしか用意しておらず、想定外の質問に答えられないときに余計な事を言って汗だくになっていた。そこで私は「答えられなかった質問を面接官に逆質問する」という戦法をとった。そうして、回答の方向性だったり、大先輩である面接官の考え方を奪っていった。もちろん面接は落ちるが、他の選考では活かすことができる。こうして想定質問に対する回答を増やしていき、最終的には120を超えた。

このように面接官の考えを取り入れ、装備をガチガチに増やしていったら、就活の終盤には面接ムキムキ人間になっているはずだ。

これから就活をする人は、本命の企業は就活の後半に選考を組み、ムキムキで挑むことをおすすめする。


4. 最終面接~問われていることは「覚悟」~

面接ムキムキ人間になってからは、最終面接までいけることが増えた。しかし、最終面接で求められることはこれまでの面接とは違う。ある人事の方が「最終面接で問われていることは、この会社で働くという覚悟があるかだ。」とおっしゃっていた。この言葉は、私の体の芯まで響いた。それまでは「御社が第一志望です!」と口が裂けても言えなかったが、それからというもの「御社が第一志望です!」と胸を張って言えるようになった。本当に第一志望だから言えたのではない、そこで働くという覚悟があったから言えたのだ。というかそもそも第一志望と言えない企業は受けるなという話でもある。実際に第一志望の会社の最終面接では、主人に甘える犬のように尻尾を振りながら「御社が第一志望です!」と何度も吠えた。主人は満面の笑みで内定を出してくれた。


さいごに

こうしてなんとか就活を終えた。お祈りメールが来るたびに怒り心頭して我を失っていたが、就活をしてよかったか?と聞かれれば、自信を持って「よかった」と言える。その理由は、業界や企業への知識がついたからである。何事も知識があれば面白いと思うので、面白いと感じる分野が増えたことは単純にプラスであると思う。

何はともあれニート脱却できてよかった。


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