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手を差し伸べてくれるひと

自分にとって大切な人。
一人ひとりにいると思う。
家族はそれを代表とする存在。
ぼくには世界で1番大切なお姉ちゃんみたいな存在がいる。

なみさんという2つ上の存在。

出会いはスタバだった。当時、ぼくが採用された店舗は閉店となり異動をすることになった。そのお店で働いていたのがなみさんだった。

少し話がそれるけど、ぼくは先輩と後輩という存在が嫌いだった。年齢が違うだけで、敬語を使い使われるのがイヤだったから。よーいドンで差がついたならわかるけど、同じ空間やコミュニティにいるにも関わらず、敬いを体現するのが嫌いだった。別に尊敬してないし、されるところもないと。特にいやになったのは、先輩という存在。偉くもないのに偉そうに関わってきたりする存在に、ぼくは呆れ果てていた。同じ目線で話せる人と出会ったこともなく、先輩自身の物差しで都合の良い人がよくされる
。そんな関係性ならいらないと思っていた。中学〜高校までで特にそれを感じたから、込み入って同年代以外と関わることは避けていた。

その塞ぎ込んでいた自分を、優しく声かけてくれたのがなみさんなのだ。

たまたま家が同じ方向だからと一緒に帰ることが多かった。だけどぼくは別に話そうとしなかったし、ずっと携帯をいじってた(わざと)。でも、閉店作業が終わると思う当たり前のように声をかけてくる。仕事中も困ったことはないか、手伝えることはないか、常に気にかけてくる。うざいくらいに。でも、本当はそんなにいやじゃなかった。(恋愛的な視点はもちろんない、当時からなみさんも彼氏がいたし、その人と結婚もしている。まじでおめでとう)

なんでいやじゃなかったかというと、それをぼく以外にもしていたから。あたりまえのように。誰とでもうまくやれて、誰からも好かれる。そして、自分より下の人たちに対して、けっして上からではなく、姿勢としてフラットでいてくれる。すごいなって思った。

ある日、また閉店作業のシフトが重なり、また一緒に帰っていたときに、少し本音を言った。すると大笑いされた。意外だった。しまいには、もっと「コウタのその部分出したほうがいいよ、面白いから」。少し気持ちが解けた瞬間だった。

その後は、必ず一緒に帰るようになった。話を聞いてほしいって思ったから。この人にならもう少し自分を曝け出してもいいかもと。外面が良くて思っていることがダークなので「ブラックコウタ」と名付けられる。

大学の話、恋愛の話。アルバイトの話、最後には家族の話。全部話した。すべてを笑って受け入れてくれた。時にはアドバイスをするのではなく、真剣に聴きに徹してくれた。多分アドバイスされることを求めてないって感じ取っていたのかもしれない。


なみさんとの話は、一回では語り尽くせないのだけど、いまの現状もはなした。お金がなくて、ご飯も切り詰めてると。すると、やっぱり想像以上の答えが返ってきた。


「ご飯はちゃんと食べなさい」
「お金は大丈夫なの?」
「旦那にも了承もらってるから、いつでも食べにきなさい」
「〇〇←日付、ご飯食べ行こうね!」
「住所教えて、お米券送っとく!」

現金がないのは良くないから、旦那に言わないって約束でお金は貸すから。ボーナスの時にしっかり返しなさいね!と、4万円借りた。ぼくがそういう話をしてきたのは初めてだから、本当になくて困ってるんだね。どこかに借りるくらいなら私から借りなさいと。

お米券も昨日届いた。

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どうしてここまでしてくれるのか、まったく理解できない。なみさんの家族は、みんなそうなのだ。なみさんは自分の家族にもぼくの話をよくするようだけど、「弟だとおもって目をかけてあげなさい、コウタには絶対に優しくしなさい」とそう言われているらしい。

さっぱりわからない。

こんなに手を差し伸べてもらうことも初めてだし、どう恩返ししたらいいかも分からない。でも、絶対に恩返しする。ぼくは、いま人にご飯を食べさせてもらって生きていると言っても過言ではない。

だからこそ、勉強を頑張るのだ。

無形のスキルを手に入れて、有形にして恩を返す。

お金は人間関係をこわす。自分の家族、両家の関係破綻もきっかけはお金だった。嫌なところはたくさん見てきた。だから今回はすごく怖かった。でも、出会った時から変わらない、なみさんのフラットさにまた助けられている。この人を裏切る行為はできない。お金はもちろん、返す。いまは、そのまましか返せないけど、いつか大きな形として何か返す。なみさんの子供が今年に生まれる。その時は、仕事以外で、今やっていることでいただいたお金で、努力のお金で出産祝いを送りたい。時間はそんなにない。今日も勉強しよう。目標は沢山ある。叶えよう。

辛い時や大変な時に、手を差し伸べてくれる人。


ぼくは、今日も必ず1ミリ成長する。



おれ、がんばれ。

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