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聴覚障害者の幼児教育における手話やキューサイン,聴覚活用の必要性と課題に迫る。

私は、耳が聞こえない・目が見えない人が通う(キャンパスは別)筑波技術大学の元学生で、現在は放送大学の近藤  史一です。

聴覚障害者の幼児教育に必要なことは何でしょうか。この文章では、聴覚障害者の幼児教育に必要なこととして、手話やキューサインなどのコミュニケーション手段と、聴覚活用などの言語能力をどうやって育てたら良いのか、その重要性と課題について述べたいと思います。


まず、聴覚障害者の幼児教育において、手話やキューサインなどのコミュニケーション手段が必要であることは言うまでもありません。聴覚障害者は、音声言語を用いたコミュニケーションが困難であるため、視覚的なコミュニケーション手段を用いる必要があります。手話は、日本語とは異なる文法や語彙を持つ独立した言語であり、聴覚障害者の間で広く使われています。キューサインは、日本語の音声言語に対応する手指動作であり、口話と併用することで聴覚障害者の日本語理解を助けます。

手話やキューサインを学ぶメリット


手話やキューサインを学ぶことは、聴覚障害者の幼児にとって、自分の思いや感情を表現する方法を身につけることにつながります。また、他の聴覚障害者そして耳が聞こえる人とのコミュニケーションを通じて、社会性や自己肯定感を高めることにもつながります。さらに、手話やキューサインは、音声言語とは異なる言語構造や文化を持つため、多様な言語感覚や世界観を養うことにもつながります

手話やキューサインを学ぶデメリット


しかし、手話やキューサインを学ぶことには、さまざまな課題もあります。例えば、日本では、手話やキューサインを教える教員の数や質が不足していることが指摘されています。さらに、特別支援学校を短期間で転任されてしまいどうしても専門性が育ちにくいといった面があります。また、近くに聾学校がある地域ならば手話や聴覚障害のコミュニティが盛んだが、聾学校がない地域では手話やキューサインを学ぶ機会が限られていることも問題です。聾学校や聴覚特別支援学校では、手話やキューサインそして音声活用を用いた指導が行われていますが、通常の学校では、通級指導教室(難聴・言語障害)基本的には手話やキューサインによる指導はあまり行っていません。さらに、健聴者の学校や近くに聾学校が無いところで育った人たちは、手話やキューサインを学んだ後も、家庭や地域で使える相手が少なくて忘れてしまうことが問題です。聴覚障害者の多くは聴力のある家族や友人に囲まれており、彼らが手話やキューサインを理解できなければ、コミュニケーションが困難になります。この辺りは、やはり学校ではない教材(公文式やこどもちゃんじ、進研ゼミ)や絵本や図鑑といった読書を通じて日本語を学んでいくしかありません。このことについては、以下の記事を読んでください。

音声活用のメリット

次に,聴覚障害者の幼児教育において,聴覚活用などの言語能力の育成が必要であることについて述べます。聴覚活用とは,補聴器や人工内耳などの聴覚補助器具を用いて,聴覚障害者が残存聴力を活かして音声言語を理解することです。聴覚活用を学ぶことは,聴覚障害者の幼児にとって,日本語の音声言語を習得する方法を身につけることにつながります。また,音声言語を理解することは,日本語の読み書きの能力や学習能力の向上にもつながります。さらに,音声言語を理解することは,聴力のある人とのコミュニケーションや社会参加の可能性を広げることにもつながります。


音声活用のデメリット

しかし、聴覚活用を学ぶことには、さまざまな課題もあります。例えば、聴覚障害者の幼児にとって,音声言語を理解することは、手話やキューサインを理解することよりも難しい場合が多いです。聴覚障害者の幼児は、音声言語の発音や聞き取りに苦労するだけでなく、文法や語彙などの言語知識も不足しがちです。また、聴覚活用を学ぶためには,補聴器や人工内耳などの聴覚補助器具が必要ですが、これらの器具は高価であり、それらの機器に補助が出る地域もあるが補助が出ない地域も多いです。また、所得が少ない発展途上国では補聴器の価格が非常に高すぎるので補助が出てもそもそも買えないという人が多いです。さらに、聴覚活用を学んだ後も,音声言語の理解度は個人差が大きく、完全に理解できるわけではありません。また、耳に耳垢が溜まりやすくて補聴器をしてられない人や耳がスケールアウトし聴覚活用ができない人はとにかく本を読むことが大事だと思います。

結論

以上のように、聴覚障害者の幼児教育に必要なこととして、手話やキューサインなどのコミュニケーション手段と、聴覚活用などの言語能力の育成が挙げられます。これらのことは,互いに補完的な関係にあり、片方が大事ではなく手話・口話・音声活用どちらもバランスよく活用することが重要です。しかし、これらのことを学ぶことには、さまざまな課題もあります。これらの課題を解決するためには,教育現場だけでなく、家庭や地域、行政や学習塾そして社会全体で協力して支援する必要があります。聴覚障害者の幼児教育に必要なことを考えることは、聴覚障害者だけでなく,全体の教育向上にとっても大事なことであることだと思います。


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