Emma

なぐり書き

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はじめての投稿

2023年1月5日、痛いような寒さの中、大学へ。 冬は、食べ物が美味しいということ以外、大して良いことは無いのではないか。 新年が始まったというだけで、何も特別なことはなく、 教授が教壇で言うことは右から入って左に抜ける。 百人以上いる学年で、教室に来た生徒は片手ほど。 コロナウイルスが流行して丸3年ほど経つ。 映像で遠隔地から授業を受けるものを合わせても、10人ほどだ。 コロナ禍の刻一刻の変化を書き記すべきであったか。 そうでないと、世の中の移り変わりの様を、未来において

    • ヨーロッパ旅行その3

      ルーブル美術館。パリの目玉の一つだった。名画が何なのかは分からなくとも、モナリザがすごいことくらいは分かる。 その日、私と母は、ルーブル美術館でツアーに参加した。巨大な美術館は、自分たちだけで見て回ったところで、当然迷子になって時間が過ぎてしまう。そこで、美術館の中で大事なところを押さえて回ってくれるというツアーに申し込んだのだ。ガイドさんが一人で、参加者が六人という小さなツアーだ。一人の観光客として、モナリザには是非お目にかかりたいと思っていたから、参加することにためらい

      • 旅の意義、後半

        吉本ばななさんの「ミトンとふびん」の残りを読んだ。 人が亡くなると、親しい人は、その後にも残っているかもしれない何かを追い求めてしまう。生き残った人は、亡くなった人との繋がりをどこかで保ちたいと思う。何を考えていたのかを後から追って確かめたくなる。「カロンテ」の主人公がしていた、ローマへの旅の目的である。この旅の前半では、主人公は、亡くなった親友の痕跡を求め続け、何かを思い出すとは涙を流していた。何をしても、何かが足りないような気分になっていた。しかし、旅も後半に差し掛かる

        • 自分の身体は浅いのか

          昨日は産科、今日は婦人科のテストだった。医学にも関わらず、自分にない器官について知識を得ていくのは、奇妙な感覚だ。女性は世の中の半分を占めているのだから、大事な分野なのは確かなのだけれど。 自分の心臓の拍動は、いつも感じるから、循環器内科は身近に感じる。昨年、胸部のCTを撮ったから、縦隔の中がどうなっているかは自分の身体で見たし、肺がどうなっているかも映っていた。毎日ものを食べてエネルギーを得ていると、消化器内科にも興味が湧く。血液検査をすれば、逸脱酵素の値で肝臓の機能を少

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          旅の意義、前半

          世の中で自分に最も近いのは、自分だけ。寂しいことは否定しがたいが、だからこそ、次にも向かうことができるのだろう。こんな感覚を抱かせる2作品だった。吉本ばななさんの「ミトンとふびん」に収録されている。 金沢を舞台とする一作目は、旅の様子が夢の中にいるかのように綴られている。金沢という土地が、自分が住んでいるところとは異質な空間になっている。そこであったことが、ぽっかりと浮いて独立しているのだ。主人公が訪問した2回とも、そこでの思い出が綺麗に縁取られているようでもなく、ふわふわ

          旅の意義、前半

          溺れないように本を読む

          辻村深月さんの、「盲目的な恋と友情」を読んだ。昨日の学校からの帰り道、本屋でふと目にしたから買っただけであって、気になっていたわけではない。ただ、気持ち悪いほどに外からの見られ方に対して気を取られている登場人物たちの中毒性は高く、日が変わる前に読み終えた。同じ時間を二人それぞれの視点で追う描かれ方も、この本を一気に読み終えた根拠となる、ある種の没入感を与えていたかもしれない。 物語のきっかけとなる、オーケストラの部活での日常の描かれ方や、部員の価値観は、実際に自分が入ってい

          溺れないように本を読む

          マーラーと1月

          マーラー。この作曲家は、いまいちピンと来ない。交響曲はどれも長いが、私のような素人にとって聞きやすいのは1, 2, 5番くらいか。ベートーベンやメンデルスゾーンに比べれば、クラシックという言葉が似合わないし、かといってリヒャルトシュトラウスほどパッとする分かりやすさがあるわけでもない(と勝手に思っている)。そんな中、今月マーラーに触れる機会があった。 今月の8日、まだ2024年になって間もない頃である。私は東京芸術劇場で、マーラーの交響曲10番を弾いた。本人による完成は1楽

          マーラーと1月

          ヨーロッパ旅行その2

          ロンドンからパリに向かうユーロスターの中。ドーバー海峡(英仏海峡)を超えたあたりで、列車内のカフェに立ち寄った。朝食にはパンを5つとマフィンを2つ食べており、お腹はいっぱいだったため、そこではシャンパンを頼んだだけだった。 トンネルを抜けて視界が開けると、周りの景色が明らかに以前と変わっていたため、店主に聞いてみた。「もうここはフランスなのか」と。すると「そうだよ」と返ってきた。 しばらくすると彼から、アジアから来たのかと聞かれた。中国か韓国かと。 いや、日本だと答え、そ

          ヨーロッパ旅行その2

          ヨーロッパ旅行その1

          8月下旬、旅をした。 行き先はロンドンとパリである。 日本から西に行くときは時差ぼけがあまり無いが、東に行く時は盛大に時差ぼけを生じるのが私の癖だ。今回も、帰国後に時差ぼけが出てきた。そのため、真夜中に暇を持て余して書いている。 さて、ロンドンでは名所のビッグベンの横を通ったり、大英博物館に行ったりしたが、そういった名所の一つにKing's X駅があった。ロンドンは、普通の建物も重厚感があり、普通の道でも写真にすると絵になるから不思議である。ハリーポッターでお馴染みの9と3

          ヨーロッパ旅行その1

          古巣

          昨日は、とある演奏会に行った。自分の卒団した大学オケの定期演奏会である。サントリーホールでローマの謝肉祭、海、オルガン付きである。 現役生による演奏は、とても聞き応えがあり、特に海は、その精緻なアンサンブルに聞き惚れた。ドイツものが得意だというオケだが、今はフランスものも仕上げられるのかと驚嘆した。オルガン付きは、自分の卒団公演でもサントリーホールで演奏した曲である。オルガンの響きや、曲の最後へ向かう勢い、聴衆の高揚感含めて、この曲は、やはり、このホールで演奏するのがとても合

          2022年がようやく終わった!

          今日、正月から16日遅れで、やっと2022年が終わった。というのも、昨年末にあったテストの結果が全て出揃ったからである。2022年は自分にとって、正直大変な一年だった。 一月には、一年生の期末テストがあった。 二月から三月には、解剖実習があった。知識が多いだけでなく、朝から夕方までペアンやメスで皮切をして筋膜を剥がし、脂肪組織などを取ることで、筋肉や神経の同定を行った。最初のうち、背部や胸部上肢をやっている時は、班員とのコミュニケーションが上手くいかず、神経がすり減った。心

          2022年がようやく終わった!

          今年初めての本番

          昨日は、杉並公会堂という都内のホールでコンサートの本番があった。 そこは、ステージの中でオーケストラ全体がコンパクトにまとまるような会場だった。客席も、遥か彼方まで続いているというイメージは受けず、オーケストラの音が一塊になって届きやすそうな会場だった。実際に弾いてみても、自分の音しか聞こえないわけではなく、隣の奏者や、管楽器の音も聞こえるため、とても弾きやすかった。楽屋は、オーケストラの全員が使うには小さすぎるが、舞台の裏の廊下に棚があり、荷物をそこで広げられるので、実質的

          今年初めての本番

          今年の目標

          2023年になって既に一週間以上が経つ。今年の目標を決めたい。 今まで勉強としか向き合ってこなかった自分は、学校の体育の授業で大いに劣等感を感じていた。高校の頃まで、スポーツの得意な人が人気者なのはなぜなのだろう。今年は、それを払拭すべく、何か行動を起こそうと思う。とはいえ、小学校や中学、高校の自分には戻れないため、限界はある。さて、どうしようか。 大人になって体を動かすというと、すぐに筋トレという言葉が浮かぶ。高校まで筋トレの「き」の字も言っていなかった大人たちが、こぞっ

          今年の目標

          新年最初の練習

          今日 (1月7日)は、新年最初のオーケストラの練習だった。 今まで参加したことのない団体に、日程が合うから今回だけ参加している。当然知らない人だらけで、気まずいことこの上ない。人見知りを発動してしまうと、近くの人や同じパートの人とですら、なかなか話しづらい。 そんな中、幸い、私のいるパートには、大学オケの一個上の先輩が一人いらっしゃる。(この方は、私が今の楽器を始めるきっかけとなったような、恩人とも言える人であるが、それはまたの機会に書こうと思う。) 今回の演奏会では、メイン

          新年最初の練習