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生命の歴史と共通のデザイン

生命が地球に生まれて約40億年と推測されています。
まだその起源は未解決のままですが、生物進化はダーウィンの自然淘汰(突然変異を積み重ねた生き残り)と近年の分子生物学の進歩で大体わかってきているのだろうと思いこんでました。

そんなところに、面白そうな論文発表を見つけました。

要は、大量のDNA配列からの進化系統樹を推定する高速な計算手法を編み出した、とのことです。
なぜこういった研究をするのかが気になったのですが、どうも世界的に同じような動きで進化の系統を解明しようとしてるみたいですね。特に下記に惹かれました。

進化生物学においては、最近は特に環境中のDNAを網羅的にシークエンシングすることで得られるメタゲノム配列の系統解析を行うことで、培養が難しい未知微生物の存在が明らかにされており、FRACTALを用いることで新しい微生物やウイルスの系統関係を網羅的に解明できる可能性がある。

上記の論文発表文面

つまり、シミュレーション上ではまだ我々が知らない生物が生まれていた、または生まれたけど見つかっていない可能性があるというわけです。

「生物の歴史」をもっと知りたくなったので調べてみると、生物進化は「偶然派」と「収斂派」で大まかに説が分かれているようです。

どちらかというと私は「偶然派」だったので、ここでいう収斂のイメージを整理しておきます。
文中の例を使います。イルカ(哺乳類)・サメ(魚類)・魚竜(爬虫類)は別々の進化系統なのに、同じような円柱の両端がとがった形(紡錘)に進化した現象を収斂と呼ぶようです。
ぱっと想像したのは生存環境が同じだったからでは?と思ったのですが、そうでもないのに近縁になったケースもあるそうです。(ここは検証材料の質・量が不安)
仮にもし環境依存でないなら、確かに不思議な話ですね。何か生物の身体をデザインする原理が働いているという可能性も否定できません。

そういえば、以前に読んだ本で、生物・無生物含めてデザインには共通の原理があるという野心的な説を唱えていました。

正直深くまでは著書の理論を理解はできなかったのですが、とにかく熱力学の大家が、すべてはよい方向に流れるという「コンストラクタル法則」を、素人にも分かりやすいように語っています。
ユニークなのは、生物だけでなく富や組織の形成過程などの無生物現象も例示しながら、(オカルトでなく)科学的に例証しようとする姿勢はすごい野心的で驚きました。
我々の日々の生活は自由意志に支配されていると(少なくとも私は)信じ込んでいますが、長いスケールで見ると収斂(パターン化)されるという説はロマンを感じます。

ただ、これを定説として認められるのにはまだ時間がかかるそうで、なにより感情的に抵抗する層もいるかもしれませんね。(またはオカルト学説の材料につかわれるとか)
まずは冒頭にある、コンピュータ性能を活かした生物系統研究の進化に注目したいところです。

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