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意外な物理法則が生成AIモデルの進化への鍵を開く

AIは様々な分野で応用が広がっており、もはや使われてないところを探すほうが大変になりそうです。

科学技術の基礎研究でもAIは活用されており、例えば純粋数学の定理を見つけるアシスタントとして活躍した例も出ています。

そんなAIですが、逆に物理学の法則がAIの機能を拡張した、という興味深い報告がありました。

ようは、
物理学の法則を活用することで高い性能を誇る画像生成系AIが開発できた、
という話です。

ここでの法則とは、「ポアソンの法則」と呼ばれるものです。

ざっくりいうと、熱を通さない状態で圧力と体積の変化を記したものです。
結果はシンプルで、
圧力と体積(をやや加工)をかけると一定の値をとる、
というものです。

高校時代に習ったかも、と覚えている方はいるかもしれませんね。

その法則の背後に潜む考え方にインスピレーションを受けて開発した生成系AIが今回の主役です。(こちらで発表論文が公開)

ポイントは、次元の広げ方に工夫を凝らしたようです。記事内で紹介された例に従ってみます。

平面上(2次元)に、電気を帯びた物質があるとします。電磁場の法則である程度その電気が及ぼす電場の模様が記述できます。
そこに1つ上下に移動できる次元を足すと、我々にとって馴染みの3次元空間になります。
当然電場は平面だけでなく上下にも広がっており、その広がりは再び平面にも戻って影響を与えます。

ようは2次元だけ考えていたら電場を正しく表現するには限界があり、それに対して、巧妙に次元を追加する方法としてポアソンの法則を応用したということです。

そしてさらに次元を拡張し続けると、今回の画像生成AIモデルに行き着いた、というわけです。(4次元超えると想像が困難ですが^^;)

意味合いでいいかえると、AIが画像を生成するプロセスは、物理の拡散現象と根底で通じるものがある、とでもいいましょうか。

いずれにせよ、生成画像の品質を測るスコア(FIDと呼ばれます)でも高い評価が下されたようです。

元々「拡散モデル」自体は生成AI以前から注目はされていたようで、今回の進展は、物理学者とコンピュータ科学者の協働研究で結実しています。

本文中にもあるのでもう少し便乗すると、ある意味物理学の最新研究にも絡んできます。

それは「多次元宇宙」の研究です。

近い言葉に「多宇宙(マルチバース)」がありますが、こちらはあくまで単一の宇宙の中で我々が検知できない、(3+1の)時空間以上の次元が存在する、という理論です。

なぜそれが必要かといえば・・・、多くのケースは「大統一理論」のためで、その代表格が「超ひも理論」です。それ以上は過去投稿に委ねます。

話が拡散しそうなので締めておくと、物理学という自然の法則がAIという人工的な世界を広げるのは極めて示唆的です。

このアプローチはしばらくWatchしていきたいと思います。

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