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モノの価値は、人それぞれ

私が20歳の頃、

まだ京都の実家で暮らしてた時の話です。

ある日、下の階から怒鳴り声が聞こえました。

「ババァ!!!何してくれてんねん!!!」

普段は温厚な、弟の声でした。

何事か?と思い耳をすませました。

すると、おばあちゃんが、

「おばあちゃんてっきり『ゴミ』やと思ったんや…」

と申し訳なさそうに謝っていました。

あとで事情を聞くと、弟が宝物のように
大切にしていたファイナルファンタジー(※通称FF)
というゲームの箱を捨てられたそうです。

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弟は大切なものを、仏壇に供える
という習性がありました。
おそらくここが「一番安全な場所」と
思っていたのでしょう。

ゴミ箱から引っ張り出して、
なんとか原型をとどめた
「あの箱」の姿を私は今だに覚えています。

しかし、悲劇はまた繰り返されます。

その日から、3カ月後の出来事でした。

「ババァ!!!どこやったぁ!!!」

また弟の叫び声でした。

私は耳をすませました。

「おばあちゃんそんな大事なもんや
思わんかったんや、ほんにゴメンやでぇ」

「ゴメンで済むかぁ!!!」

その後、事情を聞きました。

「また何か捨てられたんかいな?」

と聞くと、

私が弟の誕生日プレゼントにあげた、

エレファントカシマシのLIVEチケットでした。

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「・・・」

「マジか・・・」

さすがに私も凹みましたが弟にとって、
チケットを仏壇に備えるという行為は、
おそらく最上級の扱いだったのでしょう。

しかしそこは最も危険な場所となりました…

「二度あることは三度ある」

おそらく弟も経験から学んだのでしょう。

その後は一度も大切なものを、
仏壇に置くことはなかったと思います。

弟にとっての宝物は、

おばあちゃんにとってはゴミ。

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モノの価値は人によって全く違う
ということをその時、
初めて学んだ気がしました。

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