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ドローンレベル4解禁と自律化の動向

以前に、ドローン・空飛ぶクルマ(人も載る)の動向についてふれました。

その中で、規制緩和状況についてもふれ、予定どおりドローンのレベル4規制が2022年12月に緩和されました。

これで、資格を持つ人であれば下に人がいても飛行させることが出来ます。

今でもドローンメーカとして世界最大規模を誇るDJIは、この数年産業向けのラインナップを深め、ついに自動車の自動運転システムの提供まで始めています。

話が飛躍しているように見えるかもしれませんが、ドローンは単なる飛行する技術だけでなく、ソフトウェアで自律的に支える技術もコアにあります。

そして今、この自律性を活かした「Swarm」なドローンが注目を集めています。

Swarmとは、直訳すると「群れ」ることで、文字通り大量のドローンを自律的に協調させて動かします。

分かりやすい例でいえば、大きなイベントでのドローンショーです。

2022年に行われた中国共産党イベントでは、なんと5200機ものドローンが空中で絵や文字を演出しています。

ぜひ、上記記事内の動画を見て頂きたいですが、下記のようなきめ細かい描画まで実現しています。

出所:上記記事内の図

これは障害物がない場面ですが、より実用的なケースでいえば、各ドローンが違う場所からお互い信号を送ることで1つの目的を達成する手段としても研究が進んでいます。

記事の例にあるように、自然災害で行方不明になった人の捜索、見つけた時の誘導、もし閉じ込められていれば緊急物資を届けるなどができます。
今でも人の制御によって近しいことは行われていますが、操縦できる機体は限られるので、そこを自律化することで可能性が広がります。

ただ、災害対策だけであれば話は美しいままで終わるのですが、これを戦闘に活用しようという動きがあります。

そもそもとしてドローンは軍事用に開発された経緯もあります。(だからといってドローンを全否定する必要もないです。ほとんどのハイテクは軍事的用途から派生しています。例えばGPSも元々米国軍事衛星を民間に開放されたものです)

既にその無人機(なかには自爆タイプも)が今起こっている戦争で導入されているのは、メディアでも目にすると思います。

単体での性能だけでなく、この群れるドローンを使った兵器も研究されています。

単体だと防衛側に撃墜されるリスクはありますが(それにもドローンが使われる研究もあります)、群れをなして攻撃することでその網の目を潜り抜けようとするものです。

各主要国が進めていますが、公開されている範囲では(軍事研究なので全てを公開はしていません)米国国防総省の基礎研究部門DARPAでは昔から行われており、部分的にメディアにも露出しています。

DARPAのYoutube公式チャンネルの動画からも引用しておきます。ドローンなので動画のほうがわかりやすいかもしれません。

ドローンはもはや無人飛行体だけでとらえるのは正しくなく、スマートモビリティの空中版です。

空に限らず・陸(いわゆる自動運転)そして海(海中ドローンも既に存在)でも自律化は構造的に同じであり、その中枢部が進化することで、良くも悪くもドローンが社会に与えるインパクトは高まっていくと予想されます。

特に懸念しているのが悪いほうの自律型兵器です。
現時点では、完全自律的に人間を殺すまでには至っていませんが、局所的には起こっています。

この辺りの動向に関心がある方には、下記の書籍が濃厚でお勧めです。

やや話がそれましたが、人手不足や危険回避の観点でドローン規制緩和は喜ばしいことです。あとはそれが、社会にとって良い方向に繋がることを心から願っています。

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