AIが「がん」の新たなパターンを発見。
AIは「パターン認識能力」を提供するため、その応用範囲は広いです。
なかでも人類への貢献で期待されているのが医療分野で、すでに各領域で使われています。
おそらく初期でよく知られたものは、画像診断AIかもしれませんが、ほかにも手術補助(ロボット手術)やゲノム医療などもあります。
過去にこれらをくくった「医療AI」について書いた記事を載せておきます。
最近では、ソフトウェアとしてのAIだけでなく、VRとも組み合わせた新しい試みも散見します。
そんな盛り上がりを見せる医療AIで、「ゲノム医療」で1つの大きな進展がありました。
ようは、
AIが前立腺がんのDNAを解析して、人間では見分けにくいパターンを発見した、
という話です。
「がん」は人類の難敵で、高齢化も相まって主要な死亡原因になっています。
がんにも部位によっていろいろあり(原理は細胞が正常に死滅せずゾンビのように増殖してしまうこと)、予防・対処も異なってきます。
今回は「がん」のうち、男性の罹患が多い「前立腺がん」です。
既におなじみとなったニューラルネットワーク型のAI を利用して、 159種 の前立腺がんサンプルの DNA 変化を調べました。
その結果、今まで人間の研究者が気づかなかった 2 つの異なるグループの「がん」を特定したということです。
がんデータベースが豊かになると、こういったケースは今後も増えていくと思います。
そうなってくると、次に期待したいのが早期発見だけでなく「がん予防」です。
一般的には「生活習慣を正そう」というのはよく聞きますが、いつかはDNA解析から見えてくる日が来るかもしれません。
今でも「リスク」検査としては登場しており、日本でも下記のような組織がチャレンジしています。
そもそもが、遺伝子という先天的な原因だけでなく、生後環境による後天的なものもある(可能性がある)ため、あくまでリスクチェックが限界なのかもしれません。
今後の医療AIがどこまで「がん」に迫れるか、21世紀に発明された遺伝子技術(CRISPR-CASやiPS細胞)の進化とともに、その進展は注目したいと思います。