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アメリカ大統領選挙の開票報道のひどさ(5)

アメリカ大統領選挙の開票報道のひどさ(5)

選挙後の大混乱の予測のいいかげんな解説については、この(5)は後編なので、(4)から読んでほしい。

選挙後の大混乱の予測:訴訟 選挙後に大混乱が起きるという解説には、トランプが訴訟を起こして大混乱というものもあった。

 トランプが開票作業の差し止めを訴えたり、郵便投票の不正を訴えたり、再集計の要求をして正当な開票をさせずにトランプ勝利の結果に持っていく、または票の確定をさせずに各州での選挙人の

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アメリカ大統領選挙の開票報道のひどさ(4)

アメリカ大統領選挙の開票報道のひどさ(4)

これは(4)です。まだの方は(1)から読むのをおすすめします。

おかしな解説 -選挙後の大混乱の予測- 今回の大統領選の前、様々なニュースなどで、仮にトランプが選挙で負けても、選挙後にトランプは負けを認めず、敗北宣言もせず、負けた場合に訴訟を起こす準備をしており、任期が過ぎても大統領の座を明け渡さないなど、大混乱が心配される、などとまことしやかに解説していた。

 自分はこの解説はちょっとおかし

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アメリカ大統領選挙の開票報道のひどさ(3)

アメリカ大統領選挙の開票報道のひどさ(3)

これは(3)です。まだの方は(1)から読むのをおすすめします。

(1)、(2)では、メディアの開票状況の分析力の欠如について論じてきたが、ここからは、開票番組などでされていたおかしな解説について、いくつか取り上げることにする。

おかしな解説 ―州ごとの総取りのシステムのメリット― アメリカ大統領選は、ご存じの通り、全米の両候補の得票数で大統領を決めるのではなく、州ごとの(選挙人の)総取りシステ

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アメリカ大統領選挙の開票報道のひどさ(2)

アメリカ大統領選挙の開票報道のひどさ(2)

これは(2)です。まだの方は(1)から読むのをおすすめします。

トランプ優勢かのような恥ずかしいテレビ報道 ところが、テレビ報道などは、トランプが勝つ勢いであるかのように報道していたのである。事前世論調査でバイデンのリードはヒラリーのリードより大きかったことにも、投票先未定層の割合が4年前より少ないことにもほとんど言及していなかった。郵便投票でどれだけ圧倒的にバイデンが有利なのか(7割から8割が

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アメリカ大統領選挙の開票報道のひどさ(1)

アメリカ大統領選挙の開票報道のひどさ(1)

唖然とした開票報道 アメリカ大統領選は、選挙好きにとっては、4年に一度の、まさに一大イベントである。

 その開票日(日本時間11月4日)、自分は有休を取って、朝からテレビ各局のワイドショーやニュースなどの開票番組を見ていた(もちろんワイドショーよりニュースの方がいいのだが、日中の民放はワイドショーに占拠されている…。)。

 しかし、そのあまりの不正確さに唖然とした。

 開票が日本時間の4日午

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