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【3分要約・読書メモ】インターネット的

ご覧頂き、ありがとうございます。
今回は「インターネット的」についての記事となります。

こんな人におすすめ

・ネットによる世の中の変化を理解したい人
・糸井重里さんの活動や考え方に興味がある人

著者

糸井/重里
1948(昭和23)年、群馬県生まれ。75年、TCC(東京コピーライターズクラブ)新人賞受賞後、79年に東京糸井重里事務所設立。広告コピー、漫画の原作、作詞、小説・エッセイ、ゲームソフト制作など、数々の創作活動を行う。98年より、『ほぼ日刊イトイ新聞』を開設し、2012年には、ユニークな企業運営が評価され、株式会社東京糸井重里事務所としてポーター賞を受賞。

「インターネット的」とは?


「インターネット的」とは、インターネット自体がもたらす社会の関係の変化、人間関係の変化。インターネットと「インターネット的」の違いは、自動車とモータリゼーションの違いに近い。モータリゼーションという言葉は、自動車が発明されて、社会に広く浸透していくようになってから変化していったことすべてを含みます。自動車によって新しいニーズや市場生み出されました。

「インターネット的」の3つの軸

①リンク
②シェア
③フラット

3つの鍵 ①リンク

今までは、問いと答えがセットのような「ジョイント」的なつながり。「リンク」的なつながりとは、複雑な情報のカタマリ同士が互いにつながっている。それによって、一見不要な情報からのつながりに可能性を見出すことがある。

3つの鍵 ②シェア

「シェア」とは”おすそわけ”。分け合うということは、なぜかは知らねど、楽しいものである。「シェア」という喜びが「インターネット的」である。人や企業が「シェア」の精神を大事にすることで社会が大きく変わる。「シェア」が上手な人や企業は、みんなに喜ばる。これからの時代、企業にとっては、利益を社内に「シェア」していく考えがもっと大事になっていく。

人はモノだけでなく、情報をたくさん出しているところに集まっていく。情報を自らシェアすることで、喜ばれて、シェアが連鎖する。情報を受け取って信頼できると思ったら、次の情報を待つようになり、そこに市場が生まれる。

3つの鍵 ③フラット

無名性で情報をやり取りすることで、それぞれのポジション、性別、価値などの意味が失われていく「フラット」な世界になっていく。それと同時に、価値観も「フラット」になっていく。社会共有の価値観から、個人の価値観が重視されていく。今までは、”みんなのプライオリティ(優先順位)が一致している”ことが、社会が安定るていると考えられていた。お金は一番大事なもの、上司の命令は家庭の事情に優先する。・・・・みんなが同じプライオリティーを持っていることが社会の常識を下支えしていた。でも、価値の”順位付けが多様化”し、プライオリティーは個人の自由となっていく。

3つの鍵の象徴 ”only is not lonely”

人間にとって「孤独」は、前提。「ひとりぼっち」は、当たり前の人間の姿。それでも「ひとりぼっち」と「ひとりぼっち」が、リンクすることができるし、ときには共振し、ときには矛盾し、ときには協力することは、これからもまた当たり前のことのようにできる。
つながりすぎないで、つながれることを知る。こういう関係が、インターネットの上では、リアルに感じれるかもしれない。「ひとりぼっち」なんだけど、それは否定的な「ひとりぼっち」ではない。孤独なんだけれど、孤独ではない。

立候補するという考え方

これからの時代は、大きさは別にして、あらゆる場面で立候補しないで生きていくことが困難になる。どっちの道に行きたいのか、何が嫌で、何がしたいのか、何を美しいと感じ、何を醜いと感じるのか、そういったことを自分なりに生きるための「軸」を持っていないと、他人とリンクしたり、他人の協力を得ることができない。

感想

インターネットが登場して間もない2001年に出版されたとは思えない。糸井さんの本質を見極める思考力に脱帽する。YouTube上で「予言の書」と言われるのも納得。

特に印象的だったのは、シェアの考え。基本は、企業も単純に商品を作って提供するだけでは、支持を集めることができなくなり、利益をどうやって社会にシェア(還元)しているのか?が重要になると言及している点は、今のSDGsの考えそのまま。株主をステークホルダーとするのではなく、地球を含むすべてをステークホルダーととらえる考え方。20年前よりも具体的な形となってきていることを感じた。

本書の中では、「インターネット的」な思考法や表現方法なども書かれており、今までの社会との違いが分かりやすく書いてあります。インターネット化が進んだ時に起きている変化を体系的に理解できる一冊です。

最後まで読んでいただきて、ありがとうございました。

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