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不登校でも高校進学は可能?中学校卒業後の進学実態と具体的な進路選択肢について

こんにちは!子ども未来プランニングの田口です。
本日は、不登校のお子様をもつご家庭の多くが不安に思われている、「中学校卒業後の進路」について、解説していきたいと思います。


データから見る不登校のその後

現在、小学校や中学校に行けていないお子様をもつご家庭の中で、義務教育期間が終わってしまった後、自分の子どもがどのような進路を切り開いていけるのか、不安に思っている保護者の方は多くいらっしゃるのではないでしょうか?

以前の文部科学省の調査では、「不登校だった中学3年生が20歳になったとき、81.9%は就学・就業をしている」というデータが示されています。

ご存じのとおり、小中学校の義務教育期間は、私立校などを自ら選ばない限り、多くのお子様が住んでいる地域エリアの中で指定された学校に在籍をしますが、高校以降は自分が過ごしていく学校は自分で選ぶことができるだけでなく、その選択の幅も大きく広がります。
そのため、今の学校がたまたま合わなかっただけで、これから進んでいく学校や社会では、新たに自分に合った居場所を見つけられる可能性が高いということです。

もちろん、この文科省のデータを見て、8割の子どもが無事に就学や就業ができているのあれば自分の子も安心だ、と手放しに喜べる親御さんは少ないでしょう。

高校以降の選択肢として、不登校を経験したお子様でも選びやすい、また入学後も過ごしやすい環境が実現できる具体的な学校を知ることで、将来の安心材料にしていただければと思います。

高校以降の具体的な選択肢

不登校経験のあるお子様にとって、高校受験時に影響がある要素として、休んでいた期間の学力に不安がある点や、欠席の多さから内申点が付かない(付いても点数が低い)点が挙げられます。

ここでは、受験時に内申点や学力テストの影響を受けづらく、不登校のお子様も入りやすい、また入学後にもその子にあった環境調整をしやすい学校種別をいくつかご紹介していきます。

1.内申点を重視しない私立高校

公立高校の場合、入学の審査では、入学試験の点数だけでなく中学校の内申点(内申書)も考慮されるのが一般的ですが、私立高校では、内申点の点数を問わない受験方式(オープン入試)を行っている学校も少なくありません。

また、私立高校は受験科目数が公立高校よりも少ないこともあります。その場合は、受験勉強の対策も比較的短期間でできます。

ただし、もちろん全日制の学校を選ぶ場合は、入学後は中学校までと同様に毎日授業がある生活スタイルに適応できるかどうか、も重要になります。

2.通学スタイルが選べる「通信制高校」

通信制高校とは、毎日通学する必要のない高校です。郵送などの通信教材やオンライン教材を使って自宅で勉強を進めることができますが、最近では通学コースも設けている学校も増えています。

入学後は、決められたレポートの提出、最低限の登校、単位取得のためのテストをクリアできれば高校卒業資格を得ることが可能です。

また通信制高校も入試時に内申点や出席日数を重要視しません。また学力試験もなく、面接や作文のみの試験を実施しているところも多い為、
入学時点で学習面での不安があっても、高校に入ってから自分のペースで遅れを取り戻すことができるタイプの学校といえます。

3.授業時間に柔軟性のある「定時制高校」

夜の時間帯に授業を行い、3~4年間で卒業する学校のイメージがある定時制高校ですが、最近では午前中や昼間にも授業を実施する学校が増えてきています。またコースを組み合わせて授業を受ければ3年間で卒業が可能な場合もあります。

不登校原因としてよく挙げられる、起立性調節障害のあるお子様など、午前中は難しいが、後や夕方からなら学校に行ける、というような場合には授業時間を本人の特性に合わせて調整ができる定時制高校が合っているといえます。

定時制高校には働きながら学校に通っている社会人の方なども在籍しているため、いろいろな人と接する機会があります。基本は通学をベースとした学校スタイルになるので、学校や学ぶ教室の雰囲気などは事前に見学をしておけると良いです。

4.不登校の子に配慮したカリキュラムのある公立高校

近年、増えてきているのが、公立高校の中でも不登校経験のあるお子様に配慮のある学校です。例えば、東京都における「チャレンジスクール」や、神奈川県の「クリエイティブスクール」などがあります。

これらの学校の多くは受験時に内申点を考慮せず、また学力試験を課していないため、中学までの学びに不安があるお子様たちを多く受け入れています。

入学後も、1クラス当たりの人数を少人数制にしていたり、複数担任制を設けていたり、中学校時代に集団生活を送れなかった生徒のために生活指導に力を入れていたり、中学時代に十分に教育が受けられなかった生徒のための「学び直し」の機会を支援する様々な取り組みが行われています。
また、いわゆる普通科の基礎科目だけでなく、総合学科が設置されている学校では「情報」「福祉」「芸術」など様々なジャンルに触れることもでき、新しい目標を見つけやすくなっています。

5.専門的な学びを重視する「高等専修学校」

最後にご紹介するのが高等専修学校です。
18歳以上の方向けの「専門学校」の、高校生の段階から通える学校が「高等専修学校」です。高等専修学校では、「工業」「医療」「教育福祉」「服飾家政」といった様々な専門分野に関する、職業や実生活において必要とされる知識・技能を学べます。

これまでご紹介した4つの高校種別と異なり、あくまで専門分野の知識技能を学ぶ場所のため高卒資格の認定はされません。
ただし一部の学校では技能連携校の授業を同時に受けるなどして、高卒資格や大学受験資格が得られる学校もありますので、その後の進路選択にも幅があり、卒業後に就職ではなく大学などに進学する人も多くいます。

中学校までのようにさまざまな科目をまんべんなく学んでいくというスタイルよりも、興味のある分野や職業が明確にあり、将来に直接的に活きる知識技能を身に着けたいというお子様や、同じような分野に興味のある同世代の集団の中であれば学校生活が楽しく送れそうというお子様にとっては合っている選択肢かもしれません。

お子様に合った高校選びのポイント

以上、不登校経験のあるお子様でも選びやすい高校以降の選択肢についてご紹介してきました。

今の時代、「不登校だったから高校進学が難しい」ということは決してなく、多様な学びの選択肢があるということをまずは知っていただければと思います。

また高校選びにおいて大事なことは、入りやすさという観点よりもむしろ、入学後の学校スタイルがお子様に合っているかどうか、だと思います。
不登校になった原因やきっかけはお子様それぞれ違いますので、
中学校までの環境で合わなかった点が高校以降の環境では解消できそうなのかどうか、
もしくは、お子様自身がこの学校であれば自分の興味のある学びができそう、新たな目標が見つかりそう、などのワクワクするような動機がありそうか、
など、入学後の学校生活がポジティブにイメージできるかが大事です。

そのためにも、事前の情報収集だけでなく、実際に学校に足を運んでお子様とともにその目で確かめていただきながら、本人が納得のいく学校選びをしていただければと思います。

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私たちの運営するサービス「子ども未来プランニング」は、不登校のお子様をはじめとして、発達障害やグレーゾーンなど、特性のあるお子様とご家族のための『オンライン教育支援1on1サービス』です。

発達障害や不登校に関して専門知識のあるスタッフが、お子様やご家族の悩みに寄り添いながら、そのご家庭にとってその時に必要な情報の提供や、学校など周辺環境への相談・調整の仕方、学校以外の居場所づくりについて、などをアドバイスさせていただきます。
また「今」から「未来」へ目を向けて、お子様の今後の進路や将来についても一緒に計画を作成し、実現に導くまでの教育支援を行っていきます。

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参考

文科省「不登校に関する実態調査」