マガジンのカバー画像

こどもの病気

76
運営しているクリエイター

#看護師

こどもの溺水について

こどもの溺水について

令和元年にこどもの不慮の事故における死因で3番目に多いのが溺水です。5歳以上では最も多いです。溺水で亡くなった53例のうち、家庭内事故が26例と言われます。
今日はこどもの溺水についてお伝えします。

★原因
4歳以下では家庭内の浴槽で溺れる事故が多いです。
5歳以上になると屋外での溺水事故が増えます。
こどもは溺れるとき声をださず静かに沈みます。
たった2.5㎝以上の深さがあれば、乳幼児は溺れる

もっとみる
こどもの事故について

こどもの事故について

こどもの事故はさまざまです。家の中のけがはすべてのけがの3割と言われています。5歳未満のこどものけがの多くは自宅内です。
こどもの事故を知ることで
まさか、そんなことするなんて・・の「想定外」から「想定内」にすることが出来ます。
今日はこどもの事故についてお伝えします。

★事故
目を離さない、だけでは事故を予防することは難しいです。
まずは月齢や年齢ごとに起こりやすい事故を知りましょう。
・溺水

もっとみる
こどもの乳幼児揺さぶられ症候群について

こどもの乳幼児揺さぶられ症候群について

乳幼児揺さぶられ症候群(SBS)とは、まわりから見れば「あんなことしたらこどもが危険だ」と誰もが思うほど激しく乳幼児がゆさぶられた時に起こる重症の頭部損傷です。
今日はこどもの乳幼児揺さぶられ症候群についてお伝えします。

★あかちゃんの特性
あかちゃんというのは頭が重くて首の筋肉も弱いので、ゆさぶられたときに頭を自分の力で支えることが出来ません。その結果、早く強く揺さぶられると頭蓋骨の内側に脳が

もっとみる
こどもの副鼻腔炎について

こどもの副鼻腔炎について

副鼻腔は頬、両目の間、額の下の骨の中にあります。粘膜でおおわれた空洞でそれぞれが鼻の中とつながっています。
風邪などで鼻の粘膜に急な炎症がおこり、それが副鼻腔の粘膜に広がって副鼻腔炎を起こします。
今日はこどもの副鼻腔炎についてお伝えします。

★症状
鼻がつまったり、ねばっこくて色のついた鼻汁が多くでます。
においがわかりにくくなったり、鼻汁がのどにおちて咳の原因になることもあります。
鼻閉によ

もっとみる
こどもの脊柱側彎症について

こどもの脊柱側彎症について

こどもの背骨(脊椎)が柱状に繋がった状態が脊柱です。
正常の脊柱は前、後ろから見るとほぼまっすぐしています。
脊柱が横(側方)に曲がった状態を側彎症といい、多くの場合、脊柱自体のねじれを伴います。
今日はこどもの脊柱側彎症についてお伝えします。

★種類
・機能性側彎
一時的な側彎状態です。
何らかの原因により一時的に生じた側弯で、腰椎椎間板ヘルニアなどに伴う痛みによるものや、足の長さの違いによっ

もっとみる
こどもの骨折について

こどもの骨折について

骨がこわれることでひびや骨折、骨の一部が欠けたりへこんだ場合も骨折です。骨に力がかかって発生します。
成長過程にあるこどもの骨は弾力があり、骨幹部では隆起骨折や若木骨折、力に弱い成長軟骨がある関節周囲では骨端骨折などこども特有の骨折もあります。
今日はこどもの骨折についてお伝えします。

★症状
骨とその周囲は神経と血管が豊富なので、骨折をするとその部位に
痛みと腫脹が出ます。
骨折がひどいと動か

もっとみる
こどもの結膜炎について

こどもの結膜炎について

結膜炎は目の病気ですが、感染性結膜炎はこどもに多く、年齢によって原因菌がことなります。
今日はこどもの結膜炎についてお伝えします。

★感染性結膜炎
原因となる菌は
新生児ではクラミジア・淋菌
乳幼児ではインフルエンザ菌
学童期では肺炎球菌・ブドウ球菌が多いです。

症状
充血や黄色っぽいめやにが出ます。
乳幼児では風邪をひいて鼻づまりがあるときに生じます。
生後6か月までのこどもはママからの免疫

もっとみる
こどもの鼻アレルギーについて

こどもの鼻アレルギーについて

鼻粘膜でアレルギー反応がおこり、水様性鼻水、鼻づまり、くしゃみなどがおこります。アレルギー皮膚炎や小児喘息の既往がある学童のお子さんに多いです。
今日はこどもの鼻アレルギーについてお伝えします。

★原因
通年性の症状の場合、ハウスダストやダニが多いです。
季節性の症状の場合、2~4月はスギ、3~5月はヒノキ、4~6月はカモガヤ、9~10月はブタクサの花粉が代表的な抗原です。

★症状
くしゃみ、

もっとみる
こどもの脳性まひについて

こどもの脳性まひについて

胎内の発育過程から新生児期までに生じた非進行性で永久的な脳障害によって生じる姿勢・運動障害(まひ)のことです。
遺伝性疾患や進行性疾患は除外されます。
発生率は出生数1000人に1,2人と言われます。
今日は脳性まひについてお伝えします。

★分類や症状
まひは原因や分類がさまざまです。
痙直型:手足がこわばってかたくなってくる
アテトーゼ型:手足が余分に動きすぎる
失調型:バランスがとりにくい

もっとみる
こどもの先天性股関節脱臼について

こどもの先天性股関節脱臼について

生まれてから、あかちゃんの検診は何度もありますが、
どんなところをみてるんだ??と気になるママたちもいらっしゃるかと思います。
今日の先天性股関節脱臼も検診でおこさんのお股の開き具合をみて確認しています。
今日は先天性股関節脱臼についてお伝えします。

★先天性股関節脱臼って?
生まれてからすぐより、しばらくしてからわかることがほとんどです。生まれた後、股関節によくないことが影響して脱臼が進むこと

もっとみる
こどもの停留精巣について

こどもの停留精巣について

陰嚢の中に精巣(睾丸)を触れないときに停留精巣(停留睾丸)の可能性があります。普段、陰嚢が空のようでもお風呂やリラックスして座っているときなどに精巣が陰嚢内に触れるような場合、移動性精巣といい、手術適応ではないと言われます。
リラックスしていても陰嚢が空であれば停留精巣であり、手術適応となります。
今日は停留精巣についてお伝えします。

★原因
精巣はあかちゃんがおかあさんのおなかにいるときに腎臓

もっとみる
こどものネフローゼ症候群について

こどものネフローゼ症候群について

ネフローゼ症候群は腎臓の病気です。
今日はこどものネフローゼ症候群についてお伝えします。

★原因
小児ネフローゼ症候群の約90%は原因不明の特発性ネフローゼ症候群です。
腎臓の糸球体基底膜と呼ばれる部分の異常により起こります。
その結果、血液中のたんぱく質が尿中に大量に漏れてしまい、尿に大量のたんぱく質が漏れて、血中のたんぱく質が減少した状態をきたし、むくみが出ます。

★症状
こどものむくみに

もっとみる
こどもの陰嚢水腫について

こどもの陰嚢水腫について

暑い日が続いていますが、気圧の変化もあるので
体調を崩されている方もいらっしゃるかと思います。
こどもの感染症である夏かぜも増えていますね💦
感染対策も熱中症対策も必要になってきます。
連休もあり、お出かけする場合も一日はゆっくりできる日を
作ってくださいね☺
今日は陰嚢水腫についてお伝えします。

★陰嚢水腫とは
おかあさんのおなかのなかにいるときに腹膜が鞘状にとびだしたもの(腹膜鞘状突起)が

もっとみる
こどもの尿路感染症について

こどもの尿路感染症について

大人と同様にこどもの尿路感染症もあります。
今日はこどもの尿路感染症についてお伝えします。

★尿路感染症とは
尿路とはおしっこがつくられる腎臓から出口までを指します。
感染のほとんどは細菌が尿道から膀胱、尿管、腎臓まで侵入していくことで起こります。
細菌性尿路感染は女児の3~5%、男児の1%に生じます。

★症状
〇腎盂腎炎
高熱・腹痛・悪心や嘔吐・倦怠感が出ます。
新生児や乳児の場合は黄疸・哺

もっとみる