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目的化が苦手な日本人。そのままビジネスをすると苦労するかも

今、クリティカルシンキングっていう本を読んでいます。

その中の短いコラムで、日本人は目的をはっっきりさせることが苦手だ、みたいなことが書いてあってめちゃくちゃ納得したんですよね。

これって自分でビジネスをする上で、非常に大事なことだと思うんです。


なぜ日本人は目的化が苦手なのか


少し引用します。

──そもそも論なんですけど、日本人に目的を明確にするという考え方がないんじゃないかなと思います。
 私、こういった業務プロセスつくるとかっていうの、実際仕事でやってるんです。で、最初に「じゃあ目的つくりましょうね」って言うんですけど、みんなね、手段を考える(笑)。手段が目的に変わっていくんですよ。で、気づいたら、「これ何のためにやってるんだっけ?」ってパターンに陥るんですよね。

『実践型クリティカルシンキング 特装版』佐々木裕子著

たとえば本書で紹介されていたのは、企業が女性活躍を推進する事例。女性リーダーを育てよう!と目標を掲げ、研修をしたり子会社に派遣したりするのはいいのだけど、一体なんのためにやるのか、その根本のところをみんなわかってない。

だから女性側はやる気がないし、派遣先も本腰を入れず、ただただ女性リーダーを増やすことだけが目的化してしまっている、というお話でした。

最近よく聞く学校の校則なんかも同じですよね。校則違反をなくすのに先生たちは一生懸命だけど、そのルールってなんのためにあるの?って聞かれたら答えられない(あるいは「ルールだから」みたいな答えになっていない答えが返ってくる)。

校則違反の取締りじたいが目的化してしまっているのです。


ところがこれ、海外(ってどこの国かわかりませんが。欧米ですかね)ではちょっと事情が違うようです。あちらでは、まずは目的をはっきりさせ、それをやるとどうなるのかを明らかにしておくのが基本だそう。

これを学ぶとどういうメリットがあるのか?将来的にどう活かせるのか?(本文より引用)というように。

どう考えても、目的を決めておいてそれに向かって進む、というやり方のほうが勉強も仕事もスムーズに進みそうな気がするんですが、なぜ日本ではこうしたやり方が根付いていないのか。同書ではこんな見解を述べています。

今まで、といっても江戸時代とかじゃなくて主に20世紀ですが、学校でも職場でも、「なんでそれやんなきゃいけないんですか?」って聞き返すとか、自分で考えて違う方法でやるとか、そういうことを積極的に推奨する時代ではなかったですね。
 むしろ、言われた通りにやらなかったり、そもそもの意義や目的を部下が上司に確認するのはよくないことだ生意気だと言われるような企業風土もあったかもしれません
 言われた通りやるのが1つの戦略だった時代だということです。右肩上がりの成長で、とにかく速く効率的に拡大生産をするんだという時代は、それがよかった。

私は一般企業で働いたことが皆無に等しいのでよくわかりませんが、目的とか意味なんて考えなくていいから、とにかく上の人から言われたことをやっておけばあるていど間違いないという風土が日本の企業にはあるのかもしれないですね。余計なことは考えず、決められたことをきちんとこなせる真面目で素直な人が出世もしやすいのかも。

だけど、目的を定める習慣を身につけないまま「自分でビジネスを興す」ってなると、ちょっと苦労するかもしれません。


選択肢が多様だからこそ、旗を立てる

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