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#阿刀田高
読み誤る漱石論者たち 阿刀田高③ 『それから』はどうしてそれから?
読み落としは読み誤りとは違うのではないか、気が付いていないことがあるだけで、読み誤りとは言えないのではないか、
この記事を読んでそんなことを思う人がいるかもしれない。しかし私が言っているのは、最低限ここまでは読めていないといけないという最低ラインに達っしていないのに解った風に書いてしまうのはどうなのかということだ。清を「ねえや」にしてしまうのは誤読だ。汚染データだ。漱石が意図して『三四郎』で
読み誤る漱石論者たち 阿刀田高① 『坊っちゃん』はそう単純な話ではない。
それにしてもどうしてこうも沢山の人が漱石について語ろうとするのだろうか。そしてことごとく漱石作品を読み誤るのは何故なのだろうか。そんな近代文学2.0の根本的な問題を改めて考えさせてくれるのが阿刀田高の『漱石を知っていますか』(新潮社、2017年)だ。
谷崎潤一郎作品に関しても阿刀田高の読みは迂闊であり、凡庸で型通り、しかも話を作るために読み誤っていた。丁寧にストーリーを追いながら、何の疑問を