2022年2月の記事一覧
『三四郎』を読む⑩ 美禰子は美人なのか? 三四郎の好みが変わっているだけではないのか?
夏目漱石作品中一二を争う美人と思われがちな美禰子だが、果たして本当に万人受けする美人だったのであろうか。その美しさは三四郎にとってだけのもので、ちやほやされているようでありながら、その実かなり個性的な美しさだったのではなかろうか。
与次郎に言わせると美禰子は出っ歯らしい。肌は狐色、九州色である。人の好みはさまざまだろうが、美禰子は万人受けする美人だったのだろうか?「ばかだなあ、あんな女を思って
秋風と共に生えしか初白髪 夏目漱石の「匂わせ」とイスラエルの陰謀
夏目漱石の嫂・登世が二十五歳の若さでこの世を去った際に詠まれたこの句で始まる十三句の一つ前に、
…の句はある。明治二十四年、二十四歳で白髪は少し早すぎる気がしなくもない。
いや、これは漱石の白髪だろうか?
初白髪は大抵人に言われて気が付くものである。三島由紀夫も楯の会の隊員から指摘されて本気で怒った。三島が四十代でのことである。
と思えばさらにその一つ前の句、
…が写実か仮想