物件数と検索機能だけじゃない?自分らしい部屋探しを支える SUUMOを分析
こんにちは。ベトナム在住ライターの寺内です。
3月〜4月といえば進学に就職、転勤など新生活をスタートする方も多いのではないでしょうか?この時期は引越しの依頼件数は1年でもっとも多くなるそうです。
引っ越しといえば物件探しですが、数ある不動産仲介関連会社の中で人気があるのはどこなのでしょうか。
Knowns Bizで“不動産仲介会社(賃貸)”の満足率x認知率を調べると、満足率・認知率でバランスが良かったのが不動産ポータルサイト「SUUMO」でした。
今回はそんな「SUUMO」について分析してみたいと思います!
SUUMO
1976年に「リクルート」の住まい事業は、住宅情報誌から始まりました。広告主によって内容がまちまちで、統一した基準がないため物件を十分に比較検討しづらいという不便を解決したいという思いから、創刊した情報誌では読者の分かりやすさを追求し、広告表現のルールを設定。信頼できる情報提供によって、住まい探しを便利にしてきました。
その後、Webサービスの誕生や2対面スタイルで個人のニーズにあった物件を紹介するマンションナビカウンター(現SUUMOカウンター)をスタートし、2009年にはそれらを「SUUMO」にブランド統合しました。時代の変化やテクノロジーの進化に合わせて、住まい探しをより便利にするとともに、住まいを提供する側の集客ニーズにも応え、住宅・不動産マーケットの活性化に総合不動産ポータルサイトとして貢献しています。
利用者層分析
「SUUMO」利用者のデモグラ構成比をみると20代後半の割合が高く出ています。
男女比では男性が多いです。
「SUUMO」の7 Journeyを見てみると、未認知率は低いもののチャンスやきっかけ待ちの顧客が多いです。ファネル分析では現在利用⇒リピート意向は96.1%とリピーターがとても多いです。
認知はしていますが利用したことがない潜在顧客の層にアプローチできると、さらに人気が出そうです。
また「SUUMO」のジャンル利用の7 Journeyを見てみると、チャンスや巻き戻し層やロイヤル層の顧客が多く出ています。
※ここでいうジャンル利用者とは過去に1度でも不動産仲介会社(賃貸)の利用経験がある人のことを指します
ファネル分析では認知⇒購入意向が72.2%、現在利用⇒リピート意向が96.1%と高く出ています。
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どんな人に選ばれる?
サイコグラフィックを見てみると、"倹約家”“自己愛強め”"モノ重視”な方が多いです。
また社会価値観は“ワーカホリック”"依存集中型”"月曜恐怖症”と仕事に没頭しつつも趣味を謳歌している方が多いようです。
そして消費価値観は"ハラオチ型消費”と"リターン期待型消費"が高いことから、自分が納得した価値のあるものやコスパの良いものを購入したい傾向がありそうです。
「SUUMO」利用者のワードクラウドや意見を見てみると、物件の情報量や条件検索に関する意見が多く見受けられました。また“キャラクター”や“CM”に関する意見も多いです。
これらを踏まえて「SUUMOの人気の理由を分析してみたいと思います。
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SUUMO人気の理由は?
圧倒的な物件掲載数
「SUUMO」の特徴といえば、物件の掲載数が多いことです。「SUUMO」登場以前は、主にそれぞれの大手不動産会社が自社の物件を掲載したポータルサイトが中心でしたが、「SUUMO」はすべての不動産会社が自由に物件を掲載できるため、全国700万以上の物件と圧倒的な掲載数を保っています。
さらに「角部屋」「ペット」「女性限定」など様々な要望でも物件を絞り込むことができます。2017年からは「LGBTフレンドリー」 「高齢者歓迎」「初期費用カード決済可」「家賃カード決済可」なども追加されています。またサイコグラフィックの社会価値観では仕事に没頭しつつも趣味を謳歌している方が多く出ていましたが、不在にしがちな人のための宅配ボックス有無、DIY、カスタム可など趣味やこだわりを尊重した検索機能など豊富な条件から物件を検索することができます。
アプリサービス
またアプリサービスも展開しており、SUUMOのアプリは2016年から8年連続の顧客満足度ランキング1位を獲得しています。ワードクラウドでも頻出している「検索」「探し」「アプリ」「便利」などからも分かるように、使い勝手の良さがその理由のひとつかもしれません。SUUMOの地図をなぞって探す(探したい場所を指で範囲指定できる機能)検索は不動産検索アプリ初の機能だったそうです。
総合ランキングだけでなく、サイトの使いやすさ、特集・キャンペーン、物件情報の充実度、問い合わせのしやすさ、検索のしやすさ、のカテゴリでも1位を取得しているそうです。
コンテンツマーケティング
「SUUMO」では物件数だけでなく、さまざまなコンテンツにも力をいれれています。賃貸関連記事コラムでは初めてお部屋を探す人向けのマニュアルから住まい探し・住まい選びのノウハウやコツ、入居時にかかる費用など賃貸住宅にかかわるさまざまな情報を紹介しています。よくニュースなどで取り上げられている「住みたい街ランキング」もSUUMOのコンテンツの1つです!
また自社オウンドメディア「SUUMOタウン」ではその街に住んでいる・その街が好きなライターさんが執筆した、「街」をテーマにしたさまざまな記事を読むことができるコンテンツです。これから引っ越しを検討してい方が「この街いいかも」というきっかけになるだけでなく、「こんな街あったんだ」という街と出会う機会にもなっています。ライターさん個々の書き方が面白いだけでなく、写真や漫画でも表現されており、とても面白いコンテンツだと思いました。
キャラクターマーケティング
「SUUMO」といえば丸い緑のキャラクターと独特なCMソングを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?ワードクラウドでも“キャラクター”“CM”が大きく出ていましたが、緑のまりものようなマスコットキャラクター「スーモ」は、リクルートの賃貸事業をブランド統合し、「SUUMO」ができたことをきっかけに誕生しました。(まりもではなくスーモ星からきら宇宙人のようです)
Knowns BizでSUUMOのCM一覧を見てみると、認知率はいずれも80%以上と高く、好感率も70%を超えています。
また、住まい探しという身近なテーマを結びつけたマンガ・ゲーム・絵本・動画などのコンテンツ展開は住まい探し中ではない消費者だけでなく、幅広い世代に「SUUMO」の認知を広めているのだと思います。
https://www.badge-man.net/bmwp/column/scf-exp-character-marketing/
また、「SUUMO」は人気俳優をCMに起用や人気TVアニメのコラボなども行っており、幅広い世代へのアピールも行っているます。
Knowns Bizで「SUUMO」の潜在顧客(チャンス+きっかけ待ち)のデモグラを見ると、40代後半以降が多く出ています。
またサイコグラフィックでは“インドア派”“関わり面倒”とマイペースに行動したい人が多いようです。消費価値観では“リピート消費”も多く出ているので、「SUUMO」のサイトやアプリの便利さ、コンテンツの充実をこの層にアピールできるとさらにファンが増えそうです。
潜在顧客のボリュームゾーンである40代以降はすでにマイホームを購入済みであったり、定住の地を決めた方も多いかもしれません。「SUUMO」は賃貸物件のイメージが強いですが、上記のような方向けのサービスとして住まいの売買やリフォーム・リノベーションの紹介も手掛けているそうなので、その認知も上がるといいですね。
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まとめ
「SUUMO」利用者の特徴
・20代後半、男性が多い
・倹約家・自己愛強め・モノ重視
・仕事に没頭しつつも趣味を謳歌している人に利用される
・ハラオチ型消費・リターン期待型消費
「SUUMO」の7 Journeyで利用者ではないものの、認知している人(潜在顧客)が多く出ていたのは、コンテンツやキャラクターマーケティングに成功しているからではないでしょうか。
リピーター率も多く出ているので、今後の利用者もさらに増えていきそうです。
筆者のひとこと
私自身、大学進学をきっかけに上京・一人暮らしをしましたが、当時は「SUUMO」のような総合不動産ポータルサイトがなく、大手不動産仲介会社のポータルサイトから家を探した記憶があります。(母に「大学の側でないと行かなくなりそうだから」、と言われ、大学の目の前に住んでいました笑)
その後さまざまな都内の街に住みましたが、現在の“住みたい街ランキング”はどうなのかしら?と思い調べてみたところ、2024年は下記ランキングだそうです。
2024年の住みたい街(駅)ランキング首都圏版1位は今年も「横浜」、7年連続トップだそうです。そして2位の「大宮」は、過去最高順位で、おととし・去年と2位だった「吉祥寺」は、3位にランクダウンとのことです。
今年はTOP2を東京都以外の駅が占める結果になっていました。
東京都以外の駅が上位になっている背景としては、「子育て世帯」での得点が伸びていることや、働く環境や商業施設の充実など、それぞれ県内におけるコンパクト東京化(直径2km圏というコンパクトなエリアに東京都心の街の魅力が凝縮している)が要因ではないかと言われています。
みなさんの住みたい街はどこでしょうか?
≪本記事は新しいバージョンのダッシュボードを利用しております≫
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