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詩 つながっていて、私ひとり
みんなが私を見るから
私はどの私を見ていいかわからなくて、
俯く
そこに
ありが集っている
数百万匹蠢いているのは
首の皮の下
胸に手をやり我に返る
鮒だったときのあぶくの言葉
夕顔だったときのおひさまの言葉
前に生きてた時の最後のことば
懐かしさだけが残っている
私は未だに私の言葉を話せない
心に欺かれている
それは単に、天気のせい
特別なものなんかじゃない
私は私にとって特別なものじゃない
詩 永久にひとりぼっちの
犬は悲しい生き物なのに、明るい人が飼っている
猫は楽しい生き物なのに、悲しい人が飼っている
花を、誰にも言わずに買った
蕾が開く前に枯れた
最後の鶯が鳴いている
最後の蝉も鳴いている
ちっともさみしくなんかない
寂しく聞こえる人がいるだけで
平日の14:00の番組は生放送
だけど今じゃない
見えているのは私の今じゃない
誰の今でもない
永久にひとりぼっちの僕ら
君といる時に、寂しいねって言っ