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詩 竜よ

竜、どうしてお船になってしまったの
僕またひとりぼっちだよ
怖がって近寄らなかった人たちもみんな
船になった君に乗ってさ
水墨画の景色の中を行ったね
どんな大きな波も君を飲みはしないんだ
すぐに頭をもたげて 頼もしい船さ

しばらくして、また君と僕だけになったね
一緒に飛んだ空を上に見上げて
君は黙ったままでさ
僕がいなくなったら 君の松の体はどうなるの
本当のひとりぼっちにしてしまうね

竜、僕はまだ
君と出会った時の少年の僕のままだ




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