ガブリエーレ・マイネッティ『フリークスアウト』イタリア、ナチスと超能力バトル
2021年ヴェネツィア映画祭コンペ部門出品作品。舞台は1943年のローマ。四人のサーカス団員が愉快なショウを行っている場面で幕を開ける。プラチナブロンドの青年チェンチオは昆虫を操り(油女一族かな?)、多毛症の巨漢フルビオは怪力で猟銃をひん曲げ、ピエロの格好をした小太りの男マリオは磁力で工具を身体に貼り付け、天井から空中ブランコで現れた美少女マチルデは電気を操って口に咥えた電球を光らせ、座長の魔術師イスラエルはそれをまとめあげる。順調そうに見えた興行は、ナチスの爆撃によって広場ごと破壊されたことで中断されてしまい、五人は新天地アメリカを目指すことにする。しかし、先に船の予約しに行ったユダヤ人のイスラエルは帰ってこず、彼を信じるマチルデはレジスタンスに拾われ、残りの三人は知らないうちに未来予知をできるナチのヤク中サイエンティスト(?)に拾われて云々、という超能力歴史バトル映画である。マチルデには背景や成長物語が用意されているが、おじさん三人には特に用意されず、色々ボンヤリしたまま既視感あふれる映像を繋ぎ合わせたような作品で、正直141分は長すぎるが、オーロラ・ジョヴィナッツォ演じるマチルデは圧倒的美少女だった。冒頭のサーカス→戦場の切り替わりが生々しくて良かったが、以降はそれを超えられなかったのが少々残念。もうちょっとおじさん三人のパワーを適材適所で使ってあげても良かったんじゃないか?こんな"後の展開のために設定考えました"みたいな能力設定っぽいのに見せ場すらほぼないとは思わないじゃん。
・作品データ
原題:Freaks Out
上映時間:141分
監督:Gabriele Mainetti
製作:2021年(イタリア)
・評価:50点
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