大阪。
大阪駅のホームは、相変わらず照り返しが強かった。
こんなに平日からホームに外国人だらけなのは、記憶がない。
人混みを掻き分け、環状線の電車に飛び乗った。
大阪に降り立ったのは、実に5年か6年ぶりになる。
あれほど大学時代の遊び相手だった大阪の街は、時代の流れと共に様変わりしていた。
新規のスイーツ店だらけの生野コリアンタウンだったり……
ここまで若い女の子が集まる場所に変化している事に驚いた。
相変わらず変わらないのは、鶴橋の匂いと行きつけの理容店もそうであった。
福岡に戻る前にカットしてもらって以来、久しぶりに伺った。
店主の人柄と「おおきに!」という挨拶そのものが、唯一無二の大阪の雰囲気である。
翌る日、友達と心斎橋で盃を交わした。
美味しいたこ焼きとお好み焼きの匂いに駆られて、ついつい焼酎が進んでしまう。
酔いが回った友人が呟いた。
「ほんま、マッツーだけは変わらへんよなぁ。」
はっとした。
何を隠そう、変わらないのは僕自身であると。
体調が悪くなってメシを届けたり、友達の親御さんの葬式で骨まで拾ったり……そういう実直で曲がったことが大嫌いな僕自身が、一番変わってないんだなぁと。
こんな場面で核心を突かれたことも、いい酒の肴になった。
帰りの電車で酔っ払って、僕は幸せやな〜とか呟いていたらしい。
それもそうである。
この友情こそが一番、変わらないものだから。
ほんまに、ありがとう。
変わらない友情と、変わらない電車の車窓だけが、そこにはあった。
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