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中央区。

平尾霊園の山肌も、すっかり秋の顔になった。

鴻巣山のテレビ塔が、秋晴れの太陽に照らされて光っていた。

平和2丁目のあの道は、車で通る時も、バスで通る時も、ついつい時間を忘れてしまう。

…今日は友達の結婚式で、急いでいるのに…


ついに僕もアラサーという歳になった。
地元の同級生は次々と結婚し、中には子供がいる友達もいる。

年々比例して結婚式の招待が多くなってくるわけだが、どうもマッツーが挨拶を頼まれる事が多い。
中には昔ケンカもした事がある友達さえ、有難い事に門出の言葉をお願いしてくれる。
先日もそうであった。


仕事先の人とは違って、フランクに人前に立てる分、笑顔だけで挨拶を終えるのは年々難しくなりつつある。

なぜか?簡単な事である。


どういう経緯がある友達であれ、最愛の方と笑顔に幸せで高砂席にいる姿が、僕の幸せだから。

先日も、挨拶の途中で言葉に詰まり、天井のシャンデリアが霞んで見えた。

涙でいっぱいの僕の顔を見て、同級生みんなが笑った。


喧嘩した時より泣き虫でごめん。許せ。



挨拶の最後に、僕は必ず伝える一文がある。

「人生には大事な袋…の前に、僕には夢が2つあります。

一つは世界中に友達を作る事。

もう一つは、僕の横にいる新郎と出会った事を、世界中の友に自慢する事です。」


お前まで泣いてんじゃねーよ。ずるいぜ。


奥さん幸せにせな、つまらんけんね?


…末永く、お幸せに。



チャペルの鐘が、ゆっくりと、鳴り響いた。



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