- 運営しているクリエイター
#禍話リライト
禍話リライト「遺骸の儀式」
その家がどこにあるのか、地方でさえも絶対に明かさないで欲しい。
そんな条件で聞かせてもらった話だ。
山本さんは都会の会社に就職してから、そこで出会った女の子と付き合うことになった。かわいくて気立てもよく、まさに理想の彼女だった。
付き合ってしばらく経ったころ、彼女の方から誘いがあり、泊まり掛けで彼女の実家に挨拶に行くことになった。
その時点でもう有頂天だった山本さんであったが、しか
禍話リライト「大広間の女」
「肝試しは怖いけど、ちゃんとした明るいライトを持っていけば大丈夫!」
こんな風に思っている人がいたら、考え直した方がいい。そういうお話である。
******************
その旅館は、円満に終わったという。
金銭上のトラブルなどがなくても、後継ぎがいないと営業を続けるのは難しい。廃業を決めた経営者は適切に手続きを進め、どこかへ隠居した。建物の取り壊しこそしなかったものの、中の機材や設
禍話リライト:忌魅恐NEO「お茶を出された話」
これだ、もう忌魅恐NEOだ…。
*
かあなっきさんが自分と同じように実話怪談を収集している人と会話をしているときに、こんな話題が上ったという。
「もしも取材した体験者が、嘘をついていたらどうする?」
我々のような怪談を集める者は、結局のところ「取材者を信じる」しかない。
その上で、我々は世の中の怪談を網羅などしていないが(そもそもそんな人は恐らくこの世にいないが)、それでも話を聞い
禍話リライト「ミナミさん」
タクシー乗務員の男性、Aさんが体験した話だ。彼が走ったことのないエリアに配属され、道を覚えていっていた頃の出来事だそうだ。
週末の夜、とある田舎の駅の近くを通ったAさんは、片手を挙げる若い女性を見つけた。
終電車に乗れなかったのだろうか。
しかし、発車時刻からそれなりに時間が経っている。この周辺には飲み屋の類もない。
おかしいと思いながらも、Aさんはその女性を乗せたのだそうだ。
「あ