ヴェナル軍曹

怪談ツイキャス『禍話』のリライト(文章化)をやらせてもらってます。しがない分母です。 …

ヴェナル軍曹

怪談ツイキャス『禍話』のリライト(文章化)をやらせてもらってます。しがない分母です。 月に一話か二話、毎月十五日頃に投稿する予定です。 二次使用に関しては、こちらの記事に準拠します https://note.com/nightmares4/n/na4b584da01fe

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最近の記事

禍話リライト 忌魅恐『開かずになった自習室の話』

提供者である、鈴木さん(仮名、女性) 彼女が、某大学の院生だった頃の話。 大学院生ともなると、論文執筆の際に参照する書籍の量が膨大になる。 それらを持って大学と自宅を行き来するのも、かなりの重労働である。 それ故、ほとんどの大学でそうであるように、鈴木さんは学部から割り振られた自分の部屋、研究室に、書籍や資料を置いていた。 鈴木さんの通う大学は、学部生と院生で使用する建物が分かれていた。 院生用の棟は、表向きは夜間は閉鎖されることになっているが、実際は個々人に入り口の鍵が

    • ですので、今月分は十四日、金曜の晩にお出し致しますので… (さっき、カレンダーで確認した)

      • 『…俺のリライトよりも、本放送を楽しんでくれ!』 そう思っておりますので…

        • 今更ながら。 この垢の自己紹介には、 『(リライトを)毎月十五日前後に投稿する予定』 とありますが。 十五日が水曜や土曜だった場合、つまり酩酊キャスや本放送と被る時は、前日、十四日に投稿することにしておりますので、よろしくお願いします

        禍話リライト 忌魅恐『開かずになった自習室の話』

        • ですので、今月分は十四日、金曜の晩にお出し致しますので… (さっき、カレンダーで確認した)

        • 『…俺のリライトよりも、本放送を楽しんでくれ!』 そう思っておりますので…

        • 今更ながら。 この垢の自己紹介には、 『(リライトを)毎月十五日前後に投稿する予定』 とありますが。 十五日が水曜や土曜だった場合、つまり酩酊キャスや本放送と被る時は、前日、十四日に投稿することにしておりますので、よろしくお願いします

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        • 忌魅恐(第一期)
          18本
        • 禍話リライト
          83本
        • 怪談手帖
          19本
        • 怪談手帖・天狗
          4本
        • 実体験
          6本
        • 創作
          2本

        記事

          禍話リライト 忌魅恐『地蔵のいる踏切の話』

          提供者であるAさん(男性)が、とある大学の院生だった頃の話。 Aさんの通っていた学部は理系である。 どんな学部でもそうだが、卒業論文を書くために、実験、解析、調査、そこから得られた精密なデータ。それらが必要不可欠となる。 卒論審査というのはそもそも厳しいものだが、こうした学部でのそれは、さらに輪をかけて厳しい。卒論審査が通らず、留年する学生も少なくない。 Aさんの年下の友人であるBも、そんな学生だった。 本人は卒論の内容に自信があったようだが、それが通らなかったことで、ず

          禍話リライト 忌魅恐『地蔵のいる踏切の話』

          禍話リライト サバゲ地蔵

          とあるサバゲーグループの話。 あちこちの山野や廃墟でサバゲーを楽しんでいたグループだったそうだ。 その時も、彼らは某所の山中にてサバゲーを楽しんでいた。 二つのチームに分かれ、フィールドである山谷を駆け回る。 その内、一方のチームの形勢が次第に不利になってきた。 不利になったチームのリーダーが、メンバーたちに指示を飛ばす。 「よし! 一旦分散して、最初の方に見かけた地蔵さんのあたりで集合しよう!」 その指示に従い、メンバーたちが分散し、移動を始める。 だが、チーム全員

          禍話リライト サバゲ地蔵

          禍話リライト 忌魅恐『元カノがあきらめてくれない話』

          某大学のオカルトサークルが取材した当時、サバゲーを趣味としていた社会人、Aさんの話。 (※オカルトサークルについては『忌魅恐 序章』を参照) ある時、仲間内で。 今度はどこでやろうか。どこかいい場所はないか。 と、そんな話をしていたそうだ。 サバゲー用の正規のフィールドを使用すればいいのだが、毎回となると料金もバカにならない。 それに、彼らの生活圏の近場ではフィールドもそう多くはない。 すると、同じ場所ばかりでゲームを行うことになり、だんだんマンネリになってくる。 そ

          禍話リライト 忌魅恐『元カノがあきらめてくれない話』

          禍話リライト 忌魅恐『あの先生に関して覚えていること』

          Aさんという女性の、小学校の頃の体験。 ある年のこと。 Aさんのクラスの担任教師が、変な時期に、突然別の人に変わったそうだ。 普通、担任が変わる時期といえば、概ね、学年が上がって新学期になった時だ。 しかし、その先生は、夏休み前の中途半端なタイミングで、Aさんのクラスへやって来た。 もっとも、前任の先生は若い女性だったため、 (おめでたか何かで、急に休むことになったのかな?) と、その時のAさんはさほど疑問には思わなかったそうだ。 新しくやって来た担任も、若い女性だ

          禍話リライト 忌魅恐『あの先生に関して覚えていること』

          禍話リライト 怪談手帖『しし地蔵』

          『自然仏』(じねんぼとけ) ……という話をしたのをきっかけに、話者の方から採集できた。 『お地蔵さんみたいなもの』についての話。 ※怪談手帖『自然仏』 提供者であるAさんが幼少期を過ごした集落には、鬱蒼と樹々の繁る一帯があり、鎮守の森めいた様相を呈していた。 しかし、彼の記憶する限り。 緑の奥にあったのは、社ではなく。 彼曰く『しし』とか『しし地蔵さん』と呼ばれる。 気味の悪い『何か』であったのだという。 「……お地蔵さんじゃないんですか?」 と問うと、 「……みた

          禍話リライト 怪談手帖『しし地蔵』

          禍話リライト おちついた場所の手紙

          令和の初め頃。当時、大学生だったAさんの体験。 Aさんは、この体験により『二つのこと』が苦手になった。 一つ目は『山に入ること』である。 旅行、帰省、出張と。誰しも、そのように遠出をすることがある。そうすると、例えば自動車で山道を走ったり、新幹線で地方の山中を通過したり、という機会も少なくないわけである。 だが、Aさんはかつての体験から、 『自分も、妙なものを見てしまうのでは』 と考えるようになり、そのため可能な限り山を避けているのだという。 どうしても山に入ったり、近く

          禍話リライト おちついた場所の手紙

          禍話リライト 忌魅恐『赤い帽子の女』

          Aさんという男性の、幼少期の体験。 某大学のオカルトサークルが取材した当時、彼はすでにそれなりの年齢であったという。 つまり、現代から見て、少なくとも半世紀以上は前の話。 ……ということになるだろうか。 ※オカルトサークルに関しては『忌魅恐 序章』を参照のこと Aさんの母方の親族に、年齢の近い従兄がいた。 (仮に、彼の名を『ケンタくん』とする) Aさんが小学校二年生のある日。 そのケンタくんが、急死した。 Aさん曰く。 ケンタくんがなぜ亡くなったのか。それについては

          禍話リライト 忌魅恐『赤い帽子の女』

          禍話リライト 墓石の写真

          コロナが蔓延し始め、それから少し経った頃の話だという。 感染を避けるため。あるいは利便性の向上のため。仕事の連絡や簡単な打ち合わせに、LINEなどのSNSを使うようになった。 そんな人も少なくないだろう。 この話の体験者である男性、Aさんもそうだった。 「◯日の◯時から打ち合わせ、よろしくお願いします!」 「必要なデータを送ったので、確認よろしくお願いします!」 そんな風に、業務関係の簡単なやり取りを、仕事用のスマホに作ったLINEアカウントで行っていた。 ある日のこと

          禍話リライト 墓石の写真

          実体験 酒とロフトと黒いやつ

          大学四年、夏の終わり頃。 当時住んでいた、板橋区のアパートでの話。 その時も定期的に訪れるオカルト熱が再発し、洒落怖を読み漁ったり各種の心霊映像、恐怖動画を片っ端から見たりしていました。 当時『タクラーン村の少女』という動画の話が界隈で話題になっていて、それがどうしても見たくていろんなところを探したものです。 加えて、当時住んでいたアパート近辺、そして近くを走る某路線の周辺には奇妙な噂が囁かれる、そんな場所が複数存在していました。その影響もあったかもしれません。 と

          実体験 酒とロフトと黒いやつ

          実体験 夜の見舞い

          自分が小学六年生の頃、十一月の末の話。 話に関係ないので詳細は省きますが、祖父が近所の家の二階の屋根から転落し、近くの病院にしばらく入院することになった、という事件がありました。 入院。 といっても、戦時中に陸軍の軍曹だった祖父は、その後の職歴もあり、七十代後半という年齢にも拘らず、全身の筋肉がバキバキの、屈強な肉体の持ち主でした。 そのおかげか。 高所から落ちたにも拘らず、ケガは軽い捻挫と打ち身程度でした。 しかし、当時の祖父は既に高齢だったわけで。 平気に見えても

          実体験 夜の見舞い

          実体験 交差点の話

          小学校四年生の時、九月末の日曜の晩の話。 その日の内に揃えておかなきゃいけないものを買い忘れてしまったということで、母親が親父に近くのショッピングセンターに連れていって欲しいと頼み、それに自分もついていったのです。 そのショッピングセンターには交通量の多い国道側に通じる方と、工場や倉庫などの立ち並ぶ裏道に通じる方。 二つの出入り口がありまして。 うちの場合は、そっちの方が近いし行き帰りも楽だということで、国道側をいつも使っていました。 が。 何か理由があったのか単なる気

          実体験 交差点の話

          禍話リライト 忌魅恐『トイレのえつこちゃんの話』

          ※十一月十日は『トイレの日』です。 九十年代、関東地方のとある小学校での話。 学校の怪談、といえば。 やはりその代表は『トイレの花子さん』である。 その小学校の旧校舎、二階の女子トイレにも、 『女の子の幽霊が出る』 という噂があった。 ただ、その学校の幽霊は『花子さん』ではなく、 『えつこちゃん』 と、そう呼ばれていた。 噂によると。 『えつこちゃん』は、毎月第三日曜日。 夕方の五時四五分から夜十時半までの間に現れるのだそうだ。 本家の花子さんもそうだが、この手の

          禍話リライト 忌魅恐『トイレのえつこちゃんの話』