マガジン

  • 禍話リライトまとめ

    猟奇ユニット・FEAR飯のツイキャス放送「禍話」にて語られた怪談に、筆者独自の編集や聞き取りからの解釈に基づいた補完表現、及び構成を加えて文章化したものです 朗読動画などの制作を希望する方はこちらを参照して下さい https://note.com/ct_note/n/n785790e39e1d

  • 「高橋知秋のおもしろCD教室」よりぬきリマスター+新録版

    discordサーバーで連載している主に特価品棚から発掘したCDレビュー連載記事「おもしろコンパクトディスク教室」の選り抜き改訂版+note用の新規記事をまとめたマガジン

  • 音楽系単発記事

    思い付きで書いたレビューや企画系記事など。

  • 『フェイクドキュメンタリーQ』全作レビュー

    読んで字の如くです

  • Pavement - Distort Ghosts

    Pavementの作品のレビュー集(デラックス盤や他の作品など入手次第、適宜加筆予定)

最近の記事

禍話リライト「スマホじゃない」

 世の中にはいろんな恐怖が眠っちょる。 *  まず、歩きスマホは良くないのである。  これはオカルト的な意味の「良くない」ではない。ストレートに、本当に良くない。  SNSのやりとりや音楽アプリの操作など、歩きながらやりたくなる気持ちは分かる。筆者もついやってしまうことがある。しかし、ついやってしまう身として言えるのは、「あ、これいま注意が削がれているな」ということにあれほど自覚的になる瞬間もそうそうない、ということだ。  やはりスマートフォンはちゃんと立ち止まって操作し

    • 『初恋ハラスメント ~私の恋がこんなに地獄なワケがない~』感想【かなりネタバレ注意】

       中京テレビが製作した単発(たぶん)ドラマ。  一部地域のみで放映されたが、2024年3月末現在はTVerなど配信サイトで視聴が可能。  作品としては「通常の恋愛ドラマ、と見せかけたホラー作品」。  放映前の広告展開などはいかにも近年ブームとなりつつあるモキュメンタリー系ホラーっぽい雰囲気を漂わせていた…のだが、実際にはモキュメンタリーの要素も入っているものの、メインのドラマパートに関してはジャンプスケアなども飛び出す割と直球のホラーに仕上がっているので(個人的な印象として

      • 禍話リライト:忌魅恐NEO「お茶を出された話」

         これだ、もう忌魅恐NEOだ…。 *  かあなっきさんが自分と同じように実話怪談を収集している人と会話をしているときに、こんな話題が上ったという。 「もしも取材した体験者が、嘘をついていたらどうする?」  我々のような怪談を集める者は、結局のところ「取材者を信じる」しかない。  その上で、我々は世の中の怪談を網羅などしていないが(そもそもそんな人は恐らくこの世にいないが)、それでも話を聞いているうちに怪しい既視感を抱いたら、知っている中に類似した話がないか調べてみる。

        • 禍話リライト「女と子供のビデオ」

           本当にあの、嫌がらせの可能性…誰かが悪戯で作った可能性があるんで、これ。そういう動画。 *  Uさんには「本番に弱い」性質があるのだという。  試験会場の空気にあてられて知らず知らずの間にアガってしまう。そのせいで、どんなに予習をしていても本番の試験で必ず普段ではやらないようなケアレスミスを犯してしまう。試験後に自己採点をしてみると、「どうしてこんな間違えをするんだ…?」と自分で首を傾げてしまうような間違いをしている。  そのせいで、Uさんは大事な試験に繰り返し落ち続

        禍話リライト「スマホじゃない」

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        • 禍話リライトまとめ
          37本
        • 「高橋知秋のおもしろCD教室」よりぬきリマスター+新録版
          3本
        • 音楽系単発記事
          8本
        • 『フェイクドキュメンタリーQ』全作レビュー
          17本
        • Pavement - Distort Ghosts
          5本
        • CAPSULE全作紹介の道
          7本

        記事

          続・大滝詠一『EACH TIME』の曲順・バージョン史 ~40th関連アイテム出たよ編~

           昨年、こんな記事を書きまして。  投稿直後はリアクションが少なかったこの記事、じわじわと(ときには驚くような方から)リアクションを頂き、なかなか嬉しい限りなのですが。  皆さんご存じの通り、記事の最後に触れた40th Anniversary関連アイテム諸々が出ました。  この記事はとりあえず40th関連のアイテムの諸々を速報的に書く内容になる。  先の記事と同じように、あくまで曲順や商品仕様、「バージョン」に限った内容で、マスタリングなど込み入ったレベルの話はあまりしな

          続・大滝詠一『EACH TIME』の曲順・バージョン史 ~40th関連アイテム出たよ編~

          『The Audition』全曲レビュー

           最近、『The Audition』シリーズを全作まとめて入手した。某オークションサイトで。 『The Audition』って何?  そもそも『The Audition』とは何かというと、ブルボンとソニーミュージックによる合同企画『The Audition プロデューサーはキミだ!!~21世紀ガールズユニット結成キャンペーン~』のために販売された商品。  ブルボンの製造したお菓子と一緒に2曲のデモ音源(ワンコーラス)及びエントリーボーカリストのトークが入った8cmCD

          『The Audition』全曲レビュー

          禍話リライト「生き埋めの写真」

           次は近所のお兄さんの話です。 *  年号がまだ昭和だった頃の話。  当時小学生だったFさんの家の近所に、大きな家があった。  その大きさはかなりのものだったらしく、家の敷地の入り口には立派な木製の門があったという。  そこには大学生ぐらいの年の頃の、Tさんという青年が一人で暮らしていた。Tさんは少し頭が良いお兄さん、として近所では名が通っていたそうだ。  今よりも何もかもが緩い時代。  Tさんは家の広さを利用して、近所の子供たちを集めて勉強を教える、インディーズの塾

          禍話リライト「生き埋めの写真」

          禍話リライト「片手袋」

           あのさ、手袋って知ってる?…ってそんなバカみたいな…。 *  例えば、外を歩いているとき。  道端に停めた自転車に乗り込もうとするとき。  あるいは信号待ちのさなか、不意に車窓の向こうの風景に目をやったとき。  道端に軍手や手袋がぽつんと落ちているのを見たことがある、という人は多い筈だ。  不思議なもので、道に落ちている軍手や手袋はだいたい片方しかない、というのも一種の「あるある」として通じるだろう。  もはやそれをいちいち気に留めることもないぐらいにはありふれた光景で

          禍話リライト「片手袋」

          禍話リライト:忌魅恐NEO「図書館に置いてあった私小説の話」

           本は選びなしゃいっ!って話なんだよね。  *  加藤よしき氏とだいたい同い年…現在30代ぐらいのBさんの体験である。  中学生の頃。  Bさんは別段ワルというわけでもなかったが、一時の気の迷いか、あるいは未熟さ故のイキりか…一回だけ何かしらの「おイタ」をしてしまったことがあるという。  それを受けて、Bさんは先生方に「図書室の業務の手伝いをやれば処罰を軽くしてやる」というようなことを言われた。  丁度その時期に図書委員が流行り病か何かで長らく欠席しており、図書室の運

          禍話リライト:忌魅恐NEO「図書館に置いてあった私小説の話」

          大事MANブラザーズバンド「うたをうたおう」

           ファンハウス期唯一のオリジナルアルバム未収録シングル。 「クレヨンしんちゃん」の初代(!)エンディングテーマということもあり、恐らくバンドの楽曲としては「それが大事」に次いで知名度が高い楽曲である。「クレしん」関連コンピレーション盤への再録も多く、音源へのアクセスの容易さも「それが大事」並みではないだろうか。  なお、「それが大事」とこの曲はファンハウス期の楽曲でありながらサブスクでも聴くことができる。…そんなケチな事しないでファンハウス期の作品をちゃんと全作配信してくれ

          大事MANブラザーズバンド「うたをうたおう」

          大事MANブラザーズバンド 『これも大事』

           1991年の9月、全作から僅か7カ月強という異様なハイペースでリリースされた2ndアルバム。  今作は先行シングル「それが大事」のリリース直後に発表されている。「それが大事」のヒットはリリース後の91年末~92年初頭なので、結果的に1st『大事な気持ち』と今作の2作はヒット前のアルバムということになる。  また、今作から一部の楽曲の編曲にアレンジャーの渡辺禎史が携わっている。この後の作品にも渡辺は時折アレンジで参加することとなる。  結論から言えば、前作の欠点をすべて補っ

          大事MANブラザーズバンド 『これも大事』

          大事MANブラザーズバンド『大事な気持』

           大事MANブラザーズバンドが1991年1月にリリースしたファーストアルバム。  大事MANブラザーズバンドというと「それは大事」の一発屋、というイメージが強い人が多いと思う。  しかし実際には、アマチュアとして活動していた頃に「埼玉のサザンオールスターズ」の異名を取っていたこともある…というエピソードからもわかるように、幅広い音楽性と秀逸なメロディ・アレンジセンス、更には高い演奏力に恵まれたバンドである。  これは殆どの曲で筆を執っているボーカルの立川のセンスに依るものが

          大事MANブラザーズバンド『大事な気持』

          2023年良かったテレビ番組

           ドラマはほぼ見ていないので除外。  強いて挙げるなら『心霊内科医稲生知性』『世にも奇妙な物語 '23秋の特別編』『藤子・F・不二雄SF短編ドラマ』『絶メシロード 出張編』…というかマジでドラマはこれぐらいしか見てない。 単発作品『SIX HACK』 『祓除』(※地上波放映は事前番組/事後番組のみ) 『有吉弘行の脱法TV』 『ニッポンおもひで探訪 ~北信濃 神々が集う里で~』 『カルマの木』  フェイクドキュメンタリーが本格的にテレビの手法として躍進した年だったけど、一

          2023年良かったテレビ番組

          歌うドラえもん―「ドラえもんの歌」とドラえもんの音痴設定

          高橋知秋とドラえもん X(twitter)では何度も書いていることだが、私は『ドラえもん』が大好きだ。人生で初めて読んだマンガであり、人生で一番好きなマンガである。私がストーリー仕立ての創作物に求める全てがここにはある、と言っても過言ではない。センス・オブ・ワンダーとはこの漫画のためにある言葉だと思っている。  特にこの国においては、ドラえもんを好きなまま続く人生とそうでない人生の二種類があると思っていて、私の場合圧倒的に前者なのだけれど、後者の人も「ドラえもんの存在しない

          歌うドラえもん―「ドラえもんの歌」とドラえもんの音痴設定

          『祓除』:テレビと私たち

           大森氏が『SIX HACK』であらためて問うたのは、テレビというメディアの構造の危うさだったように思う。  思えば『Aマッソのがんばれ奥様ッソ!』もあきらかに問題が生じている現場を「ご家庭潜入バラエティ」に仕立て上げてしまう無神経さ(の裏の悪意の可能性)が作品の重要なキーになっているし、『このテープもってないですか?』もテレビという一方通行のメディアの拡散性が名前の無い呪術を完成させてしまうという構図を作り出した作品だった。大森氏の作品には必ず「テレビというメディア」に対す

          『祓除』:テレビと私たち

          畜生残害×HASAMI groupのポップアップストアに行き

           季節外れのぽかぽか陽気に誘われて、府中市は大東京綜合卸売センターで開催された「畜生残害×HASAMI groupポップアップストア~極楽鳥花編~」に行ってきました。ついでにいろんな場所に行ったのでそちらのレポートも付いてます。  あとここまでの文章でお分かりだと思いますが、今回の記事は試験的に敬語を織り交ぜます。 到着まで 府中本町駅から市場への道のり(だいたい10分~15分ぐらいかかります)を歩いている最中にTシャツのLサイズが完売したという報を目にする(なんでも開店前

          畜生残害×HASAMI groupのポップアップストアに行き