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京都にやってきたNew Yorker - Youは何しに関西へ?


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眠らない街、ニューヨーク。
世界を魅了する芸術が生まれ続けるニューヨークから、京都へ作曲を学びに来た一人の留学生がいます。

「名前は漢字で《べン・美園》と書くよ!
僕が習っている作曲の先生が考えてくれたんだ。」

と、気さくに話してくれる現在、京都市立芸術大学大学院に留学中のBen Shaweさん。どうして関西の音楽大学に進学したのでしょうか?

1.自己紹介

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私はアメリカにて、ニューヨーク州立大学パーチェス校に5年在籍し、「哲学」と「作曲」の2つの専攻を卒業しました。

日本では驚かれますが、アメリカでは2つの専攻を卒業する事はそれほど珍しいことではありません。現在は、京都市立芸術大学の研究生で、和楽器を使った現代音楽を作曲しています。

音楽以外では、京都でのLGBTの活動もしています。ちなみに、得意なことは料理です。

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日本語の勉強は2014年に始め、翻訳家のアメリカ人に週2時間日本語のレッスンをしてもらっていました。

外国語の勉強は、現地の人に教えてもらうよりも、「翻訳」を得意としている人に教えてもらうのがとてもいいと考えています。

なぜなら、母国語は「なぜそういう文法なのか」を考えずに話しているからです。なので、「翻訳すること」 が得意な人に習うのが一番良い方法だと考えています。
一方で、子供が言葉を覚えるときのように、常に日本語をミュージックプレイヤーで流しています。

2.建物と人の良さに惹かれた関西

2018年10月に日本に来日しました。
アメリカで毎年開催される「日本の現代音楽、和楽器奏者を招待して行う演奏会」にて京都市立芸術大学の酒井健治先生と出会ったことがきっかけで京都市立芸術大学への留学を決めました。
現在は、中村典子先生のもとで学んでいます。

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関西は関東に比べ、たくさん良いところがあります。 素晴らしい建築物。人がとてもフレンドリー。料理がおいしい。住みやすい。外国人と日本人のコミュニティーが多く存在する。 

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また、方言も個性があって好きです。
例えばタクシーの運転手がたくさん喋る大阪とか!
関西の中でも「京都」「兵庫」「大阪」など、それぞれのバラエティがあってとても興味深い地域です。ちなみに私の義理のおじさんも50年間天竜寺でお坊さんをやっています。

3.アメリカと日本の教育

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アメリカにいた頃、80ページのエッセイを書かなくてはならなくて、とても大変で。アルバイトをする暇もないくらいでした。

アメリカの教育は高校から大学、大学院に進むに連れて、緊張感がピークになるイメージだけど、 日本は高校生がピークで、大学生は緊張が解ける感じがします。英単語で言うとdenouementって感じです。

【参考】
denouement【語源】フランス語「結び目をほどくこと」の意。

それに、アメリカは、州や高校によって使う教科書や、成績の基準が違うんです。 その地域や、学校がお金を持っているか持っていないかに、とても左右されます。日本はそれが少ないんじゃないでしょうか。

4.アメリカと日本の「似ている点」「違う点」

似ている点は3点あって、「働きすぎるところ」「政治に関して保守的なところ」。 そして、「能力よりも、仕事や報酬によって、その人の価値が決まってしまうというところ」ですね。例えば医者や弁護士とかがあげられる。

一方で違う点は、日本は「考えることより、ルールに従いすぎること」だと思います。 大学院入試で英語を受験しなくてはなりませんでした。私は英語が母国語で、学部では英語の論文を書いた実績を持っているんですけどね。

5.「和楽器」への興味

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和楽器と現代的音楽(アバンガード=美しさより事実を表している)言語の融合と、観客も参加するコンサートをしたいです。 日本の伝統的な音楽は、クライマックスを求めていない曲の形式をしており、私にとって和楽器曲は現代楽器に思えます。西洋的ピッチを欲していない点において、地声は爽やかさがあり、和楽器は古いものだけど、僕にとってはとても爽やかなものです。

6.卒業後

まずは、京都市立芸術大学の大学院への進学を希望しています。

卒業後は、「和楽器が面白いことだよ」と教えるようなことをしたいです。それが「先生になる」という事になるのかはまだ分からないし、経済的に夢はないけれど。
作曲に対しては“心のある曲を作っていきたい“と思っています。日本に来て、和楽器経験のない日本人が多いことに驚き、奇妙だと思いました。そして、日本の子供たちにどう教えていくかに興味があるのです。

7.読者の方へコメント

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学校の人たちはシャイな人が多いです。専攻生以外話すことがなく、壁を感じます。

ぜひ私に話しかけてください。

そして、友達になってください。学部、専攻関係なく。そのコラボレーションでお互い良い芸術が生まれます。 それぞれが持つ文化だけでは薄いのです。

プロフィール
ニューヨーク出身。現在京都市立芸術大学にて、現代作曲専攻研究生。 和楽器を現代音楽に取り入れる。プライベートでは、京都でLGBTに関する活動も行っている。料理を作ることが得意。 見つけたら気軽に話しかけてください。待っています!

いかがでしたでしょうか。
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文責:大橋 奈菜 (おおはし・なな) 
大分県出身。大分県立大分舞鶴高等学校卒業。大分県立芸術文化短期大学音楽科ピアノコース卒業。京都市立芸術大学音楽学部ピアノ専攻卒業。
2020年4月より、関西にてフリーで音楽活動を開始予定。
HP : ななを。ホームページhttps://nanao-library.com

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