アナログゲームを用いた企業向け研修・組織開発セミナーを開催しました
2024年5月15日、アナログゲーム療育アドバイザーの松本太一氏をお招きし、大阪で「アナログゲームを用いた企業向け研修・組織開発セミナー」を開催しました。
これまでの日本の育成方法
これまでの日本の組織の成功パターンは、知識と経験が豊富な上位者が正解を決め、部下がそれを効率よく実現するというものでした。このパターンでは、部下が「いかに効率よく実現するか」がポイントで、そのためには部下全員が同じ考えや能力を持つほうが効率的でした。これを実現するためには、部下一人ひとりの考え方や能力を画一化する組織づくりが適しており、到達目標と標準的な学び方を上位者が示し、その通りに部下にがんばらせ、それを上位者が評価する育成方法がとられました。
これからの育成方法は難しくなる
しかし、今の世界は「VUCAワールド*」とよばれる、目まぐるしく変化し、先が予測できない状況です。このような状況では、上位者が正解を決められず、上位者と部下が一緒にその時の最適解を探し試すしかありません。このパターンでは、上位者と部下で「いかに多様な選択肢を出すか」がポイントで、そのためには一人ひとりが多様な考えや能力を持つほうが効率的です。これを実現するためには、一人ひとりの考えや能力の多様性を活かす組織づくりが適しており、一人ひとりに合った到達目標と学び方を上位者と部下で見つけ、それを部下が実行し上位者が支援する育成方法が必要となります。
福祉領域の育成方法にヒントが…
この育成方法を実践するためには、一人ひとりに対する理解が欠かせません。しかも、性格タイプなどの一般的な理解では不十分で、一人ひとりが業務中に起こるさまざまな出来事に対して、「その人特有のどのような反応をするか」レベルの理解が必要になります。このレベルの個人理解と育成の方法は、現在の企業ではほとんど行われておらず、そのノウハウもありません。ところが、福祉領域、特に精神障がい者や発達障害の方の就労支援では、一人ひとりの出来事に対するその人特有の反応をアセスメントして課題を特定し、それを改善する取り組みが行われてきました。企業領域の人材育成は、今、福祉領域に学びその知見を活用するときではないでしょうか。
アナログゲームを活用した支援
このような考えのもと、福祉領域で「アナログゲーム」を活用した支援を実践されている、アナログゲーム療育アドバイザー松本太一氏にご協力いただき、企業領域でアナログゲームを活用した研修や組織開発を行う取り組みを開始することにしました。アナログゲームは、コンピューターを使わないカードゲームやボードゲームのことです。今回の取り組みは、一般に市販されているゲームを行っている様子をモニタリングすることで、その人特有の反応やその組織特有の行動をアセスメントして課題を特定し、それをフィードバックし、改善に取り組むというものです。この取り組みの最大の特徴は、業務で起こってしまった課題を扱うのではなく、アナログゲームによって業務中で起こっている課題をシミュレーションし、それに事前に対応していくという点です。
セミナー参加者の声
セミナー参加者のみなさまには高く評価をいただき、以下のようなコメントをいただきました。
今回のセミナーを実施して、アナログゲームを用いた企業向け研修・組織開発の可能性を実感しました。企業向け研修・組織開発以外にも特例子会社における人材育成や管理者のスキル向上への活用も可能で、今後具体的な取り組みを進めてまいります。
(吉田善実)
アナログゲームを用いた企業向け研修・組織開発についてご関心をお持ちの方は、下記までお気軽にお問合せ下さい
contact.ki@kzhs.jp
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