荻生 清高 | 社会保険労務士 荻生労務研究所 | 熊本市の特定社労士

熊本市で社会保険労務士事務所を開いています。労務管理のご提案、勤怠管理・給与計算の導入…

荻生 清高 | 社会保険労務士 荻生労務研究所 | 熊本市の特定社労士

熊本市で社会保険労務士事務所を開いています。労務管理のご提案、勤怠管理・給与計算の導入支援、就業規則の導入支援を行っています。

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大規模災害時における、社労士の役割(1)災害発生直後

1月1日に起こった、能登半島地震。 被害に遭われた皆様には、心よりのお見舞いを申し上げます。 大規模災害において、社労士として何ができるか。 熊本地震、そして令和2年7月豪雨を経験した社労士として、復興支援を行った経験をもとに、まとめてみた。 ひとりの社労士の限りある経験・限られた地域での出来事をもとにしているので、不足も多々あると思われる。ぜひ、ひとりでも多くの経験者の、ご指摘およびご助言・補足を賜れれば幸いである。 能登半島地震の現状能登半島地震においては、この記事

    • 人事・労務の専門家が、熊本のビジネスカンファレンス「FIVE RINGS」で得た学び

      熊本市の社会保険労務士、荻生清高です。 ビジネスカンファレンス「FIVE RINGS」へのお誘いを頂き、参加して参りました。 熊本の企業・副業兼業のエコシステムの最新状況に、触れることができました。ベンチャーキャピタル関連の皆様も見かけたのは、熊本への起業関連への注目の表れだと感じました。 イベントの公式レポートはこちらです。 トークセッション2「創業60年前後・3代目。歴史ある企業3社の変革と、その裏側。」 会場に着いたのは、トークセッション2の終わり際。 朝から

      • 大規模災害における、社労士の役割(3)復興中期~後期

        社会保険労務士の荻生清高です。 本項では、熊本地震、そして令和2年7月豪雨の復興支援に従事した社労士が、体験から得たものを共有します。 毎年のように各地で繰り返される台風・豪雨災害、そして近い将来見舞われる南海トラフ巨大地震・首都直下型地震において、社労士がどのような行動をとれば、人々を、そして事業を守ることができるのか。 ひとりの社労士の少ない経験ですが、何らかの役に立つことができれば幸いです。 これまでのまとめ第1項では、大規模災害の発生直後における、社労士の役割

        • 大規模災害における、社労士の役割(2)復興初期

          社会保険労務士の荻生清高です。 能登半島地震の被害に遭われた皆様に、お見舞いを申し上げると共に、一日も早い生活の安定と、復興を願っております。 熊本地震を社労士として経験した、復興支援の体験を共有します。 毎年のように各地で繰り返される台風・豪雨災害、そして来る南海トラフ巨大地震・首都直下型地震において、少しでも早い復興に、つながることを願います。 フェーズ2「復興段階」開始の判断 前項では、被災時におけるフェーズ1「災害発生直後」を説明した。 ここからは、地震の直

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        • 社労士の災害復興支援
          3本

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          無断欠勤を続けた社員は、処分を経て普通解雇すべきか? 自然退職を適用すべきか?/リハビリ出勤の復職可否判断【ツキネコほか事件 東京地裁令和3年10月27日判決 ほか】

          社会保険労務士の、荻生清高です。 無断欠勤を続けて、出勤しない従業員。 そして、傷病でリハビリ出勤させた従業員の、復職可否の判断。 いずれも企業にとって、頭の痛い問題です。 今回はこれらに対し、参考となる裁判例を紹介します。 ツキネコほか事件の概要 この事件は、会社が原告労働者Xとの面談やリハビリ出勤を通し、Xに適性のある職種はないと判断し、退職勧奨を行ったものです。 また、Xはこれと併せて行われた、原職と異なる職場への復職命令にも応じず、無断欠勤を続けました。

          無断欠勤を続けた社員は、処分を経て普通解雇すべきか? 自然退職を適用すべきか?/リハビリ出勤の復職可否判断【ツキネコほか事件 東京地裁令和3年10月27日判決 ほか】

          歩合給の効力が否定された例【サカイ引越センター事件 東京地裁立川支部令和5年8月9日判決】

          熊本市の社会保険労務士、荻生清高です。 九州の社労士と弁護士、労働法学者、そしてゲストも時々交えた「九州労働判例研究会」を、毎月1回、熊本と鹿児島で共同開催しています。 12月例会は鹿児島開催。 今回は「サカイ引越センター事件」を取り上げました。 サカイ引越センター事件の概要 この事件は、引越運送業務に従事していた従業員が、時間外労働にかかる割増賃金、いわゆる残業代が未払であると主張し、会社を訴えたものです。 この会社は、基本給のほかに、以下の賃金を支払っていました

          歩合給の効力が否定された例【サカイ引越センター事件 東京地裁立川支部令和5年8月9日判決】

          運送業におけるオール歩合給は可能なのか? 熊本総合運輸事件【最高裁第二小法廷令和5年3月10日判決】

          社会保険労務士の、荻生清高です。 九州労働判例研究会・2023年8月例会は、熊本総合運輸事件・最二小判令和5年3月10日判決をテーマに取り上げました。地元ネタです。 いわゆる基本給・割増賃金振分け方式による固定残業代の支払が、違法とされたことで有名な判例です。 タクシー・トラック業界で広く採用されていた方法が、使えなくなったわけです。 この点については、既に多くの解説がなされてますので、ここでは概要にとどめます。本論までを短縮するため、判決の論を若干端折っています点は

          運送業におけるオール歩合給は可能なのか? 熊本総合運輸事件【最高裁第二小法廷令和5年3月10日判決】

          フリーランスへのセクハラ・パワハラ防止、安全配慮義務確保のあり方【アムール他事件 東京地裁令和4年5月25日判決】

          社会保険労務士の荻生です。 毎月1回、九州労働判例研究会を行っています。 労働法の教授をファシリテーターに招き、九州各県の社労士・弁護士と、判決文を読み込み議論、知識と経験のシェアを行っています。 さて、1月の九州労働判例研究会では、アムール他事件を取り上げました。 参加者は12名。鹿児島・熊本や宮崎などから、ご参加をいただいております。 事件の概要本件では、業務委託契約でSEO対策・ブログ更新などを行わせていた、フリーランスの女性に対するセクシュアルハラスメント、パワ

          フリーランスへのセクハラ・パワハラ防止、安全配慮義務確保のあり方【アムール他事件 東京地裁令和4年5月25日判決】

          テレワークと男性育休で、会社を成長させた事例を紹介するセミナー【12/20(火)13時開催】

          社会保険労務士の、荻生清高です。 テレワークと男性育休、人的資本経営に関するセミナーを開催します。 開催日時12月20日(火)13:00~14:00 質疑応答あり タイトル「事例解説 テレワークと男性育休で、会社を伸ばす方法」 オンライン形式(Zoom) 受講料無料 後日YouTube録画配信あり このセミナーで伝えたいこと このセミナーで伝えたいことは、会社を伸ばすサイクルです。 具体的には、計画とチェック、成果検証と発信のサイクルを回すことです。 男性育

          テレワークと男性育休で、会社を成長させた事例を紹介するセミナー【12/20(火)13時開催】

          労務管理のよくない会社は、結局は損をしている例

          今回は、入社手続きのときに、お客様から聞いた話をシェアします。 ※守秘義務上、一部脚色・改変しています。 とある関与先様から、入社手続きを代行したときのこと。 前の職場を退職するときに、有給休暇を使わせないと出勤を強要され、 使い切らないまま、退職したそうです。 もっと話を聞いてみると、普段から職場環境や労務管理に 納得のいかないところが多くあり、退職したとのことです。 その職場は、顧問社労士がいたとのこと。 名前は伏せられましたが、地元でも有数の規模の、社労士とのこと

          労務管理のよくない会社は、結局は損をしている例

          社労士事務所に就職したい方は、SNSでの「事務所職員が試験合格しました」に注目を

          社会保険労務士の荻生です。 昨日・10月5日は、社会保険労務士試験の合格発表の日でした。 合格なさった方には、お祝い申し上げます。 惜しくも合格に届かなかった方へは、その努力に心からの敬意を表します。 社労士試験の合格発表は、社労士事務所への就職を目指す人にとっても注目 さてこの時期、社労士事務所の代表・社長からも、「職員が合格しました」という書き込みが、SNS上に多く寄せられます。 実は、社労士事務所の合格発表のこの時期は、社労士事務所への就職・転職を希望する方にも

          社労士事務所に就職したい方は、SNSでの「事務所職員が試験合格しました」に注目を

          「4人以下の小さな会社・ひとり社長の労務管理がこの1冊でわかる本」を出版しました。

          社会保険労務士の荻生清高です。 「ひとり社長・小さな会社の労務管理」に特化した本を、公開しました。 Kindleにて購入できます。Kindle Unlimitedなら無料です。 小さな会社では、労務管理が軽視されがちです。 そして、それによって伸び悩む会社を、いくつも見てきました。 なぜ、小さな会社で労務管理が軽視されてしまうのか?大きく分けて、3つの理由があります。 そして、これらの理由にはすべて、それでも労務管理を必要とする答えがあります。 理由その1「うちには必

          「4人以下の小さな会社・ひとり社長の労務管理がこの1冊でわかる本」を出版しました。

          Web3が労務管理に与える影響を、社労士として考えてみた

          社会保険労務士の荻生です。 先日、こちらのイベントに、足を運んでおりました。 熊本でこのような動きが起こっていることを、興味深く聞いておりました。 このWeb3というもの、進んでいけば、労務管理にいくらかの影響はあるでしょう。どう向き合うかを、思考実験として考えてみました。 なお、Web3の定義については、ここでは取り上げません。専門家に譲ります。 Web3は概念。それ自体に良いも悪いも無い前提として、このWeb3をどう考えるか。 Web3は、火のようなものと思っ

          Web3が労務管理に与える影響を、社労士として考えてみた

          九州労働判例研究会8月例会 新型コロナ禍での在宅勤務に応じないことは安全配慮義務違反か

          九州労働判例研究会では、毎月1回、九州各地の社労士と労働法の大学教授、そして弁護士も交えて、労働裁判例の研究を行っております。 8月例会は、ロバート・ウォルターズ・ジャパン事件(東京地裁令和3年9月28日判決)を取り上げました。 ロバート・ウォルターズ・ジャパン事件の概要この事件は、新型コロナウイルス感染症を懸念して在宅勤務を求めたにもかかわらず、出勤させたことが争われました。 これに対し裁判所は、「通勤による新型コロナ感染を予見できない」「使用者としても十分な配慮をし

          九州労働判例研究会8月例会 新型コロナ禍での在宅勤務に応じないことは安全配慮義務違反か

          厚生労働省「改正育児・介護休業法に関するQ&A(令和4年7月25日版)」から見えてくるもの

          10月1日に、いわゆる男性育休の施行が迫っている改正育児・介護休業法ですが、この取扱についてのQ&Aが、厚生労働省から更新されました。 こちらに掲載されています「令和3年改正育児・介護休業法に関するQ&A(令和年4年7月25日更新)」になります。 この新しいQ&Aから見えてくるものを、解説します。 厚生労働省「改正育児・介護休業法に関するQ&A」改訂版から見えてくるもの 厚生労働省のQ&A集は、各地のハローワーク等から労働局を通して、厚生労働省に上がってくる問合せを基

          厚生労働省「改正育児・介護休業法に関するQ&A(令和4年7月25日版)」から見えてくるもの

          士業と顧問契約を結ぶメリットは何か:「一般論」という言葉に触れて

          ここ最近、「一般論として」という前置きを、聞く機会が多い。 今、地元の病院が法律上先例の無い問題を扱っていることに絡んで、病院が法務局などに照会した結果の報道が、よく流れてくる。 その過程で、「一般論として」という表現を、頻繁に目にするようになった。 この「一般論として」という前置きは、法律を扱う専門家がよく使う。 もちろん私も使っている。 使い方はそれぞれによって違うだろうが、私の場合は大きく分けて、次の2つのメッセージを込めている。 ①よくある傾向として申し上げる

          士業と顧問契約を結ぶメリットは何か:「一般論」という言葉に触れて