荻生 清高 | 社会保険労務士 荻生労務研究所 | 熊本市の特定社労士

熊本市で社会保険労務士事務所を開いています。労務管理のご提案、勤怠管理・給与計算の導入…

荻生 清高 | 社会保険労務士 荻生労務研究所 | 熊本市の特定社労士

熊本市で社会保険労務士事務所を開いています。労務管理のご提案、勤怠管理・給与計算の導入支援、就業規則の導入支援を行っています。

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大規模災害時における、社労士の役割(1)災害発生直後

1月1日に起こった、能登半島地震。 被害に遭われた皆様には、心よりのお見舞いを申し上げます。 大規模災害において、社労士として何ができるか。 熊本地震、そして令和2年7月豪雨を経験した社労士として、復興支援を行った経験をもとに、まとめてみた。 ひとりの社労士の限りある経験・限られた地域での出来事をもとにしているので、不足も多々あると思われる。ぜひ、ひとりでも多くの経験者の、ご指摘およびご助言・補足を賜れれば幸いである。 能登半島地震の現状能登半島地震においては、この記事

    • 「事業場外労働のみなし制」活用の可能性は広げるものの、慎重な運用が必要と示した事例【協同組合グローブ事件・最高裁第三小法廷令和6年4月16日判決】

      特定社会保険労務士の、荻生清高です。 労働判例研究会を、熊本と鹿児島の社労士・弁護士および労働法学の学識者と、共同開催しています。 7月開催の熊本例会は、協同組合グローブ事件を取り上げました。 前回の6月例会・滋賀県社会福祉協議会事件と同様、4月に出された労働事件の最高裁判決です。そして、熊本の事業所で起こった事件でもあります。 このnoteは、7月例会の議論をもとに、当事件についての私の見解をまとめたものです。当労働判例研究会は、参加者から自由な議論が繰り広げられ、参加

      • 安易な配置転換を戒める一方で、職種限定契約の活用を広げる意義も。【滋賀県社会福祉協議会事件 最高裁判決】

        特定社会保険労務士の、荻生清高です。 九州労働判例研究会 2024年度第1回・6月鹿児島例会を終えました。 初参加の方を含む、13名の参加を頂きました。 今回取り上げたのは、滋賀県社会福祉協議会事件です。 4月に出たこの最高裁判決が、早くも社労士、そして労働弁護士の注目を集めています。 労働判例研究会の新年度初回に、この事件を取り上げました。 本稿は、そのときの議論を参考にしつつ、本事件についての見解を述べるものです。 社労士である私としては、興味があるのは以下の点で

        • 実務に活かすための、判決文の読み方【労働判例研究会2024 開講のご案内】

          社会保険労務士の、荻生清高です。 自主研究会「労働判例研究会 Include九州2024」の、共同幹事を務めています。 熊本と鹿児島をはじめとする、九州の社労士が、労働判例の判決文の原文を読み、意見と知見を共有する研究会です。 本研究会では、今期・2024年度の参加募集を始めております。 鹿児島での6月例会・熊本での7月例会は、初回の方は無料で体験受講できます。 体験受講では、今年4月に相次いだ、2つの最高裁判例を取り上げます。 6月・鹿児島例会は、滋賀県社会福祉協議会

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        • 社労士の災害復興支援
          3本

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          なぜ社労士が、判決文の原文を学ぶのか?【労働判例研究会2024 開講のご案内】

          社会保険労務士の、荻生清高です。 自主研究会「労働判例研究会 Include九州2024」の、共同幹事を務めています。 熊本と鹿児島をはじめとする、九州の社労士が、労働判例の判決文の原文を読み、意見と知見を共有する研究会です。 熊本県社会保険労務士会の、特定社労士能力担保・ADR研修に端を発し、自主研究会として引き継いで2019年に発足し、今に至ります。労働法学者・熊本大学教授の紺屋博昭氏をファシリテーターに招き、弁護士やゲスト講師を迎えての対話形式の研究会を、毎月1回開

          なぜ社労士が、判決文の原文を学ぶのか?【労働判例研究会2024 開講のご案内】

          人事・労務の専門家が、熊本のビジネスカンファレンス「FIVE RINGS」で得た学び

          熊本市の社会保険労務士、荻生清高です。 ビジネスカンファレンス「FIVE RINGS」へのお誘いを頂き、参加して参りました。 熊本の企業・副業兼業のエコシステムの最新状況に、触れることができました。ベンチャーキャピタル関連の皆様も見かけたのは、熊本への起業関連への注目の表れだと感じました。 イベントの公式レポートはこちらです。 トークセッション2「創業60年前後・3代目。歴史ある企業3社の変革と、その裏側。」 会場に着いたのは、トークセッション2の終わり際。 朝から

          人事・労務の専門家が、熊本のビジネスカンファレンス「FIVE RINGS」で得た学び

          大規模災害における、社労士の役割(3)復興中期~後期

          社会保険労務士の荻生清高です。 本項では、熊本地震、そして令和2年7月豪雨の復興支援に従事した社労士が、体験から得たものを共有します。 毎年のように各地で繰り返される台風・豪雨災害、そして近い将来見舞われる南海トラフ巨大地震・首都直下型地震において、社労士がどのような行動をとれば、人々を、そして事業を守ることができるのか。 ひとりの社労士の少ない経験ですが、何らかの役に立つことができれば幸いです。 これまでのまとめ第1項では、大規模災害の発生直後における、社労士の役割

          大規模災害における、社労士の役割(3)復興中期~後期

          大規模災害における、社労士の役割(2)復興初期

          社会保険労務士の荻生清高です。 能登半島地震の被害に遭われた皆様に、お見舞いを申し上げると共に、一日も早い生活の安定と、復興を願っております。 熊本地震を社労士として経験した、復興支援の体験を共有します。 毎年のように各地で繰り返される台風・豪雨災害、そして来る南海トラフ巨大地震・首都直下型地震において、少しでも早い復興に、つながることを願います。 フェーズ2「復興段階」開始の判断 前項では、被災時におけるフェーズ1「災害発生直後」を説明した。 ここからは、地震の直

          大規模災害における、社労士の役割(2)復興初期

          無断欠勤を続けた社員は、処分を経て普通解雇すべきか? 自然退職を適用すべきか?/リハビリ出勤の復職可否判断【ツキネコほか事件 東京地裁令和3年10月27日判決 ほか】

          社会保険労務士の、荻生清高です。 無断欠勤を続けて、出勤しない従業員。 そして、傷病でリハビリ出勤させた従業員の、復職可否の判断。 いずれも企業にとって、頭の痛い問題です。 今回はこれらに対し、参考となる裁判例を紹介します。 ツキネコほか事件の概要 この事件は、会社が原告労働者Xとの面談やリハビリ出勤を通し、Xに適性のある職種はないと判断し、退職勧奨を行ったものです。 また、Xはこれと併せて行われた、原職と異なる職場への復職命令にも応じず、無断欠勤を続けました。

          無断欠勤を続けた社員は、処分を経て普通解雇すべきか? 自然退職を適用すべきか?/リハビリ出勤の復職可否判断【ツキネコほか事件 東京地裁令和3年10月27日判決 ほか】

          歩合給の効力が否定された例【サカイ引越センター事件 東京地裁立川支部令和5年8月9日判決】

          熊本市の社会保険労務士、荻生清高です。 九州の社労士と弁護士、労働法学者、そしてゲストも時々交えた「九州労働判例研究会」を、毎月1回、熊本と鹿児島で共同開催しています。 12月例会は鹿児島開催。 今回は「サカイ引越センター事件」を取り上げました。 サカイ引越センター事件の概要 この事件は、引越運送業務に従事していた従業員が、時間外労働にかかる割増賃金、いわゆる残業代が未払であると主張し、会社を訴えたものです。 この会社は、基本給のほかに、以下の賃金を支払っていました

          歩合給の効力が否定された例【サカイ引越センター事件 東京地裁立川支部令和5年8月9日判決】

          運送業におけるオール歩合給は可能なのか? 熊本総合運輸事件【最高裁第二小法廷令和5年3月10日判決】

          社会保険労務士の、荻生清高です。 九州労働判例研究会・2023年8月例会は、熊本総合運輸事件・最二小判令和5年3月10日判決をテーマに取り上げました。地元ネタです。 いわゆる基本給・割増賃金振分け方式による固定残業代の支払が、違法とされたことで有名な判例です。 タクシー・トラック業界で広く採用されていた方法が、使えなくなったわけです。 この点については、既に多くの解説がなされてますので、ここでは概要にとどめます。本論までを短縮するため、判決の論を若干端折っています点は

          運送業におけるオール歩合給は可能なのか? 熊本総合運輸事件【最高裁第二小法廷令和5年3月10日判決】

          フリーランスへのセクハラ・パワハラ防止、安全配慮義務確保のあり方【アムール他事件 東京地裁令和4年5月25日判決】

          社会保険労務士の荻生です。 毎月1回、九州労働判例研究会を行っています。 労働法の教授をファシリテーターに招き、九州各県の社労士・弁護士と、判決文を読み込み議論、知識と経験のシェアを行っています。 さて、1月の九州労働判例研究会では、アムール他事件を取り上げました。 参加者は12名。鹿児島・熊本や宮崎などから、ご参加をいただいております。 事件の概要本件では、業務委託契約でSEO対策・ブログ更新などを行わせていた、フリーランスの女性に対するセクシュアルハラスメント、パワ

          フリーランスへのセクハラ・パワハラ防止、安全配慮義務確保のあり方【アムール他事件 東京地裁令和4年5月25日判決】

          テレワークと男性育休で、会社を成長させた事例を紹介するセミナー【12/20(火)13時開催】

          社会保険労務士の、荻生清高です。 テレワークと男性育休、人的資本経営に関するセミナーを開催します。 開催日時12月20日(火)13:00~14:00 質疑応答あり タイトル「事例解説 テレワークと男性育休で、会社を伸ばす方法」 オンライン形式(Zoom) 受講料無料 後日YouTube録画配信あり このセミナーで伝えたいこと このセミナーで伝えたいことは、会社を伸ばすサイクルです。 具体的には、計画とチェック、成果検証と発信のサイクルを回すことです。 男性育

          テレワークと男性育休で、会社を成長させた事例を紹介するセミナー【12/20(火)13時開催】

          労務管理のよくない会社は、結局は損をしている例

          今回は、入社手続きのときに、お客様から聞いた話をシェアします。 ※守秘義務上、一部脚色・改変しています。 とある関与先様から、入社手続きを代行したときのこと。 前の職場を退職するときに、有給休暇を使わせないと出勤を強要され、 使い切らないまま、退職したそうです。 もっと話を聞いてみると、普段から職場環境や労務管理に 納得のいかないところが多くあり、退職したとのことです。 その職場は、顧問社労士がいたとのこと。 名前は伏せられましたが、地元でも有数の規模の、社労士とのこと

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          社労士事務所に就職したい方は、SNSでの「事務所職員が試験合格しました」に注目を

          社会保険労務士の荻生です。 昨日・10月5日は、社会保険労務士試験の合格発表の日でした。 合格なさった方には、お祝い申し上げます。 惜しくも合格に届かなかった方へは、その努力に心からの敬意を表します。 社労士試験の合格発表は、社労士事務所への就職を目指す人にとっても注目 さてこの時期、社労士事務所の代表・社長からも、「職員が合格しました」という書き込みが、SNS上に多く寄せられます。 実は、社労士事務所の合格発表のこの時期は、社労士事務所への就職・転職を希望する方にも

          社労士事務所に就職したい方は、SNSでの「事務所職員が試験合格しました」に注目を

          「4人以下の小さな会社・ひとり社長の労務管理がこの1冊でわかる本」を出版しました。

          社会保険労務士の荻生清高です。 「ひとり社長・小さな会社の労務管理」に特化した本を、公開しました。 Kindleにて購入できます。Kindle Unlimitedなら無料です。 小さな会社では、労務管理が軽視されがちです。 そして、それによって伸び悩む会社を、いくつも見てきました。 なぜ、小さな会社で労務管理が軽視されてしまうのか?大きく分けて、3つの理由があります。 そして、これらの理由にはすべて、それでも労務管理を必要とする答えがあります。 理由その1「うちには必

          「4人以下の小さな会社・ひとり社長の労務管理がこの1冊でわかる本」を出版しました。