マガジンのカバー画像

2023年雑記

11
気持ちを新たに投稿していきます
運営しているクリエイター

記事一覧

『プロフェッショナル仕事の流儀 ジブリと宮﨑駿の2399日』を観て

『プロフェッショナル仕事の流儀 ジブリと宮﨑駿の2399日』を観ました。

映画を観たときは、映画に自分の周辺を勝手に重ねて泣き

今日のドキュメンタリーでは、宮﨑さんと(あんまり映っていないけど)それを支えるジブリスタッフの方々、そして(これも映ってはいないけれど)このドキュメンタリーを作り上げたスタッフの方々の狂気的なまでの"表現に対する執着"にぶわぶわと鳥肌が立ちました。

自分がこれまで観

もっとみる
"君たちはどう生きるか"を工芸職人の立場から読み解く

"君たちはどう生きるか"を工芸職人の立場から読み解く

宮崎駿最後の監督作品と言われた「風立ちぬ」から10年、まさかの新作「君たちはどう生きるか」が公開されました。

SNSで口コミを覗くと、頭を悩ませている人しか見受けられない状況。
私は数日後に大切な仕事が控えているので、変な悩みで頭を支配されてしまったら困るなぁと見にいくかどうか大変迷いましたが、気になって逆に何も手につかなくなってしまったので公開2日目の7月15日(土)に観に行ってきました。

もっとみる
小林賢太郎さんと伝統工芸

小林賢太郎さんと伝統工芸

今日は"小林賢太郎さん"から伝統工芸について語っていきます。

脱線でもこじつけでもありませんって!w

2022年の年末…つい3ヶ月前のこと
たまたま私のYouTubeアカウントに流れてきたこちらの動画

何気なく見はじめて本気で混乱しました。

明らかに冗談も入ってることは分かるんですが、どこからどこまでがホントでウソか判断できない。だってみんな真面目な顔してやってるし。回らないお寿司行ったこ

もっとみる
買い支えることの恐ろしさ

買い支えることの恐ろしさ

買い支えることは、買った人の単なる自己満足でしかないかもしれません。もしかしたら、悪いほうに舵が向いていることに気づかず、突き進んでしまうことを後押ししてしまっているかも…

意志や意図に感銘をうけ、応援したい、追っかけたい、と思う作り手の方が私にもいます。
でも、愛は盲目!
「買い支える」ことは一概には良いこととは言えない場合もあるよなぁ、と、昨今思うのです。

もしその製品の作り手の労働環境が

もっとみる
江戸時代の作り手にできなくて、今できること

江戸時代の作り手にできなくて、今できること

前回の投稿の続きです

私は伝統工芸の製作に使われる道具を作っているので、道具が残っていくためには伝統工芸が続いてほしい。
いや、伝統工芸に続いているほしいから道具を作っています。
だから、伝統工芸の存在意義については自分なりの考えを持っています。

↓一応貼ってはおきますが今は飛ばして読み進めてください

でも、伝統工芸の職人さん作家さんが自分の仕事の存在意義を語るって、少しやりにくいかもしれな

もっとみる
でもやっぱり価値って難しい

でもやっぱり価値って難しい

伝統工芸の存在意義や価値について書いてきましたが、正直やっぱり難しい…

だって、現代人だもん!!

博物館で見ることができる、江戸時代の素晴らしい漆工作品の数々…

とてもすごいと思います。(語彙力w)
技術のことは詳しく分からないけれど、無条件に圧倒されてしまいます。

漆の作家さんや職人さんは、きっともっとすごいなぁと感じるのでしょう。
しかも、ただすごいという感想だけでなく、技術面的な面だ

もっとみる
積み重ねてきたものは簡単に消える

積み重ねてきたものは簡単に消える

案外、積み重ねてきたものは簡単に消えるものです。
数々のトライアンドエラーは甲斐なく、一瞬でゼロに戻るものです。

と、前回の寄稿文に書かせていただきました。

しかし、便利な工業製品があふれている今の時代、伝統工芸をそんなふうにとらえている人はいないかもしれません。どちらかというと、現代の生活とはかけ離れた嗜好品だと感じる人が多いかもしれません。

確かに…

時と場合、によってはそうだと認めざ

もっとみる
漆刷毛と伝統工芸(寄稿原文)

漆刷毛と伝統工芸(寄稿原文)

ある一般向けの冊子に漆刷毛と伝統工芸について寄稿させていただけることになりました。
しかし文字数制限のため伝えきることができなかったのが心残りです。
そこで、noteに全文を載せさせていただくことにしました。
ちょっと長いですが…お付き合いいただけたら嬉しいです🙇‍♂️

日本各地にはさまざまな伝統工芸や文化があります。そのひとつに漆芸・漆器産業があります。このものづくりで漆を塗る工程で使われる

もっとみる
キツネのダシコンブ

キツネのダシコンブ

今日はキツネのダシコンブを作っています。

ハケキツネに毎日お供えするものは、このコンブからダシをとって作っています。

味噌汁だったり、カレーだったり…寒いこの時期はポタージュを作ることが多いです。

今この記事にたまたま迷い込んでしまった一般の方はいらっしゃいますか?
一体なんの話を書いているのか分からないかもしれませんね。
すみません、一般の方向けに説明しますね。

このダシコンブ、別名を毛

もっとみる
工房の自己紹介

工房の自己紹介

こんにちは、こんばんは。
つまらなそうなタイトルなのに、開いてくださってありがとうございます。

私の名前は内海志保です。
うつみではなく、うちうみと読みます。
福島の会津若松市で、漆を塗るために使う道具“漆刷毛(うるしばけ)”を作っています。

今日はタイトルの通り、工房の自己紹介を書きたいと思います。

工房といっても、たいしたものではありません。自宅の一室と、古い小屋を改装したスペースを作業

もっとみる
投稿再開します

投稿再開します

明けましておめでとうございます🙇‍♂️

を言いそびれていたら、もう1月が終わりました。早い。

今、漆刷毛づくりは一年のうちでも最も忙しい時期に入っています。新年度に向けて、企業さんや学校さんからの注文が重なるのです。その他、溜まっている注文品もできるだけ3月末までにお届けしたい…くうぅ!!ガッツガッツ!!

昨年の秋はコロナに感染してしまい、今と比べれば半分以下ほどの強度にまで心が弱くなって

もっとみる