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ディケンジング・ロンドン

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チャールズ・ディケンズ没後150周年記念 熊谷めぐみ&霧とリボン共同企画展《ディケンジング・ロンドン》|2020.11.29〜12.5 *12/2休
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#ヴィクトリア朝

ディケンジング・ロンドン|PASSPORT 1|ディケンズという作家

 11月29日に開幕する、チャールズ・ディケンズ没後150周年記念 熊谷めぐみ & 霧とリボン共同企画展《ディケンジング・ロンドン》。  本展は、ディケンズ研究者・熊谷めぐみ様の小説案内と13組の現代作家による多彩な美術作品でディケンズの生きたロンドンを巡る趣向の展覧会となります。  旅行前に準備は不可欠。  オンライン上のストリート・ツアーをより楽しんでいただくために、ディケンズに関する三つの記事をツアー参加のパスポートとしてお届け致します。
   ディケンズがお好き

ディケンジング・ロンドン|PASSPORT 2|ディケンズとロンドン

 11月29日よりオンライン開催される《ディケンジング・ロンドン》展。小説案内と多彩な美術作品でディケンズの生きたロンドンを巡ります。  展覧会をより楽しんで頂くために会期前にお届けしているツアー・パスポート。第二回目は「ディケンズとロンドン」です。  目指すはヴィクトリア朝のロンドン。準備を整えて、ご一緒致しましょう! * * * 上写真|ヴィクトリア朝ロンドンの風景 Text & Photo| Megumi Kumagai

  ディケンズはロンドンと結び

ディケンジング・ロンドン|PASSPORT 3|頽廃とゴシック

 オンライン開催まであと二日となった《ディケンジング・ロンドン》展。菫色の小部屋には13組の作家による多彩な美術作品が並び、霧と共に、ヴィクトリア朝ロンドンの気配が漂いはじめてきました。

  ツアーへの準備としてお届けしてきたパスポート記事も今回で最後。「頽廃とゴシック」から眺めたディケンズ世界で締めくくりたいと思います。

   ロンドンのストリートを巡る架空のツアー、もうすぐ出発です! * * * 上写真|『大いなる遺産』サティス荘のモデルとなったレストレー

ディケンジング・ロンドン|TOUR DAY 1|ディケンズの書斎

*  ディケンジング・ロンドン・ツアーへようこそ!   アドベントの到来と共に、ツアー初日を迎えました。2020年から時空を超えて、ディケンズの生きたヴィクトリア朝ロンドンへ到着。夕暮れ時、霧の中に家々の灯りがぼんやりと浮かび、書物の頁に綴られていた光景がいままさに眼前に広がっています。  ツアーDAY 1、最初に訪れるのは、1837〜39年にディケンズが暮らしたホルボーンの家——物語が生まれる「ディケンズの書斎」からツアースタートです。  そこには美術作家・内林武史

ディケンジング・ロンドン|TOUR DAY 1|二都物語

* 『二都物語』あらすじ 
フランス貴族出身のチャールズ・ダーネイと、才能はあるが自堕落な生活を送る弁護士のシドニー・カートンの二人はよく似た外見をしており、ルーシー・マネットという同じ女性を愛する。同じ頃、パリでは革命の準備が進められ、その足音はロンドンにいる彼らの元まで迫っていた。 *  ホルボーンのディケンズの書斎から、『二都物語』ゆかりの場所へ移動しましょう。ツアーDAY 1の本日、二番目に訪れるのはディケンズも通った歴史あるパブ「イ・オールド・チェシャー・

ディケンジング・ロンドン|TOUR DAY 1|クリスマス・キャロル《1》

* 『クリスマス・キャロル』あらすじ
 ロンドン、クリスマス・イブの夜。強欲で人間嫌いなスクルージの前に、かつての相棒マーレイの幽霊が現れる。マーレイの予告通りに現れた、過去・現在・未来のクリスマスを象徴する三人の精霊に導かれて、スクルージは時を超えた旅に出る。 *  『二都物語』の世界から次に目指すのは、アドベントを迎えた今日にふさわしい『クリスマス・キャロル』ゆかりの三つの場所。まずは、カムデン・タウンにやってきました。  石畳に月明かりが仄かに映り込む「霧の

ディケンジング・ロンドン|TOUR DAY 1|クリスマス・キャロル《2》

* 『クリスマス・キャロル』あらすじ
 ロンドン、クリスマス・イブの夜。強欲で人間嫌いなスクルージの前に、かつての相棒マーレイの幽霊が現れる。マーレイの予告通りに現れた、過去・現在・未来のクリスマスを象徴する三人の精霊に導かれて、スクルージは時を超えた旅に出る。 *  《物語の街》を楽しんだカムデン・タウンから、スクルージの事務所があるシティに移動しましょう。  写真家・村松桂さまが切り閉じた、時が織り重なる幻想的な風景が一枚、また一枚と、霧の合間を縫ってシティの

ディケンジング・ロンドン|TOUR DAY 1|クリスマス・キャロル《3》

* 『クリスマス・キャロル』あらすじ
 ロンドン、クリスマス・イブの夜。強欲で人間嫌いなスクルージの前に、かつての相棒マーレイの幽霊が現れる。マーレイの予告通りに現れた、過去・現在・未来のクリスマスを象徴する三人の精霊に導かれて、スクルージは時を超えた旅に出る。 *  ツアーDAY 1最後の観光となります。夜も更け、夜のストリート散歩が趣味のディケンズに出くわすかもしれません。  最後に訪れるのは、未来のクリスマスの精霊がスクルージを案内した「王立取引所」。そこ

ディケンジング・ロンドン|TOUR DAY 1

 2020年からヴィクトリア朝のロンドンへ降り立ち、無事DAY 1のストリート・ツアーを遂行致しました。  チャールズ・ディケンズ没後150周年記念 熊谷めぐみ&霧とリボン共同企画展《ディケンジング・ロンドン》、DAY 1のツアーにご参加下さいました皆様に心より深くお礼申し上げます。夕刻から夜更けまで、5ヶ所を巡るツアーとなりましたが、皆様、お疲れは残っていませんか?  本展は、ディケンズ研究者・熊谷めぐみ様の小説案内と13組の現代作家の美術作品でディケンズの生きたロ

ディケンジング・ロンドン|TOUR DAY 2|互いの友《1》

★『互いの友』あらすじ 塵芥で財を成したハーモンの莫大な遺産を受け継ぐことになっていた息子のジョン・ハーモンが、テムズ川で水死体となって発見される。彼の死と残された財産をめぐって、二組の若い男女を中心とした社会のあらゆる階層の人々が「互いの友」を通じて交錯する。 *  ツアーDAY 2を迎えました。今日もヴィクトリア朝ロンドンは深い霧に包まれています。  昨夜訪れた『クリスマス・キャロル』ゆかりのシティで出会った写真家・村松桂さまの幻想に誘われて、長編『互いの友』冒

ディケンジング・ロンドン|TOUR DAY 2|互いの友《2》

* *  テムズ川を離れて、クラーケンウェルへ。ここには次の目的地である「ヴィナスの店」があります。  グレイッシュな霧の湿度に導かれて薄暗い路地に入ると、造形作家・川島朗さまがヴィナス自身の心象風景に重ねて作り上げた、ゴシックと野趣が混じり合うファザードが現れました。 * * * ヴィナスの恋  ヴィナスは、ロンドンのクラーケンウェルで、鳥獣類の剥製業と人体骨格組み立て業の店を営む人物である。彼の店には、さまざまな動物の剥製や死骸、瓶詰の標本、人骨などが並べ

ディケンジング・ロンドン|TOUR DAY 2|互いの友《3》

* 『互いの友』あらすじ 塵芥で財を成したハーモンの莫大な遺産を受け継ぐことになっていた息子のジョン・ハーモンが、テムズ川で水死体となって発見される。彼の死と残された財産をめぐって、二組の若い男女を中心とした社会のあらゆる階層の人々が「互いの友」を通じて交錯する。 *  夜の帳と霧のカーテンがロンドンの街をメランコリックに包んでいます。ヴィナスの店の次に巡る『互いの友』ゆかりの場所は、テンプルにあるモーティマーの事務所。  事務所の扉を開けるとそこには、画家・鳥居

ディケンジング・ロンドン|TOUR DAY 2|エドウィン・ドルードの謎

* 『エドウィン・ドルードの謎』あらすじ クロイスタラム大聖堂で聖歌隊長を務めるジャスパーはアヘンの常用者であり、彼を慕う年の近い甥エドウィンの婚約者ローザに邪な思いを寄せている。クリスマスの朝、エドウィンは忽然と姿を消す。エドウィンと不仲だったランドレス兄妹の兄ネヴィルは、エドウィン殺しの疑惑をかけられ町を追われる。 *  DAY 2最後のツアーは、ロンドンから離れてケント州ロチェスターへ。ここは、『エドウィン・ドルードの謎』の舞台のモデルとなった場所。  ロチ

ディケンジング・ロンドン|TOUR DAY 2

 未完の『エドウィン・ドルードの謎』では、クロイスタラムからロンドンへ向かった兄妹の消息は分からずじまいでしたが、私たちは無事ロンドンへ戻ってきました。  DAY2のツアーにご一緒して下さいました皆様に、心より深くお礼申し上げます。本日も多彩な場所を巡り、素敵な作品に出会いましたが、お気に入りの作品、小説や登場人物、場所がみつかりましたら、ぜひ「#ディケンジング・ロンドン」にてご感想をツイートして下さいませ。楽しみにお待ちしております。  本展は、美術作品でディケンズ